名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(16)

2025-01-31 | 基本定跡の研究

超急戦の回避策としては、58金右に62玉とするほうが

手が広いです。24歩同歩同飛88角成同銀33角21飛成88角成と進めると、先手に55桂がないし、62玉と移動されているのも大きいというわけです。

なのでしばらく駒組です。

48銀72玉68玉82玉78玉72銀96歩94歩

先手はどこで24歩同歩同飛とするかの選択権があります。88角成同銀の時に銀にひもがついているから、ここで24歩同歩同飛とするのが、実質的に最初のチャンスです。88角成同銀22飛

後手は升田式石田流のように、角を交換して飛をぶつけます。飛交換は後手が指しやすいので23歩、後手は飛を12か52に逃げるのですが、12飛から調べます。先手はすぐに飛を引かなくても良いのですが、28飛に44角

後手は53に空間があるのでカバーしなくてはいけません。升田式石田流の変化よりも劣っているわけです。この図の評価値は+245、先手の作戦勝ちです。後手に角を打たせ、12飛の形が攻めに使えませんから。

さて先手はどこかで77角と合わせるのも得です。所司先生の解説 (多分実戦例) では、36歩32金37銀22歩

これは22同歩成とすると先手が損をします。46銀23歩35歩に同歩38飛42金35銀・・・と続くのですが、35歩に22飛とされると

評価値は+170くらいに下がってしまいます。ですから22歩は取らずに、46銀23歩77桂22飛56歩

AIに聞くと、こう進めるのが良いのだと言います。次の45銀を防ぎにくい (33桂には35歩同歩38飛がある) ということで、24歩45銀62角34銀

この図の評価値は+242、先手の作戦勝ちから先手良しになっていくのでしょう。64角には46角と合わせて戦います。

途中で

23歩に52飛の変化は、28飛44角

2筋に負担があるので、ここでも後手は44角と打ちたいところです。46歩26歩45歩62角

所司先生の解説では15角を打って26角をねらうのですが、少し難しいところがあります。AIに聞くと、36歩 (すぐに56歩には66角があるから) 32金37銀

銀で26歩を取ると脅します。56歩同歩同飛に47金51飛46銀44歩66角

金銀を前に出して抑え込む形が有効で、カウンターの自陣角を打った図の評価値は+283の先手良しです。後手は飛角だけの攻めなので、形勢は良くならないのです。

 

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(15)

2025-01-30 | 基本定跡の研究

超急戦を回避されたらという話の続きです。先手の工夫で、23歩に36歩

昨日は左銀を繰り出してみたのですが、今一つでした。36歩を突くのは、後手にひねり飛車のように指させないという手で、本筋のようです。後手は作戦負けなので、何もしないほうがましなのですが、ならばこの形を選ばないほうがよいでしょう。動くならば56歩で、先手は66歩を突いて受けます。

先手は金銀を前に出して抑え込めばよくなります。後手が動くのは35歩と55角ですが、55角のほうから見てみましょう。55角37銀57歩成同金56歩67金33桂

先手が間違えるとひどいことになりそうですが、46歩44歩56金45桂

45同歩は37角成同桂56飛ですね。55金として、37桂成に25飛 (所司先生の解説) でも良いのですが、54金28成桂65歩

先手不利とされているのですが、この図の評価値は+1386で先手優勢です。銀角交換の駒得、玉の堅さは同等としても、攻め駒は4対2です。

戻って

35歩以下の解説もあります。35同歩は先手不利だと書いてありますが、55角37銀57歩成同金37角成同桂36歩

この図の評価値は+427の先手有利です。45桂37歩成26飛44歩65歩

と金は作ったものの後手の損と見るところでしょうか。45桂を取り切る形になりません。

戻って

35歩に56歩のほうが本筋だという解説です。36歩57金72玉46金

時々出てくる右金の活用です。82玉78銀72銀67銀64歩

55歩52飛以下一局の将棋だというのですが、55歩には同飛が厄介のようです。ここは78玉65歩57銀

金銀を前に出して受けるのが良く、この図の評価値は+364の先手有利です。

 

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(14)

2025-01-29 | 基本定跡の研究

ゴキゲン中飛車の一番激しい変化 (超急戦と呼ばれることが多い) は、後手がほぼ互角で戦えたので、避ける必要がないのですが、普通の振り飛車とは感覚が違うということでしょう、後手が避けることも多いです。 (先手が避けるべきでしょう。) 

初手から76歩34歩26歩54歩25歩52飛58金右55歩24歩同歩同飛32金

こうなるとゆっくりした駒組になるのですが、もし先手が34飛としたら、56歩22角成同銀56歩33桂

この図の評価値は-22の互角です。先手としてはつまらない欲張りでした。

戻って

48銀62玉68玉54飛28飛23歩

後手は浮き飛車にして、飛を横に使うことを考えます。ここから先手の作戦がいくつか考えられるのですが、74飛~76飛が気になるということもあって、78銀35歩77銀

左銀を繰り出して、位の奪還 (できれば55歩を取りたい) をねらうことは考えられます。72玉78玉82玉46歩72銀47銀42銀78玉

所司先生は位を守りにくいから後手の指し方が疑問だというのですが、AIに聞くと、24飛25歩74飛

76歩をどう守るかが難しく、先手の構想が空振っている感じです。この図の評価値は+108、最善手は77銀と引くというのですが、それではねえ。

所司先生の解説では

64歩68金上53銀45歩24飛25歩54飛46銀

この図の評価値は+191、後手が指しにくいとされています。AIに聞くと、46銀の前に96歩や26飛などゆっくり指してから46銀とするのだといい、評価値は200を超えます。

もっと戻って

53銀78玉24飛25歩34飛

ひねり飛車のように指すことが本筋として書かれています。AIに聞くと、66銀に82玉55銀74飛

1歩取られても軽く指す方が優ります。この図の評価値は+122ですが。

また74飛とするタイミングを遅らせて、72銀26飛94歩96歩74飛

先手は45歩を突けば76飛を防げるのですが54銀

54同銀88角成同玉54飛

この図の評価値は+132ですが、後手も十分に戦えそうです。

戻って

66銀64銀38飛

後手が64銀ではなくて54銀の場合は、38飛ではなくて56歩同歩同銀とされたときの当たりが強いです。ここから24歩36歩25歩35歩24飛

36銀26歩28飛27歩成

飛交換は後手良しです。27同銀38歩25歩

25同飛26銀24飛25銀44飛34銀46飛47歩36飛

後手は飛歩だけで立ち回っています。どうやら先手有利のようで、AIの最善手としては43銀成27歩同飛26歩32成銀27歩成22成銀39歩成11成銀

桂香まで拾って86香から寄せるのが優ると。解説の順の

23銀成27歩同飛26歩

22成銀27歩成32成銀39歩成55銀

こちらを選んでも評価値は+451、「先手がわずかに指しやすい」と書いてありますが、先手有利です。

実戦例によるものでしょうが、先手の指し方は重いようで、後手も相手をすると悪くなります。1歩取らせても軽く飛をさばくのが良さそうです。

 

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(13)

2025-01-28 | 基本定跡の研究

先手が77角を打つ変化の続きです。

77同馬は先手が少し指せそうなので、89馬が後手の最善です。11角成までは必然で

22歩は55香があり、22銀打も効果なし。62玉として66馬72玉48玉

こう進めれば評価値は+44の互角なのですが、所司先生は48玉ではなくて33香を書いています。32銀打同香成同銀25竜64香

香で銀を取っても後手を引いてしまいます。77馬57歩68金寄56飛48玉

後手の攻めを受け切れるかどうか。65桂22馬58歩成同金寄同飛成同金56歩49桂

「わずかに後手が指しにくい」と書かれています。でもAIに聞くと、57桂成同桂67香成

この図の評価値は-283の後手良しなのです。でもまあ先手が急がなければ

おとなしく指して互角ならばと思うのですが。もっと前まで戻って

57歩同金65桂58金引56飛

後手はすぐに攻めるのが良いようです。68桂57飛成同金57歩同金62玉

この図の評価値は-213の後手良しです。AIの読み筋を追いかけると、12飛52金右48玉32銀打

25竜49金同玉57桂成

66馬67馬同馬同成桂

ここまでくると評価値は-316の後手有利です。

ということで

この角打は後手良しとなり、先に調べた55桂以下のほうが本筋だということになるのです。AIに聞くと、定跡の間違いはありましたが。

ここまでで一番激しい急戦の話は終わりです。先手がわずかに指せるようでしたが、従来の定跡は修正が必要でした。

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(12)

2025-01-27 | 基本定跡の研究

初手から76歩34歩26歩54歩

25歩52飛58金右

55歩24歩同歩同飛

56歩同歩88角成同銀33角

21飛成88角成の時に、これまでは55桂でしたが、77角を調べてみます。

後手は77同馬か89馬の分岐です。77同馬同桂32銀

ここで11竜は疑問手だから25竜だと所司先生は書いてあるのですが、AIに聞くと11竜が正解です。33角に66角

11角同角成の図がよいかどうかですが、

この図の評価値は+122、先手に分があります。駒得と言ってもまだ難しく見えるので、読み筋を追いかけてみます。62玉66馬89飛68金寄

78銀を受けたのですね。99飛成65桂89竜53香

42飛54桂72玉42桂成同金12飛

先手の駒得になりましたがまだまだ。52歩23歩64歩36角

63銀23歩成65歩75馬

こんな調子で攻防が続きます。評価値ではなんとか先手ペースというくらい。でも攻めはわかりやすいです。

なお所司先生は (多分実戦例からでしょう)

25竜が正しいとされていて、88角66角

ここから、99角成11角成79銀以下 (78金89馬79金同馬) 後手がわずかに指せる (評価値は後手良し) という結論ですが、79銀には65桂とすると

この図の評価値は+495の先手有利です。56歩と取り込めないし、53香はあるし、言われてみれば確かに。

ということで戻ってAIに聞くと

ここは56飛が正しく、11角成57歩68金寄99角成48玉62玉

これくらいの変化で評価値は0付近の互角です。

戻って

77同馬同桂62玉の変化も言及されています。

記事が長くなっているので少し端折りますが、56飛11竜72玉57香26飛27歩66飛同歩

所司先生は互角とされていますが、この図の評価値は+223の先手良しです。先手玉は少し堅くなっていて、53桂も残っています。

戻って

後手の手が広いですが、AIに聞くと88角が最善のようで、68金上99角成11角成72玉

この図の評価値は+105、ペースといえるかどうかというくらいです。

結局ここでは

77同馬ではなく、89馬が有力のようです。明日検討します。

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(11)

2025-01-26 | 基本定跡の研究

手順のおさらいをしておくと、初手から76歩34歩26歩54歩

25歩52飛58金右

55歩24歩同歩同飛

56歩同歩88角成同銀33角

21飛成88角成55桂62玉

新しい変化は33角です。

(75角は互角、11竜はわずかに先手が指せました。) しかしこの時点で評価値は-300を下回り先手不利、33角は疑問手なのでした。とりあえず63桂成同玉88角成があるので、89馬11角成72玉

先手玉は堅くならないので何か攻めたいのですが、43桂成56飛57歩51飛

この図の評価値は-410の後手有利です。この後の変化もいろいろ書かれている (56香とか68金上とか) のですが、望みはないでしょう。後手からは42歩~99馬など。短いですが中途半端になるので、今日はここまで。

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第259回名南将棋大会(弐)結果速報

2025-01-25 | 名将会

本日は第259回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

H級優勝

栗本弘毅さん

I級優勝

鈴木明志さん

J級優勝

中山賢さん

K級優勝

船山松平さん

坪田和政さん

大野清さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

今日のトーナメント表の画像です。

過去12か月分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

 

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(10)

2025-01-25 | 基本定跡の研究

定跡が覆って後手有利になりましたから、先手が工夫しなければなりません。

89馬に (99馬の時と同じように進めるのは) 66香54銀13竜51桂

後手は桂を打って43と63の地点を守ることができるので先手の失敗です。

なので

43桂成56飛の時に57歩

57香は同飛成同金72玉以下悪くなったので、歩を打ちます。後手は飛を切るわけにもいかないし、横に逃げると53角があります。51飛33香

99馬12竜22歩

うまく守られたようですが、平凡に31香成同金42銀同金同成桂53飛43金

54飛には21竜と潜って攻めることができます。43同飛が最善で、同成桂72玉

42飛62金打52角

後手の持ち駒が多いのが不安ですが、とりあえずは先手玉に怖いところがありません。平凡に攻めた図で評価値は+152の先手ペースです。

ということでこの図から

72玉、54歩、99馬、89馬と検討しましたが、後手の最善は72玉という結果になりました。互角ですが少し先手に分があるのでしたね。

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(9)

2025-01-24 | 基本定跡の研究

最後の変化は

ここで89馬です。43桂成として

51飛は44角が攻防で入るので、56飛57香同飛成同金

ここで65桂は53角

72玉に31角成同金同竜57桂成とすると、別の変化に合流するのですが、その形は後で触れます。AIに聞くと72玉には31竜同金52銀が正しく

この図の評価値は+2326、先手の寄せ合い勝ちです。

ということで

72玉22角65桂

これが後手の正しい手順です。31角成57桂成41馬

どちらの勝ちでしょうか? 所司先生は67馬63馬82玉72金

これが詰みまで定跡化された手順だと。82玉は82飛同銀同金同玉81馬同玉61竜以下。72同銀は71銀同玉72馬同玉61竜同玉51飛以下。72同金は同馬同玉63銀同玉61竜~53飛以下。確かにどれも詰みます。

でもAIに聞くと結論が変わります。82玉の早逃げが好手で、63馬には51香

これが攻防で後手有利です。

なので戻って

82玉には68銀と受けるくらいですが、後手は46歩

46同歩は47香から寄り筋です。57銀47歩成と進んで

58歩の受けには78銀

すでに後手有利で評価値は-585です。78同金同馬68金56歩

56同銀は49金同玉48歩から詰みます。受けなし。

ということは

68金打と受けるのですが、57と同金54香

この図の評価値は-224の後手良しです。56歩と受けると同香同金67馬が詰めろで、77馬の王手竜取りもあります。22飛には72金打と受けます。難しそうなのは42飛で、72金打には56歩同香同金67馬52成桂が攻防になります。よって42飛には62銀打63馬57香不成58歩51銀打53成桂48歩

かなり難しい手順ですが、48同銀は38金、48同玉は46歩同飛成63銀という調子です。この図の評価値は-575の後手有利です。

ということで結論はひっくり返り、後手有利の定跡になってしまいました。

 

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SS4-13 ゴキゲン中飛車(8)

2025-01-23 | 基本定跡の研究

またこの図に戻ります。

本命は99馬と89馬だとされています。99馬には33角

63桂成同玉99角成をねらいます。44銀同角成同歩66香72銀82銀

この図の評価値は+60、後手の選択肢は27角、57歩、89馬、53香など。これはプロの実戦でも何回か見たことのある図なのですが、AIに聞くと最善ではないようです。

また戻って

99馬には66香54銀13竜

13竜54銀66香の手順でも良いようですが、この図の評価値は+140の先手ペースです。この後は72銀には82角

91香を取れるので攻めやすいです。

戻って

所司先生は42銀とされて先手が損だとしているのですが、44角と捨てるのが強烈です。(51玉22角成のほうがましですが、後手に良いところがないので) 44同歩に63桂成

と派手に攻め込みます。取れば詰みますね。51玉52成桂同金左21飛

31桂61香成同玉41金

先手の厳しい攻めが続き、この図の評価値は+506の先手有利。

ということで11竜に99馬はあっさり攻略できるのでした。

 

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