昔、「ララミー牧場」と言うアメリカのテレビドラマがあった。
ロバート・フラーと言う役者が、主人公のジェスと言う役柄を演じていた。
ストーリーはすっかり忘れてしまいましたが、西部の牧場を舞台として正義の味方が悪い奴らをやっつける式の、ごくごく普通のドラマだったような気がします。
でも、子どもだったボクは、「ローハイド」よりも夢中になって観ていた記憶がある。
そして、そんな昔のドラマを思い出させるジェスと言う名前が出てくるお話。
だから、ジェスと聞くと、真っ先にそのドラマを思い出すのです。
『川の少年』 ティム・ボウラー
子ども未来の、のりんこ、から借りた児童文学。
全編に流れる、おじいちゃんと孫のジェスのお話。
タイトルからも、ジェスと言う名前からも、ボクはてっきり男の子だと思い込んでいましたが、ジェスは女の子。
15歳のジェスが、夏のある日に体験した、不思議な少年との出会いとおじいちゃんの死。
ジェスは、泳ぐのがダイスキです。
夏休みに、もうすっかり心臓が悪くなってしまったおじいちゃんの故郷に家族で訪れます。
目の前の気持の良い美しい川の流れに身を任せて泳ぐジェス。
そして、その川で彼女は不思議な少年に出会います。
それからもたびたびこの少年に出会うのだけれど、この少年に出会う瞬間と、おじいちゃんの病気が酷くなる瞬間が、どうやらつながっている。
おじいちゃんの具合がずいぶん悪くなったある日、ジェスは川を見ながら少年からこんな言葉をもらう。
*********
「まるで一生を見ているみたいだろ?
ここで生まれて、自分にあてがわれた距離を、あるときは速く、あるときはゆっくりと、あるときはまっすぐ、あるときは曲がりくねって、あるときは静かに、あるときは荒れ狂って流れていく。最後に海に行きつくまでずっと流れ続けていくんだ。心がなぐさめられるような気がするよな。」
「どういうふうに?」
「旅の途中で川にどんなことが、起こったとしても、最後は美しく終わるってわかるからさ」
*********
悲しみは、「喪失の痛み」に味わう感情です。
幼いころから、大事なおもちゃを取られたり壊れたりするときに味わいます。
やがて味わう「命と同じぐらいに大事な何か」を失った時の準備の感情とも言われます。
児童文学で扱われる死は、子どもたちにその悲しみの準備をさせてくれるかのようです。
悲しい話ではあったけれど、その悲しさは決して強調されず、全編ゆったりとした文章で、ずっと優しさや温かさに包まれているような感じでした。
このお話はイギリスのカーネギー賞を受賞したそうです。
同年の受賞を逃した候補作が『ハリー・ポッターと賢者の石』だったそうですから、その優れた作品力がうかがわれます。
いい本だったなぁ
今日から大阪。
新幹線の中で読む本をさがなさきゃ。
ロバート・フラーと言う役者が、主人公のジェスと言う役柄を演じていた。
ストーリーはすっかり忘れてしまいましたが、西部の牧場を舞台として正義の味方が悪い奴らをやっつける式の、ごくごく普通のドラマだったような気がします。
でも、子どもだったボクは、「ローハイド」よりも夢中になって観ていた記憶がある。
そして、そんな昔のドラマを思い出させるジェスと言う名前が出てくるお話。
だから、ジェスと聞くと、真っ先にそのドラマを思い出すのです。
『川の少年』 ティム・ボウラー
子ども未来の、のりんこ、から借りた児童文学。
全編に流れる、おじいちゃんと孫のジェスのお話。
タイトルからも、ジェスと言う名前からも、ボクはてっきり男の子だと思い込んでいましたが、ジェスは女の子。
15歳のジェスが、夏のある日に体験した、不思議な少年との出会いとおじいちゃんの死。
ジェスは、泳ぐのがダイスキです。
夏休みに、もうすっかり心臓が悪くなってしまったおじいちゃんの故郷に家族で訪れます。
目の前の気持の良い美しい川の流れに身を任せて泳ぐジェス。
そして、その川で彼女は不思議な少年に出会います。
それからもたびたびこの少年に出会うのだけれど、この少年に出会う瞬間と、おじいちゃんの病気が酷くなる瞬間が、どうやらつながっている。
おじいちゃんの具合がずいぶん悪くなったある日、ジェスは川を見ながら少年からこんな言葉をもらう。
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「まるで一生を見ているみたいだろ?
ここで生まれて、自分にあてがわれた距離を、あるときは速く、あるときはゆっくりと、あるときはまっすぐ、あるときは曲がりくねって、あるときは静かに、あるときは荒れ狂って流れていく。最後に海に行きつくまでずっと流れ続けていくんだ。心がなぐさめられるような気がするよな。」
「どういうふうに?」
「旅の途中で川にどんなことが、起こったとしても、最後は美しく終わるってわかるからさ」
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悲しみは、「喪失の痛み」に味わう感情です。
幼いころから、大事なおもちゃを取られたり壊れたりするときに味わいます。
やがて味わう「命と同じぐらいに大事な何か」を失った時の準備の感情とも言われます。
児童文学で扱われる死は、子どもたちにその悲しみの準備をさせてくれるかのようです。
悲しい話ではあったけれど、その悲しさは決して強調されず、全編ゆったりとした文章で、ずっと優しさや温かさに包まれているような感じでした。
このお話はイギリスのカーネギー賞を受賞したそうです。
同年の受賞を逃した候補作が『ハリー・ポッターと賢者の石』だったそうですから、その優れた作品力がうかがわれます。
いい本だったなぁ
今日から大阪。
新幹線の中で読む本をさがなさきゃ。
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