自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

母親の右手の装具とファンタジー

2010-07-21 05:29:10 | ひとり言
母親の30年来の関節リウマチについて、何度か書いてきました。


年も年ですから、関節の変形がかなり進んでいます。



最近気になっていたのが、右手の変形。

右手4本の指が、外側に曲がってしまっています。


文章ではうまく説明できないのですが、担当医に「装具を作ってもらいましょう」と言われ、2か月がかりで作ってもらいました。



装具は既製品ではなく、患者さん一人ひとりの様子に合わせて作るものだそうです。


母親に作ってもらったものも、型どりをして更に手首、関節の根元、一本一本の指に負担がかからないように、細かい配慮がされていました。



「装具屋さんは上手なところがいい」と言われていましたが、母親の装具を作ってくれた香取さんは、後で聞いたところとても評判のいい装具屋さんだったようです。


先日、完成した装具を受け取りに行ってきました。


なるほど、本当によくできています。


いつも口うるさい母親が、帰りの車の中でも文句ひとつ言わずに嬉しそうにしていました。


その時にボクは、手に一冊の本をもっていました。


福音館書店の古典童話シリーズのハードカバーで『ハックルベリー・フィンの冒険』


香取さんは、とてもゆったりとした物腰で、おだやかでやさしい話し方をします。


「この本、絵がとってもきれいじゃないですか?」
「実は、私も、このシリーズの本をもっているんです」

 

確かに絵は本当にきれいです。

「えっ、何をもっていらっしゃるんですか?」

「わたしは、『ふしぎの国のアリス』と『鏡の国のアリス』です」

ちなみに、この香取さん・・・・40代と思われる男性です。


50半ばのオヤジと、香取さんが、クリニックの一室で童話の話をするとは、これぞまさにファンタジー???


「ファンタジーも読みますか?」と、ボクが話を振った途端、話が止まらなくなってしまいました。


なんだか、ゆっくりファンタジー談義をしたかったのですが、母親が退屈そうにしているし、次の患者さんが待っているし。


早々に切り上げましたが、なんだか男同士で童話やファンタジーの話をした後味が、うれしいような照れくさいような、おかしな体験でした。



「装具は、一つ一つ、自分でイメージを広げながら考えて創るんです」と言っていた香取さん。


どうやら、ボクにとってもそうであるように、ファンタジーは彼の仕事にも間違いなく活かされているようです。


*5分間チャレンジ2日目も完了!


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