ボクは周期的に睡眠時間が極端に少なくなるようです。
基本的には早寝なので、10:00から11:00に寝てしまうことが多いのですが、大体3時くらいには目覚めてしまいます。
つまり「とし」ってことなんでしょうが、コレがなかなか辛いこともあるんです。
起きてしまっても、「夜」ですからね。
あんまりすることもないし、かといって昼間のようにアクティブに動けるほど体の準備も出来ていない。
結局ボーっとして朝を迎えることが多いのです。
そして、今夜もそうでした。
昨晩は10:00ごろに寝て、2:00に起きました。
ベランダに出て、空を見上げると、黒い雲が漂っていました。
そしてその黒い雲の向こう側には、澄み切った空が見えています。
月は隠れていますが、もうすぐ満月です。
そのせいか、黒い雲があっても明るい夜空です。
こんな晩に思い出す物語があります。
『月夜と眼鏡』
小川未明を知っていますか?日本を代表する児童文学作家です。
『赤いろうそくと人魚』が有名ですね。
どれもみな短編です。
ある穏やかな月のよい晩のこと。
町外れに、窓辺で針仕事をするおばあさんがいます。
月の光は、うす青く世界を照らしています。
目覚まし時計の音が、カタ、コト、カタ、コト刻んでいます。
はるか遠くに汽車のゆく音が聞こえるような気がします。
おばあさんはぼんやりとして、夢を見るような穏やかな気持ちですわっていました。
すると、窓辺で誰かが「おばあさん、おばあさん」と呼んでいます。
それは眼鏡売りでした。
「この町は初めてですが、実に気持ちのいいきれいな町です。今夜は月がいいから、こうして売って歩くのです」
目がかすんでしまい、うまく糸を通せずに困っていたおばあさんは、喜んで一つ眼鏡を買い受けます。
そして、今度はらくらくと糸を通して針仕事を続けるのです。
しばらくすると、また戸をトントンとたたく音が聞こえます。
戸口には12,3歳の美しい女の子が目をうるませて立っています。
「私は町の香水工場に勤めています。毎日白バラの花からとった香水をびんに詰めています。そして夜遅く家に帰ります。
今夜も帰り道に歩いていると、石につまづいて指を傷つけてしまいました。痛くて痛くて我慢が出来ないのです・・・」
「あ、かわいそうに・・・」とおばあさんはつぶやきます。
でも目がかすんで傷の様子が見えません。
「さっきの眼鏡はどこへいった」と探しました。
そして眼鏡をかけてこの娘の顔をよく見てみると、、おばあさんはたまげてしまいます。
それは、娘ではなくきれいな一つの胡蝶だったのです。
こんな穏やかな月夜の晩に、よく胡蝶が人間に化けて夜遅くまで起きている家をたずねることがあるという話を思い出しました。
「いい子だからこちらへおいで」
おばあさんは、戸口から出て、娘を裏の花園に連れていきます。
花園は今を盛りといろいろな花が咲いています。昼間は蝶やミツバチが集まってにぎやかですが、今は夢を見ながら休んでいます。
不意に立ち止まっておばあさんは振り向きました。
「娘はどこへ行った?」
いつの間にか、どこへ姿を消したものか、見えなくなってしまいました。
「みんなお休み、どれ私も寝よう」
本当に、いい月夜でした。
・・・・・・・・・・・
やわらかくて、あったかくて、ぬくもりのあるこのお話が好きです。
この静けさはまるで「音に聞こえてくるような」気がしませんか?
一人寝られない夜に、この物語を思い出しては、気持ちをやすませています。
もうすっかり空は明るくなりました。
新しい一日の始まりですね。
おはようございます。
皆さん、よい一日を!!
基本的には早寝なので、10:00から11:00に寝てしまうことが多いのですが、大体3時くらいには目覚めてしまいます。
つまり「とし」ってことなんでしょうが、コレがなかなか辛いこともあるんです。
起きてしまっても、「夜」ですからね。
あんまりすることもないし、かといって昼間のようにアクティブに動けるほど体の準備も出来ていない。
結局ボーっとして朝を迎えることが多いのです。
そして、今夜もそうでした。
昨晩は10:00ごろに寝て、2:00に起きました。
ベランダに出て、空を見上げると、黒い雲が漂っていました。
そしてその黒い雲の向こう側には、澄み切った空が見えています。
月は隠れていますが、もうすぐ満月です。
そのせいか、黒い雲があっても明るい夜空です。
こんな晩に思い出す物語があります。
『月夜と眼鏡』
小川未明を知っていますか?日本を代表する児童文学作家です。
『赤いろうそくと人魚』が有名ですね。
どれもみな短編です。
ある穏やかな月のよい晩のこと。
町外れに、窓辺で針仕事をするおばあさんがいます。
月の光は、うす青く世界を照らしています。
目覚まし時計の音が、カタ、コト、カタ、コト刻んでいます。
はるか遠くに汽車のゆく音が聞こえるような気がします。
おばあさんはぼんやりとして、夢を見るような穏やかな気持ちですわっていました。
すると、窓辺で誰かが「おばあさん、おばあさん」と呼んでいます。
それは眼鏡売りでした。
「この町は初めてですが、実に気持ちのいいきれいな町です。今夜は月がいいから、こうして売って歩くのです」
目がかすんでしまい、うまく糸を通せずに困っていたおばあさんは、喜んで一つ眼鏡を買い受けます。
そして、今度はらくらくと糸を通して針仕事を続けるのです。
しばらくすると、また戸をトントンとたたく音が聞こえます。
戸口には12,3歳の美しい女の子が目をうるませて立っています。
「私は町の香水工場に勤めています。毎日白バラの花からとった香水をびんに詰めています。そして夜遅く家に帰ります。
今夜も帰り道に歩いていると、石につまづいて指を傷つけてしまいました。痛くて痛くて我慢が出来ないのです・・・」
「あ、かわいそうに・・・」とおばあさんはつぶやきます。
でも目がかすんで傷の様子が見えません。
「さっきの眼鏡はどこへいった」と探しました。
そして眼鏡をかけてこの娘の顔をよく見てみると、、おばあさんはたまげてしまいます。
それは、娘ではなくきれいな一つの胡蝶だったのです。
こんな穏やかな月夜の晩に、よく胡蝶が人間に化けて夜遅くまで起きている家をたずねることがあるという話を思い出しました。
「いい子だからこちらへおいで」
おばあさんは、戸口から出て、娘を裏の花園に連れていきます。
花園は今を盛りといろいろな花が咲いています。昼間は蝶やミツバチが集まってにぎやかですが、今は夢を見ながら休んでいます。
不意に立ち止まっておばあさんは振り向きました。
「娘はどこへ行った?」
いつの間にか、どこへ姿を消したものか、見えなくなってしまいました。
「みんなお休み、どれ私も寝よう」
本当に、いい月夜でした。
・・・・・・・・・・・
やわらかくて、あったかくて、ぬくもりのあるこのお話が好きです。
この静けさはまるで「音に聞こえてくるような」気がしませんか?
一人寝られない夜に、この物語を思い出しては、気持ちをやすませています。
もうすっかり空は明るくなりました。
新しい一日の始まりですね。
おはようございます。
皆さん、よい一日を!!