『哀しい予感』吉本 ばなな著
幸せな四人家族(両親・弟)の長女として、何不自由なく育った主人公の弥生。 彼女には何かボンヤリとしたモヤモヤした思いが常にあり、それは何なのか・・・ 彼女は引き寄せられるように叔母(この時はそう思っている)ゆきのの家を訪ねることでモヤモヤを晴らしていきます。 今の両親は実の父母ではないこと、叔母と呼んでいるのは実の姉であること、実の両親は事故で亡くなっていること。 それらのことは、弥生には一切記憶になかったことでした。 そして・・・家に帰らない叔母(姉・ゆきの)を探して行くうちに弟・哲夫は弥生が実の姉でないことを早い段階で知っていたことや、姉が高校生の時の教え子・正彦との子供を水子にしてしまっていたことなども知ることになりました。 ゆきの(叔母・姉)と偶然出会うことができた弥生は、亡くなった両親と家族で行こうとしていた「恐山」へと向かい心の整理はついたようです。 弥生は幸せな養父母と弟(この時点では、弟と言うより愛しい人になりつつあります)の家に戻っていくのです。 前に進む準備が整ったかな?まだ悩みは残るのですが・・・