1969年発売のマリーナ7です。
垂直半回転釜で直線専用の家庭用ミシン。
外付けモーターで電動のミシンですが、機構的には昔の黒い足踏みミシンと同じようなミシンです。
糸がすぐに切れちゃって縫えないって修理依頼でしたが、針が裏返しに付いていましたので、それが原因かと思いました。
針を付け直して試縫いしましたが、それでも糸が切れてしまいます。
針板を外して確認しましたら、針と釜の剣先が当たっていました。
針棒が何だか捻じれているようにも見えました。
聞けばお客さん、自分で修理しようと思ってペンチでグリグリやっちゃったとか・・・
針棒を外して見ましたら・・・
針が正しい位置に収まってくれません。
見た目じゃ解りませんが、針棒も微妙に曲がっているようです。
古い廃棄するミシンから針棒を外して交換しようと思いましたが、サイズが違っててダメでした。
本社に問い合わせしてみましたが、流石に古くて部品は無いと言う事でした。
他社の部品とか調達する時にお願いしている業者さんに問い合わせたら、入手可能だと言う事なのでお願いしました。
でも・・・
見覚えのある梱包(笑)
私には部品が無いって言ったのに、本社は外の業者には下ろすのか?って思いましたが、違う部品が入っていました。
この針棒じゃ細くてダメなんです。
ジャノメの本社からなら、業者さん通さなくても私は取り寄せ出来るんです(笑)
困ってしまったのですが・・・
一週間もお客様待たせて「直りません。」とも言いたくないので・・・
いつもの繊細な修理じゃ無く、力技の修理です。
ペンチで傷だらけに成った針棒のバリをやすりで削り落としました。
目の細かい耐水ペーパーの紙やすりにミシン油付けて磨いて、針棒の曲がりはハンマーでぶっ叩いて矯正(笑)
これで何とか直っちゃいました。
久々に強敵なミシンでした(笑)
※ 先日の工業用ミシン704の整備が終わりましたので試縫いです。
ガーッ!ガーッ!っと最高回転で縫っても糸切れしません。
絶好調で縫えます。
704試縫い
丁度今日、去年修理した工業用ミシンのお客さんから「もっとゆっくり縫えるように出来ないか?」って問い合わせが有って、調べたらモーターのプーリーを小さいのに換えて回転を落とす減速プーリーってのが有る事が解りました。
注文したのでお客様のミシンに取り付ける前に、これで試して見ようと思っています。
そうそう ワタシの30年前の腕時計 結局 メーカーが廃盤にしていてその部品を他の時計に使っていないから 直せないって
でも 御徒町辺りの小さい小さい時計屋さんならもしかすると部品が残っているかもしれないから言ってご覧なさい と 言われましたわ
ちなみに そういう小さな時計屋さんで 義母の形見のロレックスの腕時計 ロレックスの部品だと10万円以上するのに 同型の日本製とサイズが合うからといってそれを付けてくださいまして 財布の痛みが減って助かりました
そういう職人さん 残って欲しいな~・・・
自分の手も縫えてたら・・・・そんな想像が先行するわ。
恐怖心が…(* ̄m ̄)
終わりよければすべて良し☆