「シルクロード」より

　シルクロードの何処かのナントカっていう少数民族は、一族の中で揉め事が起こると自分たちで裁判を行うらしい。裁判官は一族の長老たち。殺人事件ですらこの裁判でカタをつけるそうな。検察官や弁護士にあたる人はいるんだろうか？殺人に対する罰はどの程度なんだろう？村には牢屋みたいなものもあるんだろうか？それとも一応の裁判が決した後、当事者を地方政府かどこかに引き渡すんだろうか？やるのは民事裁判みたいなものだけなんだろうか？

　こういう閉鎖的な、地域内だけでの裁判と罰の決定は、今でも世界のそこかしこで行われているんだろう。
　…長老裁判で一人の若者の自死が決定した。裁判はさしたる証拠の提示もなく、あいまいな証言をもとに進められ僅か数回で結審した。「一族の和を乱し、村の平穏を破った」というのが主な罪だった。若者は村外れの祠にある剣を前に突き出した格好をしている神像の前に引き出された。銃を構えた村人たちの無言の圧力を背に受け、若者は剣の切っ先に向けて一歩踏み出した…

　なんていう光景を想像してしまった。村を訪れた外国人バックパッカーと村人とのちょっとした誤解が事件に発展して、その結果の長老裁判…みたいな感じの方が面白いかも。なんか世にも奇妙な物語の「ハラキリシティ」に似てる。

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