
私は野球が嫌いな子供でした。
興味が無いを通り越して、嫌いでした。
何で?かって・・・
私はプロレスが大好きだった。
ジャイアント馬場とアントニオ猪木のいる、全日本プロレス中継が大好きだった。
アブドラ・ザ・ブッチャーがザ・デストロイヤーが・・・
華麗なる空中殺法ミル・マスカラスが大好きだった。
毎週楽しみにしているそのプロレス中継が、野球放送のために見られないのだ。
子供の頃、テレビは○HK総合と教育テレビと地元の民放1社しか無かった。
野球シーズンに成ると、民放は毎晩野球。
○HKも野球。
教育テレビは観たくない。
小学3年生の頃、民放がもう一社増えたけど、そこもシーズン中は野球。
「野球が好きな人ばっかりじゃないんだぞ!」
って
憤り感じてた。
野球・・・中でも巨人が一番嫌いだった。
子供の帽子はみんなYGマーク。
プロレス中継を潰してやってるのはいっつも巨人戦。
だから巨人が大嫌いだった。
大嫌いだったけど、唯一名前を知ってる野球選手は王選手だった。
野球が嫌いだから野球マンガも見なかったけど、タイガーマスクとか、赤き血のイレブンとか、スポーツマンガの世界には必ず必殺技がある。
だから、一本足打法なんて必殺技を持っている王選手は何だかカッコイイって思ってた。
野球を観ない私が、一生懸命観ていた時間がちょっとだけある。
756号のホームラン世界記録の瞬間だ。
野球嫌いだから、観たくないんだけど、でも、世界一の瞬間だけは観たい。
待ってるときって中々出ないもので、世界記録が出るまで2~3日、私は嫌いな野球を一生懸命観ていたのだ。
世界記録の瞬間・・・
嫌いだけど、鳥肌が立った・・・
嫌いだけど、感動した・・・
嫌いだけど、王選手が誇らしかった・・・
私の子供時代の唯一の野球の思い出を作ってくれたのは、王選手なのだ。
それからまた、私の野球嫌いは続く・・・
大人に成ってビデオデッキ買って、好きなテレビ番組を予約録画してても野球に潰される。
保存版にしておきたいテレビの映画放送は、前半30分野球が割り込み、映画の後半30分が写っていない。
中継を30分延長したって、どうせ終わらないのに、何故延長するっ!!!!!
夜のカーラジオはどこに合わせても野球・野球・野球・・・
「野球が好きな日本人ばかりじゃねーんだぞっ!!!!!」
○HKのFMに合わせて、クラッシク聞くように成ったのは私の場合野球のおかげだ・・・
それでも2年前?の世界野球だっけ?王ジャパン・・・
アメリカのずるっこ判定・・・
あのずるっこ判定を力で巻き返して優勝した時。
感動しましたね。
あの時初めて野球を真剣に観た。
「あ、野球って面白いじゃん。」
そう思わせてくれた。
思えばこの時も、王監督が世界一に成った時か・・・
私の人生でたった2回の野球の感動。
どちらも与えてくれたのは、王貞治。
世界の王だった。
王選手、王監督・・・ありがとう。