名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-11 中央位取り中飛車(4)

2024-11-30 | 基本定跡の研究

後手の穴熊をもっと掘り下げてみましょうか。高見泰地先生の「中飛車破り 一直線穴熊徹底ガイド」に従って検証してみます。後手の中央位取り中飛車 ( ゴキゲン中飛車からの変化) についても書いてありますが、ここで調べるのは先手の中央位取り中飛車に対してです。

これまでとは少し駒組手順が違うのですが、結果に違いはないでしょう。

先手が美濃囲いを選択した場合、38銀43金57銀12香56銀

11玉46歩22銀68金

先手は左金を右に寄せて高美濃へ組みます。64歩57金74歩47金72飛

これは66角82飛77角72飛・・・の千日手ねらい。66角82飛には88飛と応じて、51銀36歩42銀

この図の評価値は0近辺の互角です。高見先生は先手が飛を動かせないので局面を打開しにくいと見ているようです。先手に不満は無いような気はしますが、後手の穴熊は堅くなります。

プロの実戦では先手が相穴熊を選ぶ方が多いようです。

57銀12香46銀

56銀型ではなく、46銀型で後手の角頭をねらうのが主流です。11玉36歩43金38飛

後手は3筋を受け切ることはできません。32金35歩同歩同銀85歩

ここで分岐ですが、今日のところは34銀同金同飛51銀

この図以下を調べてみます。この図の評価値は-182の後手良しです。銀金交換は少し得ですが、先手は穴熊を固める前に動いてはいけなかったというわけですね。54歩同歩44飛、軽くさばこうというのは43銀

がっちり受けられて困ります。46飛77角成同桂55角66角同角同歩55角

先手玉が薄すぎます。評価値は-683、高見先生は後手優勢としています。

戻って

36飛と引いておく手には、高見先生の22角よりも42銀右が良いようです。

この図の評価値は-195の後手良し、86歩同歩88歩の筋がねらいです。(22角だと85歩同角~53角成が生じます。)

また戻って

38飛は42銀右18香65銀

高見先生の86歩同歩87銀でも良いのですが、この銀打も先手は困ります。78金86歩同歩76銀59角88歩

88同金は67銀成なので、77金が最善ですが、同銀成同桂89歩成

この図の評価値は-324の後手有利です。

また戻って

AIに聞くと、先手の最善手は33飛成です。33同金71角52飛41金

42銀右54歩同歩31金同銀53銀

これは後手がまずいようですが、41飛の自陣飛車が良い手で、52銀不成71飛82飛36歩

この図の評価値は-132の後手ペースです。やはり先手は穴熊に囲うのを優先する方が良いでしょう。

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SS4-11 中央位取り中飛車(3)

2024-11-29 | 基本定跡の研究

昨日の途中図で

45歩に同歩は先手が良くなったので、後手は75歩と攻め合ってみます。

44歩同金48飛

4筋に目を向ければ先手が良いようで、76歩66角65歩84角

角を逃げておけば、77歩成には73歩と応じられます。この図の評価値は+205の先手良しです。

杉本先生は65歩に同銀と応じて、55金44歩

角金交換で良いというのですが。66金同歩42歩

54歩同銀同銀同歩43歩成同歩同飛成

先手優勢とされているのですが、この図の評価値は0近辺の互角です。56角44銀24角41金42銀

後手の穴熊もまだ抵抗力があって難しいようです。

それはともかく、

この形の相穴熊ならば、金銀の配置の違いから、先手の作戦勝ちのようです。後手が44歩と64歩を突いていることが原因でしょう。AIに聞くと、

19玉11玉28銀22銀57銀43金

後手は64歩を突かないで駒組を進める方が良いのです。46歩14歩16歩31金39金85歩56銀51銀

65銀と出ると、42銀54歩

54同歩同銀同金同飛86歩

86同歩は65銀~76銀と攻められます。86同角は53歩57飛45歩

という調子で後手ペースです。

ということで

65銀~54歩は得ではなく、穴熊の固め合いが続きます。59金42銀49金左24角

後手の角も使えました。48飛33金38金左32金引

この図の評価値は0近辺の互角です。普通の相穴熊よりは先手が得をしている気はしますが、固め合うと互角なのです。

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SS4-11 中央位取り中飛車(2)

2024-11-28 | 基本定跡の研究

後手に何かしらの対策が必要です。85歩を保留して玉を固めてみましょう。

杉本先生は穴熊を選択しますが、居飛車も穴熊にしたらどうなるか。

穴熊の後は金銀の配置なのですが、後手は44歩と64歩を突いておかないと、先手の左銀に進まれて具合が悪いのです。

すると金銀の配置はこんなところで、振り飛車の穴熊のほうが堅くなりました。85歩38金左72飛

後手が動くとしたら7筋からです。この図の評価値は+72、先手がまずまずの駒組です。45歩同歩48飛

先に動いてみましょう。杉本先生は75歩に54歩同銀45銀

これで先手十分だとしているのですが、評価値は+84なので、もう少し工夫しておきたいところです。

戻って

75歩には同歩同飛44歩

44同金45銀同金同飛44歩46飛

56の銀は63の銀と交換するよりも、43金と交換する方が得です。穴熊の堅さもずいぶん違いますね。この図の評価値は+175で先手ペース。

後手としては

75歩では大したことがなかったので、24角のほうが良いでしょう。45銀57角成54歩

馬飛の交換は先手の得です。54同金が最善で、34銀67馬

これは43飛成だと77馬同桂61角で難しそう。22角成同飛43飛成とするほうが

実戦的です。42歩33竜32金

33同桂とは取りきれなかったので金を上がります。22竜同玉25銀

角銀交換なので形勢判断が難しいところですが、評価値は+218の先手良しです。駒の損得よりも玉の堅さが優先されるようですね。

ということで

この図は先手が指せるようです。後手の工夫は・・・また明日。

 

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SS4-11 中央位取り中飛車(1)

2024-11-27 | 基本定跡の研究

ゴキゲン中飛車ではない、5筋に位を取る中飛車を検討します。杉本昌隆先生の「中飛車戦法」という本から。

76歩84歩56歩34歩55歩

中飛車が先手番、かつ後手が54歩を突かなかった場合にしか出現しません。62銀58飛52金右48玉42玉38玉32玉

桐山先生が書いていた定跡本だったと記憶していますが、玉の移動よりも左銀を56に配置するのを優先した組み方もあったはず。さてここはちょっと注意が必要で、77角85歩68銀

角を上がってから銀の順番が正しいのです。この図で84歩88角の形ならば54歩を突かれて取れず、位が消えてしまいますから。さて後手がおとなしく指した場合ですが、42銀28玉44歩38銀43銀

66歩64歩67銀74歩46歩

杉本先生は56銀を後回しにする組み方を選んでいます。

14歩16歩63銀56銀35歩

後手は玉頭位取りですが、68飛73桂

73桂と跳ねさせます。33角58金左34銀78飛

今度は飛を7筋へ。手損しているようですが、94歩59角33角75歩同歩同飛74歩76飛

石田流の定位置に飛を移動できました。22玉48角32金の時に、杉本先生は77桂ですが、跳ねないで65歩が正しい攻め方です。

65同桂は66歩で桂を殺せます。65同歩64歩同銀74飛63金84飛

飛交換は避けられず、この図の評価値は+415の先手有利です。

戻って

22玉68角32金に、杉本説の77桂は自然ですが (65歩同歩同桂総計同銀と攻めるのがねらい) 54歩を突かれて

話はちょっと難しくなります。54同歩43金右65歩54金

AIこれでも55歩53金36歩同歩35歩とすれば

先手有利なのですが、知らないと指せないでしょう。23銀36金は位を失った後手の作戦負けです。35同銀は64歩同金65歩75金同飛同歩34金の筋。

こうなれば先手が良いのですが、ちょっと難しくしているので、

桂を跳ねる前に65歩と攻めるのだと覚えておきましょう。先手の理想形です。

 

 

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SS4-10 奇襲中飛車(9)

2024-11-26 | 基本定跡の研究

ヒラメ戦法にはもう1パターンあって、初手から58飛34歩56歩54歩

48玉62銀38玉42玉28玉32玉38銀84歩76歩85歩77角

他の手順でも合流するパターンがありますが、先手の68銀が間に合っていない形です。77角成同桂86歩同歩87角

奇襲大全には載っていないのですが、78銀76角成と馬を作るのは、後手にとってわかりやすいでしょう。ただしその図での評価値は-124、後手ペースでしょうけどこれからです。

本に載っているのは86歩同歩同飛55歩

後手の飛は空成りですから、54歩の取り込みのほうが大きいです。55同歩54歩

ここで後手がどう指すべきか。本に載っている84飛は悪手で、55飛44角66角

55角同角22銀66角打

両取りで先手優勢です。

AIに聞くと、

最善手は52金右です。55飛33角66角に、55角同角22銀あるいは42銀は後手良し。65桂が最善ですが、85飛が好手です。

53歩成から清算しても桂歩と銀の交換では思わしくないようです。飛を使いたいので55飛44角66角

55角同角65飛11角成22銀

この図の評価値は-196の後手良しです。12馬には57桂があり、22同馬でも先手の駒損です。

つまり

このパターンは先手がうまくいかず、68銀77角とできるパターンは限られます。ヒラメ戦法はまあまあ良さそうな戦法ですが、いつも使えるわけではないようです。

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SS4-10 奇襲中飛車(8)

2024-11-25 | 基本定跡の研究

次はヒラメ戦法。奇襲大全に出ています。初手から76歩84歩56歩54歩58飛

62銀48玉42玉38玉32玉28玉85歩77角34歩68銀

先手は角交換を避けません。77角成同銀42銀38銀

ここまでは普通の進行ですが、44歩59金左

左金を59に寄るのが特徴です。横に平たいのでヒラメと呼ぶのでしょう。香落ち上手で採用されることがあると聞きます。43銀96歩53銀66銀

96歩は必須ではないですが、後手の53銀を待っていたという感じです。86歩同歩同飛に75角があるから、今は8筋は大丈夫です。52金右77桂64歩55歩

55同歩同飛42金上85飛

軽く飛交換というのがねらい筋の一つです。飛交換は先手よし、後手は54歩を打たなかったので84歩とできて、86飛88角は互角です。もし香落ちならば88角は香取りではないので難しいです。でもAIに聞くと、83歩には71角 (72飛は53角成同金直84飛なので) 83飛55飛

53飛成~72銀を見て先手有利、評価値は+463です。

戻って

55歩を取れないとなると後手が苦しく、33桂54歩同銀直55銀

これも交換には応じにくく、63銀54歩42金上71角

72飛44角成同銀同銀・・・という調子です。

でも先手の96歩はねらい過ぎという感じです。

AIに聞くと、43銀には55歩同歩66銀とすぐに攻めて

53銀には77桂

64歩と受けると55飛~95飛の筋です。52金右55銀54歩65桂

ずでにこの図の評価値は+500の先手有利。55歩には71角 (62飛には53桂成) 72飛53角成

これは簡単なので

後手の最善は64銀、54銀同銀同飛65銀

桂損で良いのか? と思えますが、55飛54銀打71角

72飛には44角成とします。84飛ならば58飛77角53歩42金寄52銀

平凡に攻めて先手有利みたいです。後手の歩切れが痛いのですね。

AIに後手の指し方を聞くと、

44歩~43銀で中央を厚く構えるというのが間違いのようです。52金右59金左14歩16歩53銀左

55歩同歩同飛54歩58飛74歩46歩64歩

66銀~77桂に対応できるように、64歩~63銀型のほうが良いでしょう。56角63銀34角くらいで

この図の評価値は-145の後手ペース。思ったよりも良くなっていないのは、後手から角を交換しているからでしょう。54歩を突いているので、71角の筋を気にしなければいけないということもあります。だから後手ペースではあるのですが、先手が指せないこともないでしょう。角交換振り飛車のなかでは、中飛車が一番良い気がします。手将棋で苦労するにしても、居飛車穴熊を相手にするよりは気楽に指せるかも。

 

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SS4-10 奇襲中飛車(7)

2024-11-24 | 基本定跡の研究

次に取り上げるのは「鬼六流ドッカン飛車」です。団鬼六先生考案で、女流棋士に連勝したことから、女流殺しとも。

初手から76歩52飛26歩72金

素人っぽいスタートが特徴です。2筋の受け方ですが、25歩には34歩24歩同歩同飛

飯塚先生は88角成同銀22銀を勧めるのですが(28飛27歩18飛33銀38金22飛で後手ペース)、 66角23歩25飛

この図の評価値は+42の互角です。

それよりは

88角成同銀33角のほうが優り、28飛27歩48飛22飛

この図の評価値は-77で後手の最善です。

あるいは27歩のところを26歩にして、77桂22飛38銀

この図の評価値は-30

どれも互角の範囲ですが、2筋は受かっているので、先手の動きは早すぎました。

25歩34歩48銀62銀68玉61玉78玉71玉58金右82玉

後手は壁型でしたが、金美濃に組み替えることができるのです。96歩94歩24歩同歩同飛

こう進むと升田式石田流の応用です。88角成同銀22飛

23歩12飛22角32金

AIに聞くと、34飛33角同角成同金36飛は互角だそうですが、31角成同金22銀と強攻すると、44角31銀不成33角打

後手優勢になります。この手順は覚えているでしょう。

なので先手としては

23歩12飛の時に26飛と引いておくのもあって、32金36歩22歩

これも升田式石田流の応用ですね。でもAIに聞くと、22同歩成同飛に25歩と謝るのではなくて、22同飛成同銀61角71金52角成

後手が金美濃なので馬を作って難しいようです。評価値は+113で先手に振れています。

戻って

23歩12飛77角32金28飛

これが先手の最善で、33桂36歩25歩

飯塚先生は37銀23金46銀として先手の模様が良いとしているのですが、AIに聞くと、37桂23金25桂同桂同飛24歩29飛

このほうがすっきりしていて、評価値は+397、先手有利です。後手は飛金銀をまとめるのに苦労しそうです。

どっかん飛車の問題点はもう一つあって

先手が動かなかった時に、こんな図になるのですが

後手のねらいがありません。88角成同銀22銀・・・ではなあ、という話です。

升田式石田流の応用としては、どっかん飛車は相手になめてかかってもらえればまあまあ互角なのですが、中飛車にする意味はないのです。3-4-3戦法 (角道オープン四間飛車) のほうが優るでしょう。

 

 

 

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SS4-10 奇襲中飛車(6)

2024-11-23 | 基本定跡の研究

端角中飛車は、後手が54歩を突いたバージョンもあります。初手から58飛34歩56歩54歩

位取り中飛車を避けるためにも、この方が自然でしょう。68銀84歩96歩85歩97角

後手としては8筋の歩を保留して、中央を厚く構える方が無難なところでしたが。62銀57銀52金右46銀94歩45銀

「奇襲大全」によると、松田竹二郎さんが指した将棋のようです。32銀54銀95歩 (95同歩同香の時に31角成で銀を取れない) 55歩96歩53角成

松田さんはこんな荒い将棋を指す人だったのでしょうか? アマ連会員誌でコラムを連載している人ですよね。この本は古いので若いころの話かもしれませんが。さて、こういう時は自然に応じるのが良く、53同銀同銀成同金54歩同金同飛42玉

角金交換で、8,9筋は破れますから後手優勢、評価値は-1025です。

実戦では

53同銀同銀成の時に45角

これも悪い手ではないのです。54歩に55歩と打って守れるから。52成銀同金53金42銀

71銀92飛93歩同飛52金同玉62金

41玉63金54角62銀成

ここまでは良いのですが、後手が74歩と突いたのが1手パスの悪手で、53歩の垂らしで逆転しました。正しくは44角53歩41玉52歩成33銀

玉を移動して銀をかわしてしまえば後手有利を保てました。

かなりの無理攻めなのは、飛角銀しか参加していないからです。後手がよほどひどいことをしなければ、先手が良くなることはありません。

さてAIに対策を聞くと、52金右としないで94歩だと。

46銀に95歩と仕掛けるのですが、同歩同香の形は

2枚替えになるから回避するという先入観があります。でも31角成同角95香86歩

86同歩同飛79金96飛

この図の評価値は-671の後手有利です。88飛には87歩同飛86歩で問題なし。98香には86飛でも、97歩同香同角成同桂同飛成でも同じくらいの評価値です。

ということで端角中飛車はまったく成立しないのでした。

 

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SS4-10 奇襲中飛車(5)

2024-11-22 | 基本定跡の研究

次に採り上げるのは端角中飛車です。私に思い出がある戦法で、40年前にNHKの将棋講座で田丸昇先生が紹介されていました。関少年が質問のはがきを送ったら、番組で解説され、中原NHK杯の扇子を頂きました。「奇襲大全」には松田竹二郎さん考案とあります。本当かな? 飯塚祐紀先生の「奇襲振り飛車戦法」にも載っています。

初手から58飛34歩56歩

84歩96歩85歩97角

これで端角中飛車です。62銀55歩52金右48玉42玉54歩

42玉が悪手で、すでに先手有利と言いたいところですが、この図の評価値は-226の後手良しです。飛角だけの攻めではつぶれてはいません。名南将棋大会でもTさんが愛用していて、級位者の子どもがひどい間に合って泣いていました。

飯塚先生の解説では44歩が苦心の受けで、53歩成同銀54歩64銀

ここは一度66歩を突いてから、74歩64角同歩53銀・・・と進めたほうが良いと書いてあります。でも単に64同角同歩53銀43玉

玉をここにかわすための44歩だったのですが、52銀不成同金53金33玉52金84角

金を打って受けるわけにもいかず、38玉57歩59飛52飛で先手の攻めが切れると。でもAIに聞くと83金があって

後手の角が死んでいます。ならば金得で先手優勢になるでしょう。評価値は+522

戻って

後手の最善手は44歩ではないです。53に数を足す44角が正解で、53歩成には同角同角成同銀

この図の評価値は-225で後手良しです。先手はずいぶん手損していて、4手も違います。これだけ知っていれば話は終わりで良いのですが、

私が泣いている子どもに教えたのは、42玉ではなくて42金上

中央を手厚く構えれば問題ないよ、41玉~32玉と囲うのだよ、40年前に・・・という昔話をしてなだめました。

さて飯塚先生は対策も書いています。初手から58飛34歩56歩62銀55歩42玉

84歩~85歩を後回しにすれば良いと。ただし先手は位取り中飛車にできるので不満はないでしょう。端角中飛車にこだわると、96歩32玉97角52金右48玉42銀38玉84歩28玉85歩38銀

94歩には56飛と浮いて

角頭を受けます。(後手陣が31銀42金上の形でも問題ないでしょう。) ここで84飛はちょっとおかしく、75角に74飛は悪手です。

82飛と戻れば悪くはなかったのですが。48角33銀86歩44銀85歩55銀86飛

飯塚先生は先手良しと。評価値は+906あるので、先手優勢に近いです。83歩84歩同歩82歩93桂81歩成・・・

戻って

ここでの最善手は44歩という解説です。54歩は疑問手ですが、43金と受け

53歩成同銀右で手得です。68銀に45歩

57銀64銀66銀55歩

以下はこの図を目指して

居飛車不敗の態勢だと。評価値は-452、手厚い将棋を好む飯塚先生らしいです。

ただ、先手に54歩を突いてもらえないと少し不満が残ります。43銀~45歩~44銀と盛り上がっていけばよいのですが。AIに聞くと、

14歩16歩74歩68銀73銀

右銀を繰り出すほうが良いと。55歩を取りに行くのです。54歩を突かれたら、同歩同飛33銀から中央を押さえこみ、95歩同歩96歩88角86歩・・・をみます。57銀64銀46銀には44歩

45歩~55銀があるので後手有利、評価値は-376です。

 

 

 

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SS4-10 奇襲中飛車(4)

2024-11-21 | 基本定跡の研究

痛快! ワンダー戦法」という本に、先後が逆ですが

中飛車で33角と上がらない、「77角省略中飛車」という戦法が載っています。24歩同歩同飛に32金

2筋の歩を切らせて戦うのです。後で飛を2筋に回って逆襲するねらいです。

ということは原始中飛車で始めて

44歩を突けば同じことですね。68銀42銀57銀左43銀68金上33桂

46歩31角37桂53角25桂

先手が急戦を考えるとこんな図でしょう。25同桂同飛21飛

あとは2筋の歩を伸ばしていけばまあまあです。この図の評価値は+74の互角。

「ワンダー戦法」では中飛車が先手ですし、早囲いにしているので手順が変わるのですが、先手の急戦にも対応できそうです。

では先手が居飛車穴熊を目指したらどうか。

57銀42銀77角43銀88玉

31角98香64角

先手が36歩を突いているというのがマイナスに働きます。46歩33桂47金

金銀の力で4筋は受かるのですが (47金としないと45桂があった) 、45歩66歩46歩同銀45歩37銀

53角99玉35歩

後手はまあまあ戦えます。この図の評価値は+54の互角。

AIに聞くと、

64角を意識して、31角66歩33桂46歩

先に歩を突いておけば受かります。65の位を取るのもあるので、後手は64歩を突いてから2筋に飛をまわります。98香53角99玉21飛

2筋の歩を伸ばされるので、先手は歩を打って謝るのですが、25歩を打って駒組を進めるとこんな図です。

先手からは動きにくく、84歩68銀71玉67銀61玉68角52玉37桂62金

中住まいにして飛は8筋で使う感じでしょうか。これこそ「風車戦法」ですね。9筋の位を取れていたら92香~91飛の端攻めでしたが。この図の評価値は+292、先手の作戦勝ちなのでしょうけど、どう開戦するかも含めて、難しいと思います。

後手有利になるわけでもないのですが、まずまず戦える戦法ではないでしょうか。

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