前回の記事で紹介した「コミック乱ツインズ 戦国武将列伝 2009年6月号」の“SC-1グランプリ”。第一回のテーマは「切腹」。
以下↓ネタばれと感想を。
EntryNo.1「切腹」
関ヶ原‥一人の敵将の介錯をした男。自分の首をくれてやるかわりに敵将が男に誓わせた約定とは‥。敵将は大谷刑部吉継の腹心湯浅五助隆貞である。男は湯浅五助の首を大手柄として褒められるが、未だ見つからない大谷刑部の首のありかについては知らぬ存ぜぬを貫きとおす。男が湯浅五助の首と引き換えに誓った約定とは「大谷刑部の首を一目に晒さぬこと」であった。
大谷刑部はハンセン病を患っていたと言われており、生前も頭巾で顔を隠していたという。大河ドラマ等で、関ヶ原の合戦の場面で白い頭巾で目以外を隠してる人がいたら、それは多分大谷刑部。
EntryNo.2「切腹 ~はらきり女将~」
近頃評判のはらきり女将。借財を返すかわりに自分が腹を切るからそれで済ませろと店先で凄む困った人。今日もいつもの調子で白装束の前を寛げ短刀をちらつかせて凄んでいると‥、「女人の身ながらその意気や良し!」と一人の侍が介錯を申し出て女将に詰め寄る。女将は平謝りしてすごすごと退散してしまう。喜んだ店の主人は侍にいくらかの礼金を渡す。―しかし、実は‥(あとは想像してみて下さい)。
EntryNo.3「切腹 ~松五郎日記~」
物凄い面体の男(というかキャラクター)、殿様の御前で脇差にて見事搔っ捌くという。ずりょ!どびしゅ!ガガガギギギ‥と搔っ捌いたのは男の腹ではなく、一匹の鯛でしたっ!というオチ。
EntryNo.4「切腹」
他藩の治水普請(工事)から久しぶりに江戸に戻ってきた侍は、夜泣き蕎麦の屋台で美女に出会う。侍はこんなに美味い蕎麦は食ったことがないと喜び同輩にも勧めると言うが、自分は明日大事な仕事をやり遂げなくてはいけないから来れないという。切腹に立ち会うのだという‥。実は切腹するのは、この男自身。普請において多くの犠牲者を出した責めを負い詰め腹を切った。
そそられるような切腹描写はなかったものの、アイディアは4つとも他に同じようなものが無くて面白かった。No.1のマンガはこういう逸話がもともとあるようだ。男は藤堂高刑といって、十五年後大阪夏の陣で討ち死にする。No.2は女切腹シーンが拝めるかと思ったけど、臍や乳首すら見えず仕舞いだった。No.3は‥シリーズものなのかな?? No.4、切腹前夜の侍の明るさと潔さが哀しい。上手い蕎麦を喰い、美女に出会うというシチュエーションは、作者の最後の晩餐的な理想の1シーンなのかもしれない。
以下↓ネタばれと感想を。
EntryNo.1「切腹」
関ヶ原‥一人の敵将の介錯をした男。自分の首をくれてやるかわりに敵将が男に誓わせた約定とは‥。敵将は大谷刑部吉継の腹心湯浅五助隆貞である。男は湯浅五助の首を大手柄として褒められるが、未だ見つからない大谷刑部の首のありかについては知らぬ存ぜぬを貫きとおす。男が湯浅五助の首と引き換えに誓った約定とは「大谷刑部の首を一目に晒さぬこと」であった。
大谷刑部はハンセン病を患っていたと言われており、生前も頭巾で顔を隠していたという。大河ドラマ等で、関ヶ原の合戦の場面で白い頭巾で目以外を隠してる人がいたら、それは多分大谷刑部。
EntryNo.2「切腹 ~はらきり女将~」
近頃評判のはらきり女将。借財を返すかわりに自分が腹を切るからそれで済ませろと店先で凄む困った人。今日もいつもの調子で白装束の前を寛げ短刀をちらつかせて凄んでいると‥、「女人の身ながらその意気や良し!」と一人の侍が介錯を申し出て女将に詰め寄る。女将は平謝りしてすごすごと退散してしまう。喜んだ店の主人は侍にいくらかの礼金を渡す。―しかし、実は‥(あとは想像してみて下さい)。
EntryNo.3「切腹 ~松五郎日記~」
物凄い面体の男(というかキャラクター)、殿様の御前で脇差にて見事搔っ捌くという。ずりょ!どびしゅ!ガガガギギギ‥と搔っ捌いたのは男の腹ではなく、一匹の鯛でしたっ!というオチ。
EntryNo.4「切腹」
他藩の治水普請(工事)から久しぶりに江戸に戻ってきた侍は、夜泣き蕎麦の屋台で美女に出会う。侍はこんなに美味い蕎麦は食ったことがないと喜び同輩にも勧めると言うが、自分は明日大事な仕事をやり遂げなくてはいけないから来れないという。切腹に立ち会うのだという‥。実は切腹するのは、この男自身。普請において多くの犠牲者を出した責めを負い詰め腹を切った。
そそられるような切腹描写はなかったものの、アイディアは4つとも他に同じようなものが無くて面白かった。No.1のマンガはこういう逸話がもともとあるようだ。男は藤堂高刑といって、十五年後大阪夏の陣で討ち死にする。No.2は女切腹シーンが拝めるかと思ったけど、臍や乳首すら見えず仕舞いだった。No.3は‥シリーズものなのかな?? No.4、切腹前夜の侍の明るさと潔さが哀しい。上手い蕎麦を喰い、美女に出会うというシチュエーションは、作者の最後の晩餐的な理想の1シーンなのかもしれない。
戦国武将列伝 2009年 06月号 [雑誌] リイド社 このアイテムの詳細を見る |
大谷刑部戦記〈1〉関ヶ原に義神立つ! (歴史群像新書) | |
竹中 亮 | |
学習研究社 |