ボクが初めて「スープ」を口にしたのは、いつのことだっただろう。
そもそも、ボクが幼い頃には、スープなんて家庭生活の中には無かったように思う。
家で飲む汁物は、味噌汁だし、けんちん汁だし、たまぁに珍しくトン汁だったり。
ボクと父親との事に関しては、このブログを始めた何年か前に結構書いたけれど、久しぶりに思い出したことがあります。
一緒に生活する事の無かった父親とは、ひと月かふた月に一度、町のどこかのレストランで食事をした。
「もしもし・・」
「・・・・・どうしたぁ?」
「・・・・はい・・・・」
電話を突然かけてきて、もしもしも言わずにかならず「どうした?」としわがれ声で聴く父親。
何故だからわからないけど泣き虫のボクは、ドキドキしながら受け答えをする。
中華か、肉、すし・・・・どれかを選ぶように迫られ、時には中華だったり、時にはフレンチ、時にはしゃぶしゃぶだったり。
経営者だった父親は、高級レストランにボクと母親を連れていき、そこでほぼ無言の食事をするというわけです。
(父も母も無口だった)
赤坂のTBS会館の地下に「シド」というフランス料理の店がありました。
ナイフとフォークが驚くほどにたくさん並べられたテーブルで、子どもにとってはとてもぜいたくな美味しい食事をしたことが何度かあります。
ボクの最初のスープの記憶が、多分このフレンチ。
コーンポタージュスープ。
ボクはこのスープが大好きだった。
コンソメスープは苦手だった。
たぶん、高級スープはコンソメの方なのだろうけれども、ボクには少し濃いめのお澄ましを飲んでいるような気がして好きじゃなかったんだと思う。
おまけに、具が何も入っていないし・・・。
ボクはもっぱら、飲むんだったらコーンポタージュスープ。
あの黄色い液体のどろっとした食感と、ざらっとしたした舌触りがたまらなくおいしかったのを覚えている。
それ以来、缶詰のコーンを使って母親が家でもこのスープを作ってくれるようになった。
もちろんレストランとは全く違う味だったけれども食感は同じ。
飲むというよりは、スープを食べる感じだったなぁ・・・・。
さて今日は、『それからはスープの事ばかり考えて暮らした』 吉田篤弘
『つむじ風食堂』を読んで以来3冊目の作品です。
仕事も見つけられず、毎日大好きな映画を見てばかりの青年(オーリィくん)が、スープ作りを始めるのだけれども、あおいさんが映画館に持ってくる携帯用ポットに入ったスープがたまらなくおいしそう。
最近は、時間がゆっくりと過ぎていくような物語が大好きです。
ハイファンタジー(魔法がでてくるファンタジー)や、冒険物はものすごく速いスピードで物語が展開していきます。
それはそれでワクワクするのだけれども、その瞬間の心の動きや時間の移ろいが、文字を通して目の前に映像として浮かんでくるような物語。
このオーリィくんの初恋?や、小学生のリツくんとの友情?が、この温かいスープのお話につつまれてボクの口から心にまで届いていく。
最後には「名なしのスープのつくり方」も、紹介されている。
これなら、ボクも懐かしいあの「シド」のスープに匹敵するほどの味を出せるような気がする。
そもそも、ボクが幼い頃には、スープなんて家庭生活の中には無かったように思う。
家で飲む汁物は、味噌汁だし、けんちん汁だし、たまぁに珍しくトン汁だったり。
ボクと父親との事に関しては、このブログを始めた何年か前に結構書いたけれど、久しぶりに思い出したことがあります。
一緒に生活する事の無かった父親とは、ひと月かふた月に一度、町のどこかのレストランで食事をした。
「もしもし・・」
「・・・・・どうしたぁ?」
「・・・・はい・・・・」
電話を突然かけてきて、もしもしも言わずにかならず「どうした?」としわがれ声で聴く父親。
何故だからわからないけど泣き虫のボクは、ドキドキしながら受け答えをする。
中華か、肉、すし・・・・どれかを選ぶように迫られ、時には中華だったり、時にはフレンチ、時にはしゃぶしゃぶだったり。
経営者だった父親は、高級レストランにボクと母親を連れていき、そこでほぼ無言の食事をするというわけです。
(父も母も無口だった)
赤坂のTBS会館の地下に「シド」というフランス料理の店がありました。
ナイフとフォークが驚くほどにたくさん並べられたテーブルで、子どもにとってはとてもぜいたくな美味しい食事をしたことが何度かあります。
ボクの最初のスープの記憶が、多分このフレンチ。
コーンポタージュスープ。
ボクはこのスープが大好きだった。
コンソメスープは苦手だった。
たぶん、高級スープはコンソメの方なのだろうけれども、ボクには少し濃いめのお澄ましを飲んでいるような気がして好きじゃなかったんだと思う。
おまけに、具が何も入っていないし・・・。
ボクはもっぱら、飲むんだったらコーンポタージュスープ。
あの黄色い液体のどろっとした食感と、ざらっとしたした舌触りがたまらなくおいしかったのを覚えている。
それ以来、缶詰のコーンを使って母親が家でもこのスープを作ってくれるようになった。
もちろんレストランとは全く違う味だったけれども食感は同じ。
飲むというよりは、スープを食べる感じだったなぁ・・・・。
さて今日は、『それからはスープの事ばかり考えて暮らした』 吉田篤弘
『つむじ風食堂』を読んで以来3冊目の作品です。
仕事も見つけられず、毎日大好きな映画を見てばかりの青年(オーリィくん)が、スープ作りを始めるのだけれども、あおいさんが映画館に持ってくる携帯用ポットに入ったスープがたまらなくおいしそう。
最近は、時間がゆっくりと過ぎていくような物語が大好きです。
ハイファンタジー(魔法がでてくるファンタジー)や、冒険物はものすごく速いスピードで物語が展開していきます。
それはそれでワクワクするのだけれども、その瞬間の心の動きや時間の移ろいが、文字を通して目の前に映像として浮かんでくるような物語。
このオーリィくんの初恋?や、小学生のリツくんとの友情?が、この温かいスープのお話につつまれてボクの口から心にまで届いていく。
最後には「名なしのスープのつくり方」も、紹介されている。
これなら、ボクも懐かしいあの「シド」のスープに匹敵するほどの味を出せるような気がする。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます