後手番大山先生の手を考えます。
第1問
まずは基礎知識です。
A 44同銀右 B 44同金 C 44同銀左
第2問
この形では無理攻めです。
A 53同銀 B 45金 C 48歩
第3問
有利な時には自然な手が良いです。
A 66角 B 46歩 C 69銀
第4問
わかりやすい勝ちです。
A 78角 B 85香 C 86歩
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
まずは基礎知識です。
A 44同銀右 B 44同金 C 44同銀左
第2問
この形では無理攻めです。
A 53同銀 B 45金 C 48歩
第3問
有利な時には自然な手が良いです。
A 66角 B 46歩 C 69銀
第4問
わかりやすい勝ちです。
A 78角 B 85香 C 86歩
今日の棋譜(2) 20200621
昭和24年12月、丸田祐三先生と第4期A級順位戦の指し直し局です。当時は順位戦の千日手は日を改めて指し直しでした。だから千日手が出現しやすかったということはあるでしょう。この将棋より前に明日並べる将棋を指しているのですが、この指し直し局を先に並べましょう。
少し前の千日手指し直しは先後そのままでした(振り駒でしょう)が、今回はどうだったでしょうか?結果としては先後入れ替えになっています。
大山先生は角換わりを避けるので、33角成とはしません。角筋を止めて
矢倉にしました。
丸田先生も矢倉です。
互いに銀を中央に持っていき
先後同型になりました。
総矢倉の先後同型になっていくというはずが、48飛73角で外れてきます。丸田先生は4筋の歩を交換されても構わないと思うのですが、73角は45歩同歩同飛44歩49飛65歩という筋で牽制しています。
大山先生は四手角
丸田先生も四手角ですが、途中下車があったので5手かけています。
この図で67金右62飛+61飛となったら先後同型ですね。確かに後手が1手損をしています。手得を活かすためには、大山先生は先攻したいのですが、一度67金右と指しておきたかったです。その時に後手が何を指すかが難しいから。
15歩同歩44歩に後手は同銀左と取るのがこの場合の形です。44同銀右が自然に見えますが、24歩同歩25歩と攻められてしまいます。
45系と跳ねれば42銀。この形が攻めにくいから、この総矢倉の先後同型はすたれました。それが現代の相矢倉で46角64角という形にならない理由です(脇システムはありますが)。総矢倉を避けて、37銀戦法、37桂戦法が考案されていきます。
ここでは微妙に形が違うのですが、大山先生は44角同金53銀と攻めます。これは無理筋。もし後手が62飛と指していたら飛取りになって成立していますね。仕掛ける前に1手待ちたかったという理由その1です。
45金と取られて同飛が仕方ない(42銀成は同飛)です。もし後手が81飛の形ならば、金を取る前に42銀成が入りますね。だから仕掛ける前に1手待ちたかったという理由その2です。
飛は空成で、角桂と金の交換、竜はできても大損です。
香は取れるので、駒損はある程度解消できるのですが。
87歩成と乱されると、後手に49飛成とさせるわけにもいいきません。48香で先手を取りますが
後手は3歩あるので連打で香を取られます。1筋の突き捨てが災いしました。45同香ともできないので
83金を打って角を取りに行きました。丸田先生は香を取って、自然に反撃できます。
84金47歩成。後手が金を取り、先手が桂を取ったとしたら、ほぼ駒の損得はないです。ただ47と を残さないように47同金同飛成68銀右では、69銀や66歩など後手の攻めが早くなります。
なので大山先生は43歩同飛52角。
42飛で後手を引いて、34角成58と、後手の攻めは確実です。先手は竜馬だけの攻めなので、43歩は打てても
52飛24歩には33金打。強く守られて
馬を切るのは仕方ないのでしょう。
23同金に41竜、これで攻めは続きそうですが
82飛に83歩は仕方のないところ。この瞬間、後手玉はゼットです。
69銀の詰めろには79金打のほうが長かったのですが、78銀不成同玉32飛くらいでしょうか。後手優勢は変わりません。88金には78角の追撃、取れば詰みです。
98玉に86歩は詰めろ。
86同銀に87歩も詰めろ。取れば詰みですし、金をかわして79角も受けがないです。
78金同銀不成、ここで投了でした。
大山先生の無理攻めです。駒損が大きい攻めは避けたほうが良いです。攻め合いの中ならば妥当だということはあるのですが。丸田先生の方は、自然な反撃で有利優勢になりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/23
手合割:平手
先手:大山8段
後手:丸田祐三8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 2五歩(26)
4 3三角(22)
5 7六歩(77)
6 3二銀(31)
7 6六歩(67)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 8四歩(83)
11 7八銀(79)
12 8五歩(84)
13 7七銀(78)
14 4二角(33)
15 7八金(69)
16 3三銀(32)
17 4八銀(39)
18 6二銀(71)
19 5七銀(48)
20 5三銀(62)
21 3六歩(37)
22 3二金(41)
23 6九玉(59)
24 4一玉(51)
25 5八金(49)
26 5二金(61)
27 7九角(88)
28 4四歩(43)
29 1六歩(17)
30 9四歩(93)
31 9六歩(97)
32 1四歩(13)
33 6八角(79)
34 7四歩(73)
35 5九角(68)
36 6四歩(63)
37 4六歩(47)
38 5一角(42)
39 7九玉(69)
40 3一玉(41)
41 4八飛(28)
42 7三角(51)
43 4九飛(48)
44 4三金(52)
45 2六角(59)
46 2二玉(31)
47 3七桂(29)
48 8四角(73)
49 4五歩(46)
50 7三桂(81)
51 8八玉(79)
52 6五歩(64)
53 1五歩(16)
54 同 歩(14)
55 4四歩(45)
56 同 銀(33)
57 4五桂(37)
58 4二銀(53)
59 4四角(26)
60 同 金(43)
61 5三銀打
62 4五金(44)
63 同 飛(49)
64 5三銀(42)
65 4一飛成(45)
66 8六歩(85)
67 9一龍(41)
68 8七歩成(86)
69 同 玉(88)
70 4二飛(82)
71 4八香打
72 4七歩打
73 同 香(48)
74 4六歩打
75 同 香(47)
76 4五歩打
77 8三金打
78 4六歩(45)
79 8四金(83)
80 4七歩成(46)
81 4三歩打
82 同 飛(42)
83 5二角打
84 4二飛(43)
85 3四角成(52)
86 5八と(47)
87 4三歩打
88 5二飛(42)
89 2四歩(25)
90 3三金打
91 2三歩成(24)
92 同 金(33)
93 同 馬(34)
94 同 金(32)
95 4一龍(91)
96 8二飛(52)
97 8三歩打
98 6九銀打
99 8八金(78)
100 7八角打
101 9八玉(87)
102 8六歩打
103 同 銀(77)
104 8七歩打
105 7八金(88)
106 同 銀(69)
107 投了
まで106手で後手の勝ち
今日の棋譜20200621
昭和24年12月、丸田祐三先生と第4期A級順位戦です。
丸田先生は得意の角換わりを目指しますが
大山先生は応じません。5筋を突き合って
丸田先生は66歩、玉を固くしようとしました。大山先生は5筋の歩を交換し
丸田先生は飛先の歩を切ります。
先手は雁木になりました。
大山先生は中央の位を取ります。
丸田先生は56歩と合わせて
銀をぶつけました。65同銀同歩54銀66銀というのは少し先手の得でしょう。
43銀引に74銀で1歩得です。
さらに角を出て73銀成をねらいます。62銀ならば同角成同飛73歩あるいは73銀打という強攻があるかもしれません。
角をぶつけられたので交換します。
51同玉と戻らせたので77桂。今ならば後手は86歩同歩同飛とはできません。
これで2歩得です。先手の作戦勝ち。
74銀と出て84飛
85銀82飛、というのをなぜか繰り返して千日手になりました。作戦勝ちの丸田先生がわざわざ千日手を選んだというのが不可解です。この図から76歩~67金右~76銀とすれば良い形でしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/16
手合割:平手
先手:丸田祐三8段
後手:大山8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7六歩(77)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 7八銀(79)
10 4一玉(51)
11 4八銀(39)
12 6二銀(71)
13 5八金(49)
14 5四歩(53)
15 5六歩(57)
16 5三銀(62)
17 6六歩(67)
18 5五歩(54)
19 同 歩(56)
20 同 角(22)
21 2四歩(25)
22 同 歩(23)
23 同 飛(28)
24 2三歩打
25 2八飛(24)
26 5四銀(53)
27 6七銀(78)
28 3三角(55)
29 7八金(69)
30 5二金(61)
31 6九玉(59)
32 5五歩打
33 3六歩(37)
34 4四歩(43)
35 4六歩(47)
36 4二銀(31)
37 1六歩(17)
38 7四歩(73)
39 5六歩打
40 同 歩(55)
41 同 銀(67)
42 5五歩打
43 6五銀(56)
44 4三銀(54)
45 7四銀(65)
46 5三銀(42)
47 9五角(77)
48 5一角(33)
49 同 角成(95)
50 同 玉(41)
51 7七桂(89)
52 4二玉(51)
53 8五銀(74)
54 6四歩(63)
55 7四銀(85)
56 8四飛(82)
57 8五銀(74)
58 8二飛(84)
59 7四銀(85)
60 8四飛(82)
61 8五銀(74)
62 8二飛(84)
63 7四銀(85)
64 8四飛(82)
65 8五銀(74)
66 8二飛(84)
67 千日手
まで66手で千日手