先手番五十嵐先生の手を考えます。
第1問
仕掛けを継続します。使いたい駒がありますね。
A 45歩 B 25桂 C 65歩
第2問
落ち着いています。
A 44歩 B 57金 C 79玉
第3問
少し先を読んでみればわかります。
A 45金 B 25桂 C 46飛
先手番五十嵐先生の手を考えます。
第1問
仕掛けを継続します。使いたい駒がありますね。
A 45歩 B 25桂 C 65歩
第2問
落ち着いています。
A 44歩 B 57金 C 79玉
第3問
少し先を読んでみればわかります。
A 45金 B 25桂 C 46飛
今日の棋譜(2)20200607
昭和24年2月、五十嵐豊一先生と第8期名人戦挑戦者決定戦の指し直し局です。(大山康晴全集では大山七段と誤植されています。)
日を改めての指し直しですが、またも五十嵐先生が(多分振り駒で)先手になっています。今ならば何度でも千日手になりそうですが、当時は千日手は珍しかったので、後手でも打開するし、規定が緩やかだったのでしょう。
もう一度相掛かりです。
大山先生は旧型で
中央の位を取りました。
44歩を突くのは少し欲張りでしょう。先手からの56歩を気にせねばなりません。(65銀や64銀で対応するのでしょう。)
五十嵐先生は今で言うところのツノ銀雁木です。
ここから仕掛けます。
35歩同歩65歩。65同銀55角は後手の主張が無くなり、十分でしょう。つまりは作戦勝ちでした。
34金に56歩。これで角銀を使えそうです。
大山先生は中央を保てないので、3筋の位だけ主張して、銀を引きました。
飛も使って受けようというわけですが
五十嵐先生は中央を押さえて、玉を移動します。作戦勝ちで模様が良いから、攻めを急がずに待っていれば良いわけです。
大山先生は我慢しきれなくなって45歩を取りました。
45同銀に47歩。こういう垂れ歩は、対抗型でよく見かけますが、疑問手のほうが多いです。相居飛車で相手玉に向かわないのは、大体疑問手です。ここでは4筋に歩を打てなくなり、攻めて来いという催促なのですが。
五十嵐先生は34銀同金45金。シンプルに攻めましたが、43銀(上か打)に44歩がありますね。
43銀引には2筋を継ぎ歩攻めです。25同歩同桂22角23歩同金13桂成同金14歩と攻めていけば攻め潰せるでしょう。
大山先生は24歩の取り込みを無視して、36歩~37歩成
銀を打って飛取りでしのぎます。飛を逃げてくれる相手ならば逆転ですが
五十嵐先生はもちろん「両取り逃げるべからず」で、金を取り、角取りで返します。22角は同飛成同玉54歩が気持ち良いです。
飛角を取り合い
金取りになるので、一度44金と逃げるのがボケた感じではありますが、34歩の攻めがあります。こうなると79玉~66角が効いていますね。
大山先生は43歩も打てないので、急いで58歩成同銀48歩成。
43歩の方ではなくて、49飛~58と で金の両取りです。
でも先手の33金を放置できず、33同銀右では形勢は好転しません。少し駒得ですが、玉が薄く、攻め駒も足りないのです。
五十嵐先生は竜を追い
43歩を打ったところで、86歩を打たれました。もちろん86同歩で十分ですが
45桂を打って寄せに出ました。8筋を攻められますが
金取りを放置して(86桂が詰めろにならない)54歩は2手すき。
銀を剥がして
平凡に金を打ち込み
飛をおろして詰めろをかけたところで、大山先生は投了でした。
五十嵐先生の快勝譜です。このあとは木村先生と挑戦者決定戦決勝で破れ、木村先生は名人復位(これが初めての出来事)したのです。
大山先生らしい受けの将棋で、ちょっと変わった受け方をするのですが、五十嵐先生のほうは現代的な指し方で勝ちきりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/02/04
手合割:平手
先手:五十嵐豊一7段
後手:大山8段
先手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2六飛(24)
12 3四歩(33)
13 4八銀(39)
14 6二銀(71)
15 7六歩(77)
16 8六歩(85)
17 同 歩(87)
18 同 飛(82)
19 8七歩打
20 8二飛(86)
21 1六歩(17)
22 5四歩(53)
23 5八金(49)
24 5三銀(62)
25 4六歩(47)
26 5五歩(54)
27 4七銀(48)
28 5四銀(53)
29 6八銀(79)
30 4二銀(31)
31 3六歩(37)
32 5三銀(42)
33 3七桂(29)
34 4四歩(43)
35 1五歩(16)
36 5二金(61)
37 6九玉(59)
38 7四歩(73)
39 6六歩(67)
40 4三金(52)
41 6七銀(68)
42 3三角(22)
43 9六歩(97)
44 4一玉(51)
45 3五歩(36)
46 同 歩(34)
47 6五歩(66)
48 3四金(43)
49 5六歩(57)
50 同 歩(55)
51 同 銀(47)
52 4二銀(53)
53 4五歩(46)
54 5七歩打
55 6八金(58)
56 5二飛(82)
57 5五歩打
58 4三銀(54)
59 7九玉(69)
60 3一玉(41)
61 6六角(88)
62 4五歩(44)
63 同 銀(56)
64 4七歩打
65 3四銀(45)
66 同 銀(43)
67 4五金打
68 4三銀(34)
69 2四歩打
70 同 歩(23)
71 2五歩打
72 3六歩(35)
73 2四歩(25)
74 3七歩成(36)
75 2三歩成(24)
76 2五歩打
77 同 飛(26)
78 3六銀打
79 3二と(23)
80 同 銀(43)
81 3四歩打
82 2五銀(36)
83 3三歩成(34)
84 同 桂(21)
85 4四金(45)
86 5八歩成(57)
87 同 銀(67)
88 4八歩成(47)
89 6七銀(58)
90 4九飛打
91 8八玉(79)
92 5八と(48)
93 3三金(44)
94 同 銀(42)
95 5八銀(67)
96 4六飛成(49)
97 5七金(68)
98 4一龍(46)
99 4三歩打
100 8六歩打
101 4五桂打
102 8七歩成(86)
103 同 金(78)
104 8六歩打
105 同 金(87)
106 9四桂打
107 5四歩(55)
108 4三龍(41)
109 3三桂成(45)
110 同 銀(32)
111 5三金打
112 同 飛(52)
113 同 歩成(54)
114 同 龍(43)
115 8二飛打
116 投了
まで115手で先手の勝ち
今日の棋譜20200607
昭和24年2月、五十嵐豊一先生と第8期名人戦挑戦者決定戦です。パラマス式なのでA級2位の大山先生は2勝すれば再度の挑戦権を得られます。五十嵐先生はB級で優勝、3位の升田先生を破ってあと2勝です。
相掛かりになりました。
飛の取り合いになれば手将棋ですが
飛を引いて、新型の相掛かりです。(大山先生は先手の浮き飛車を阻止したことになる。)
相掛かりの同型腰掛銀ですが
五十嵐先生は47金~37桂、大山先生は63金~65歩で少し同型から離れました。ここから58玉52玉45歩73桂26飛と進めば、88角成同銀22銀から駅馬車定跡ですね。その将棋は昭和23年9月なので、2人が知っていてもおかしくはないですが。
五十嵐先生は1手損で角を交換しました。
後手に位を取られて、66歩同歩同銀65歩55銀左という筋をねらわないと主張がないと思うのですが。
そこでひねり出したのが86銀~77角。86銀では68銀とするほうが玉が堅いです。
大山先生は64角を打ちました。角の働きは同等だとしても、玉の堅さが違うので、後手の作戦勝ちです。
さらに42飛と備えれば、五十嵐先生は攻めにくいです。
85歩を打たれたら、97銀として攻めを考えるのが普通かもしれませんが77銀。
もう68銀から35歩同歩45歩の攻めに成算を持てなかったのでしょう、ここから28飛63金26飛62金を繰り返して
千日手です。昔は同一手順3回でしたが、それでも最後の28飛は余計だと思います。
千日手は日を改めて指し直しでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/02/01
手合割:平手
先手:五十嵐豊一7段
後手:大山8段
先手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 1六歩(17)
8 1四歩(13)
9 4八銀(39)
10 6二銀(71)
11 2四歩(25)
12 同 歩(23)
13 同 飛(28)
14 8六歩(85)
15 同 歩(87)
16 同 飛(82)
17 8七歩打
18 2三歩打
19 2八飛(24)
20 8二飛(86)
21 7六歩(77)
22 3四歩(33)
23 5八金(49)
24 5二金(61)
25 4六歩(47)
26 6四歩(63)
27 4七銀(48)
28 6三銀(62)
29 5六銀(47)
30 5四銀(63)
31 6九玉(59)
32 4一玉(51)
33 3六歩(37)
34 7四歩(73)
35 9六歩(97)
36 9四歩(93)
37 4七金(58)
38 6三金(52)
39 3七桂(29)
40 6五歩(64)
41 2二角成(88)
42 同 銀(31)
43 8八銀(79)
44 3三銀(22)
45 7七銀(88)
46 4四歩(43)
47 7九玉(69)
48 3一玉(41)
49 8六銀(77)
50 7三桂(81)
51 7七角打
52 6四角打
53 2六飛(28)
54 4二飛(82)
55 1八香(19)
56 4一玉(31)
57 8八角(77)
58 8五歩打
59 7七銀(86)
60 8二飛(42)
61 6九玉(79)
62 6二金(63)
63 2八飛(26)
64 3一玉(41)
65 2六飛(28)
66 8一飛(82)
67 2八飛(26)
68 6三金(62)
69 2六飛(28)
70 6二金(63)
71 2八飛(26)
72 6三金(62)
73 2六飛(28)
74 6二金(63)
75 2八飛(26)
76 6三金(62)
77 2六飛(28)
78 6二金(63)
79 2八飛(26)
80 千日手
まで79手で千日手