自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『十一歳の誕生日』 ポーラ・フォックス

2010-04-02 14:50:59 | 児童文学
母親のリウマチのことは、もう何度も書きました。

近くに住んでもらってはいるのですが、基本的には独居老人です。

ところが、この独居老人は、よく外出します。
体中が痛いといいながら・・・・。

先日も退院した後に、
「今日はこれからマージャンだから」

本当に驚きます。
時には午前様、いやいや徹夜にもなってしまうことがあるのです。


昨日から5日間だけショートステイに入りました。

「頭がボケてる人がいるから嫌なんだけどねぇ」と言いながら、食事がいいらしく小旅行のような気分で結構楽しんでいます。


ところがその前日も、夜な夜な出かけて、家にはいないんです。

しばらく連絡が取れずひやひやしました。


結局、「お食事会だったの・・・」と、こちらの心配をよそにケロっとしています。

歩くのもようやくな状態ですが、やはり大正昭和を生き抜いてきたつわものです。



『十一歳の誕生日』ポーラ・フォックス

ネッドが、11歳のお誕生日を迎える前後のお話。


パパは牧師さんで教区の教会に遠くから通います。
日曜日の礼拝には、ネッドも一緒に行くのですが、いつも気もそぞろです。

ママは、なんとリウマチで一歩も家から出られない状態です。


ボクの母親とは違いますね。

田舎の丘の上に住んでいる、このネッド少年の生活がつづられている秀作です。



このネッドが抱えてしまう秘密が、この物語の柱になっています。

思春期の子どもは、秘密を持つことで心の領域がものすごく広がります。
「秘密を持つのはよくない」なんて言う、ことではなく、秘密を持つことで友情が始まり、心を許す存在が生まれるのです。

ネッドの場合は、この秘密を共有できずにずっと苦しみます。

何度もパパやママに行ってしまいそうになるのですが、言葉に出ることなくずっと心の重荷として持ち続けるのです。


もちろん、救いはあります。

彼自身がそのことを自ら解放していくのですが、その間のネッド少年が住んでいる環境や自然の美しさが見事でした。


風が運ぶ香り

都会に住んでいるとほとんど気づきません。

ときおり雨が少ない時に目黒川がどぶ川のようなにおいを放つことがあるくらいでしょうか。

北海道のキャンプに行くと、風が運ぶ香りに敏感になります。


川の香り、土の香り、森の香り、そして近所の家の料理の香り・・・・

この物語のストーリーだけでなく、自然が語る背景が素敵です。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです(*^-^*) (KOBE  akko)
2010-04-03 01:46:01
最近 メルマガが届くたび、心が揺れています。必死で東京に通っていたころを思い出したりしています。 おかげさまで仕事も順調ですが初心は忘れないようにしたいですね。今年こそ、シバシバの講座、受講したいです(*^-^*)
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揺れる (しばしば)
2010-04-03 04:55:37
akkoさん!

久しぶりですねぇ。

春は、揺れますからね。

順調な仕事、何よりです。

クエストの卒業生が、世の中に貢献し続けていることは、ボクにとっての誇りです。

またお会いしましょうね。
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痛くても (あーみん)
2010-04-03 21:51:13
うちのおばあちゃんもリュウマチではないけれど、全身が痛いと言いつつも毎日一通りの家事をしています。

『やらなくていいよ』と言ってますが、家事が彼女の生きがいになってるので、おつかいに行ってもあたしが持っても重い荷物をケロッとした表情でかついで帰ってきます。よほどのことがないと『お願い』とは言わない。


楽しくて、生きがいになってることをやってる人の表情は輝いて見えるし、なんだか不思議な力をもらえる気がします。
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生きるって (しばしば)
2010-04-04 10:17:05
生きがいがあるって大事なことですね。

自分にキチンとした役割があると、高齢者も生き生きします。

あっ、これは高齢者だけじゃないですけどね。
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