春三月末から四月初めにかけて私の古里小立岩の朝は深く積もっている雪が固く凍って山あいの居平も山の斜面も麓もみんなどこでも自由に歩けるようになるんですよ。固雪(かたゆき)渡りといっていました。
子どもの私たちは、朴の木の大きくて固い芽を摘んで中の軟らかい葉になる部分をぬいて小さな角笛のような形の呼子をつくってピーピー吹き鳴らしながらかたゆき渡りをして集落の後ろの愛宕山の沢に入って行きました。棒橇(ぼうぞり)を楽しむためにです。
ぼうぞりと言うのは急なかたゆきの山の斜面を木の棒を後ろ斜めに構え両手でしっかりと持ってそれに体重をかけ支えて滑り降りることなんです。かなりのスピードが出てテクニックが必要で上手下手があるんです。履き物は「げんべい」という藁靴です。
棒ぞりに疲れるとみんなで「おーい」とか「○○ちゃ~ん」とか奥の山に向かって叫ぶんですよ。すると間をおかずその声は山の固い雪の斜面に反射して「お-い」とか「○○ちゃ~ん」とかの優しい声で返ってくるんです、やまびこの声ですよね。
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かたゆき斜面のあちこちの木の枝についている「ウスタビガ」の繭なんです。四月頃の繭にはもう蛹はなくてからです。上部を指で縦に押すとぱっくりと口が開きました。
私は「やまびこの声」は固く凍っている雪の山の斜面からの反射音だと理論的には理解しています。でも感覚的な思いでは今でも「やまびこの声」はあちこちの木の枝についている綺麗なウスタビガの繭が口を開けて応えてくれているんだと信じているんです。幼い頃の思いはいつまでもなんです。
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10数年前の記録で、「久方ぶりに訪れた古里小立岩の愛宕山麓で撮る。木魂(こだま)」とありました。ああそうかやまびこはウスタビガの繭ではなくて実は「木魂」だったんだと今了解しました。 無心でいい顔しています。こんな顔してやまびこの応えしていたんですよね
子どもの私たちは、朴の木の大きくて固い芽を摘んで中の軟らかい葉になる部分をぬいて小さな角笛のような形の呼子をつくってピーピー吹き鳴らしながらかたゆき渡りをして集落の後ろの愛宕山の沢に入って行きました。棒橇(ぼうぞり)を楽しむためにです。
ぼうぞりと言うのは急なかたゆきの山の斜面を木の棒を後ろ斜めに構え両手でしっかりと持ってそれに体重をかけ支えて滑り降りることなんです。かなりのスピードが出てテクニックが必要で上手下手があるんです。履き物は「げんべい」という藁靴です。
棒ぞりに疲れるとみんなで「おーい」とか「○○ちゃ~ん」とか奥の山に向かって叫ぶんですよ。すると間をおかずその声は山の固い雪の斜面に反射して「お-い」とか「○○ちゃ~ん」とかの優しい声で返ってくるんです、やまびこの声ですよね。
そしてそのやまびこの声を返すのはこれだと私たち子ども達は信じていました。
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写真はネットでウィキペディアからお借りしました
かたゆき斜面のあちこちの木の枝についている「ウスタビガ」の繭なんです。四月頃の繭にはもう蛹はなくてからです。上部を指で縦に押すとぱっくりと口が開きました。
私は「やまびこの声」は固く凍っている雪の山の斜面からの反射音だと理論的には理解しています。でも感覚的な思いでは今でも「やまびこの声」はあちこちの木の枝についている綺麗なウスタビガの繭が口を開けて応えてくれているんだと信じているんです。幼い頃の思いはいつまでもなんです。
ところが今日昔撮った写真の記録をパソコンで見ていたらこんな写真がありました
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10数年前の記録で、「久方ぶりに訪れた古里小立岩の愛宕山麓で撮る。木魂(こだま)」とありました。ああそうかやまびこはウスタビガの繭ではなくて実は「木魂」だったんだと今了解しました。 無心でいい顔しています。こんな顔してやまびこの応えしていたんですよね
それは、ともかくとしてまた時々小立岩の思い出を綴って頂ければ幸いです。それを、何らかの形で未来に引き継いで行きたいと思っています。
私はアルコール依存症で毎日飲んで寝る前にブログを読ませて頂いています。コメントも怪しいところがあると思いますが、ご容赦ください。
ブログを楽しみにしています。有り難うございました。
科学的に解明されていることでも、信じていたことはそのとおりだ(間違いじゃない)と思います。
その方が夢があっていいじゃありませんか?
信じることが大事なこともあります。
すみません。大先輩に失礼しました。
私は古里小立岩を思うと心豊かにウルウルしてしまうんす。夜眠れない時など後ろの杉の森で鳴く「ぼうほう」や「ばんどり」の声を思っているといつのまにか安らかに寝入ってしまうんですよ
子どものころ「ウスタビガの繭」をやまびこと呼んでいました。いまでも「ウスタビガの繭」を見つけるとあっヤマビコと思ってほんわかするんですよ。