若い頃に、「空を飛ぶ夢」を見たことがあります。
何度か見たはずなんだけど、ひとつだけはっきりと、その感覚を覚えている夢があります。
ボクは、野山を飛んでいます。
どこまでも、どこまでも続く、草原や、ときには山々を越えて飛んでいました。
春の陽ざしを受けて、高くそして低く、遊びながら風にのっていました。
その夢を「見ている」のではなく「本当に飛んでいる感覚」があったんです。
とにかく気持ちよかった。
フロイト流に分析すると、どうやら「思春期特有の・・・あの快感を伴う夢にされてしまうのだけれども・・・」
実際のボクは、というと・・・昔テニス部だった頃に、あの審判台に上るのさえ怖がっていた、「高所恐怖症オトコ」です。
成人してからは、ジェットコースター大好き!とかいって、遊園地で結構楽しんでいたんですが・・・・きっとガンバッテいたんでしょう。
もう何年も前に子どもと一緒に乗った「ダンボ」でビビッている自分です。
ダイビングをしていても、海のなかで突然深くなっているところでは、一瞬ギクリとしてしまいます。
海の中で、空を飛んでいるような気持ちになることはありますが・・・
もうそれで十分です。
ですからボクには、空を飛びたい・・・なんていう大それた夢はありません。
ここ最近、「タカイトコロハコワインデス」と、正直に言えるようになった自分を褒めてあげたいぐらいです。
『空とび猫』シリーズ ル・グウィン 村上春樹訳
アーシュラ・K・ル=グウィン
これが、正式な作者の名前。
『ゲド戦記』を皮切りに、様々なファンタジーを世に送り出してくれています。
この『空とび猫』は、4作のシリーズです。
ボクは文庫本で手に入れたんですけれども、ステキな「絵本」でした。
なんと、「羽の生えた猫」のお話なんです。
それだけでワクワクしますが、翻訳が「村上春樹」とくれば、ファンタジーファンならたまりません。
読む前から、「ゼッタイオモシロイニキマッテイル」という確信の下に読み始めました。
子ども向けの絵本ですから、内容はとてもシンプルです。
でも、ル=グウィンから発せられるメッセージは意味深いものばかりでした。
1作目は『空とび猫』
大都会のゴミ捨て場で生まれた4匹の猫。その猫たちに、「翼」が生えていたのです。
母親は、ここにいては危険だからと、泣く泣く子ども達を「追い出し」ます。
4人(物語の中では「匹」ではありませんでしたので)の子猫たちは、都会の空を飛び、いくつも野山や海を越えて平和な田舎に落ち着くまでが描かれています。
2作目は『帰ってきた空飛び猫』
ジェームスとハリエットの2人が、母親に会いたくなって、大都会に帰ります。でもそこは、再開発で次々と建物が破壊されているところでした。母親が見つからないまま、途方にくれていると、自分たちと同じ翼のある子猫ジェーン(黒猫)を見つけます。ジェーンは、血を分けた兄弟でした。母親とも再会し、あらためて、ジェーンを連れて2人は田舎町に戻るのです。
3作目は『素晴らしいアレキサンダーと空飛びねこたち』
この作品では、「翼のない」アレキサンダーが登場します。子猫ジェーンは、壊れた建物で一人ぼっちのときにドブネズミたちに襲われ、それ以来「ME(みー)」と「HATE(ひー)」しか声を出しません。いわゆるPTSDですね。翼のないアレキサンダーがこのジェーンを癒します。そして、ついに話すことができるようになるまでが描かれています。セラピストは必読書かもしれません。
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そしてシリーズ最後は、『空を駆けるジェーン』
田舎の生活に飽きてしまったジェーンが、街へとび出していくお話。
人間社会に紛れ込んだジェーンが起こすひと騒動。
猫が翼を持つ。
この設定は、ボクたちに与えられたギフトが持つ喜びと危うさを象徴していますね。
春樹君(別に友人ではありませんが、こう呼ばせていただきます)もあとがきで書いていますが、能力を持った者に対する否定的反応を超えて、「自立していく物語」なのです。
ボクは、「女性の自立のために」という、「絵本・おとぎ話セラピー講座」を持っています。そこで紹介する物語で語られている女性たちが、彼らの苦難をどのように乗り越えていくのかは、普遍的なレベルでボクたちの心に訴えてくる力強さがあるんだといつも感じています。
ステキな絵本でした。
ホントに。
何度か見たはずなんだけど、ひとつだけはっきりと、その感覚を覚えている夢があります。
ボクは、野山を飛んでいます。
どこまでも、どこまでも続く、草原や、ときには山々を越えて飛んでいました。
春の陽ざしを受けて、高くそして低く、遊びながら風にのっていました。
その夢を「見ている」のではなく「本当に飛んでいる感覚」があったんです。
とにかく気持ちよかった。
フロイト流に分析すると、どうやら「思春期特有の・・・あの快感を伴う夢にされてしまうのだけれども・・・」
実際のボクは、というと・・・昔テニス部だった頃に、あの審判台に上るのさえ怖がっていた、「高所恐怖症オトコ」です。
成人してからは、ジェットコースター大好き!とかいって、遊園地で結構楽しんでいたんですが・・・・きっとガンバッテいたんでしょう。
もう何年も前に子どもと一緒に乗った「ダンボ」でビビッている自分です。
ダイビングをしていても、海のなかで突然深くなっているところでは、一瞬ギクリとしてしまいます。
海の中で、空を飛んでいるような気持ちになることはありますが・・・
もうそれで十分です。
ですからボクには、空を飛びたい・・・なんていう大それた夢はありません。
ここ最近、「タカイトコロハコワインデス」と、正直に言えるようになった自分を褒めてあげたいぐらいです。
『空とび猫』シリーズ ル・グウィン 村上春樹訳
アーシュラ・K・ル=グウィン
これが、正式な作者の名前。
『ゲド戦記』を皮切りに、様々なファンタジーを世に送り出してくれています。
この『空とび猫』は、4作のシリーズです。
ボクは文庫本で手に入れたんですけれども、ステキな「絵本」でした。
なんと、「羽の生えた猫」のお話なんです。
それだけでワクワクしますが、翻訳が「村上春樹」とくれば、ファンタジーファンならたまりません。
読む前から、「ゼッタイオモシロイニキマッテイル」という確信の下に読み始めました。
子ども向けの絵本ですから、内容はとてもシンプルです。
でも、ル=グウィンから発せられるメッセージは意味深いものばかりでした。
1作目は『空とび猫』
大都会のゴミ捨て場で生まれた4匹の猫。その猫たちに、「翼」が生えていたのです。
母親は、ここにいては危険だからと、泣く泣く子ども達を「追い出し」ます。
4人(物語の中では「匹」ではありませんでしたので)の子猫たちは、都会の空を飛び、いくつも野山や海を越えて平和な田舎に落ち着くまでが描かれています。
2作目は『帰ってきた空飛び猫』
ジェームスとハリエットの2人が、母親に会いたくなって、大都会に帰ります。でもそこは、再開発で次々と建物が破壊されているところでした。母親が見つからないまま、途方にくれていると、自分たちと同じ翼のある子猫ジェーン(黒猫)を見つけます。ジェーンは、血を分けた兄弟でした。母親とも再会し、あらためて、ジェーンを連れて2人は田舎町に戻るのです。
3作目は『素晴らしいアレキサンダーと空飛びねこたち』
この作品では、「翼のない」アレキサンダーが登場します。子猫ジェーンは、壊れた建物で一人ぼっちのときにドブネズミたちに襲われ、それ以来「ME(みー)」と「HATE(ひー)」しか声を出しません。いわゆるPTSDですね。翼のないアレキサンダーがこのジェーンを癒します。そして、ついに話すことができるようになるまでが描かれています。セラピストは必読書かもしれません。
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そしてシリーズ最後は、『空を駆けるジェーン』
田舎の生活に飽きてしまったジェーンが、街へとび出していくお話。
人間社会に紛れ込んだジェーンが起こすひと騒動。
猫が翼を持つ。
この設定は、ボクたちに与えられたギフトが持つ喜びと危うさを象徴していますね。
春樹君(別に友人ではありませんが、こう呼ばせていただきます)もあとがきで書いていますが、能力を持った者に対する否定的反応を超えて、「自立していく物語」なのです。
ボクは、「女性の自立のために」という、「絵本・おとぎ話セラピー講座」を持っています。そこで紹介する物語で語られている女性たちが、彼らの苦難をどのように乗り越えていくのかは、普遍的なレベルでボクたちの心に訴えてくる力強さがあるんだといつも感じています。
ステキな絵本でした。
ホントに。
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