アンデルセンの童話は、おそらく日本人の女性なら一度ならず何度も触れたことのあるお話でしょう。
にんぎょ姫、マッチ売りの少女、はだかの王様、みにくいあひるの子・・・・
世界中の人たちから愛され、それも長きにわたって読み継がれている物語。
その大きな理由の一つは、「人間」が描かれているからです。
誰もがうなずくような人間の心理が描かれていて、それは国や文化の違いを超えて共感を呼ぶのです。
こういった物語は「スタンダード」と呼ばれています。
毎年6月開講の「大人のためのファンタジー講座」は、今週末で4回目。
ミヒャエル・エンデの『モモ』を扱います。
毎回思うことだけれども、「また読みたいな」と思う作品を、本当に「また読む機会」は正直なところあまりありません。
でも、講座にするおかげで、そのたびに作品に触れることができる幸せを味わっています。
さて、今日ご紹介するのは、「フィンランドのアンデルセン」と呼ばれているサカリアス・トペリウス。
おおよそ200年前に誕生していますから、アンデルセンとほぼ同時代を生きた作家です。
フィンランドはいわゆる【極北】に属する地域ですから、厳しい冬の情景や、ほっとする春の温かさが優しく語られている作品ばかりです。
『星のひとみ』
なんだか、タレントさんの名前のような感じになってしまいますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/4b/82a55d642e11283bbed8b34ac44f2198.jpg)
クリスマス前夜、ラップランドに住むラップ人のそりから落ちてしまった赤ちゃんのお話。
すぐにオオカミが集まってくるのですが
「小さな子どもの、むじゃきなひとみには、不思議な力があるものです」
オオカミたちはその子を置いてそりを追いかけていってしまうのです。
「数えきれないほどたくさんの、遠い、美しい星々は、雪の上にたったひとりで横たわっている、この子をかわいそうに思ったのでしょう。星が子どもをながめ、子どもが星をながめているうちに、星の光が、子どものひとみの中に宿りました。」
旅人シモンが、この子どもを見つけ、自分の子どもとして育てるのですが、不思議なことがたくさん起こります。
名前を付けるのですが、シモンは「星のひとみ」が似合っていると、この子どもをそう呼び続けます。
ラップ人は魔法を使うと信じているおかみさんは、次々と起こるおかしなことにこの子どもを不気味がり、ついには、シモンが留守の間に、七重の布きれで目隠しをして地下に閉じ込めてしまうのです。
それでも、この星のひとみには、すべてが見えています。
「星が見えるのかい?」
「ええ、とてもたくさん。とてもきれいに、光っているわ。かあちゃん、クリスマスが来るのね!」
怖れを成したおかみさんは、この子をトナカイの皮に包んで山の中に置き去りにしてしまいます。
星のひとみがいる間、素敵な不思議なことが次々と起こっていたのに、その日を境に、不幸がたくさん訪れます。
その後星のひとみがどうなったのかは誰も知りません。
作者は最後にこんな言葉で締めくくります。
「星のひとみは、七重の壁を通してものを見、人の心を見抜き、星の向こうの幸せな神さまの国の人々まで、見ていることでしょう。」
「あの子は、まだ子どものままでいるに違いありませんよ。だから美しい目をした、よい子のみなさん、あなた方の誰かが、すがたをけした星のひとみかもしれないのですよ。」と。
子どもの目をまっすぐに見ることができますか?
グロースセミナーで、子どもと向き合っていると、子どものまっすぐな目に一瞬戸惑う事がよくあります。
「星のひとみ」の前では、嘘なんかつけませんからね。
だから子どもたちと本気で関わっていると、ボクの心が洗われていくような気がするんです。
星のひとみたちとのかかわりは、ボクの心をまっすぐにさせてくれるんですね、きっと。
にんぎょ姫、マッチ売りの少女、はだかの王様、みにくいあひるの子・・・・
世界中の人たちから愛され、それも長きにわたって読み継がれている物語。
その大きな理由の一つは、「人間」が描かれているからです。
誰もがうなずくような人間の心理が描かれていて、それは国や文化の違いを超えて共感を呼ぶのです。
こういった物語は「スタンダード」と呼ばれています。
毎年6月開講の「大人のためのファンタジー講座」は、今週末で4回目。
ミヒャエル・エンデの『モモ』を扱います。
毎回思うことだけれども、「また読みたいな」と思う作品を、本当に「また読む機会」は正直なところあまりありません。
でも、講座にするおかげで、そのたびに作品に触れることができる幸せを味わっています。
さて、今日ご紹介するのは、「フィンランドのアンデルセン」と呼ばれているサカリアス・トペリウス。
おおよそ200年前に誕生していますから、アンデルセンとほぼ同時代を生きた作家です。
フィンランドはいわゆる【極北】に属する地域ですから、厳しい冬の情景や、ほっとする春の温かさが優しく語られている作品ばかりです。
『星のひとみ』
なんだか、タレントさんの名前のような感じになってしまいますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/4b/82a55d642e11283bbed8b34ac44f2198.jpg)
クリスマス前夜、ラップランドに住むラップ人のそりから落ちてしまった赤ちゃんのお話。
すぐにオオカミが集まってくるのですが
「小さな子どもの、むじゃきなひとみには、不思議な力があるものです」
オオカミたちはその子を置いてそりを追いかけていってしまうのです。
「数えきれないほどたくさんの、遠い、美しい星々は、雪の上にたったひとりで横たわっている、この子をかわいそうに思ったのでしょう。星が子どもをながめ、子どもが星をながめているうちに、星の光が、子どものひとみの中に宿りました。」
旅人シモンが、この子どもを見つけ、自分の子どもとして育てるのですが、不思議なことがたくさん起こります。
名前を付けるのですが、シモンは「星のひとみ」が似合っていると、この子どもをそう呼び続けます。
ラップ人は魔法を使うと信じているおかみさんは、次々と起こるおかしなことにこの子どもを不気味がり、ついには、シモンが留守の間に、七重の布きれで目隠しをして地下に閉じ込めてしまうのです。
それでも、この星のひとみには、すべてが見えています。
「星が見えるのかい?」
「ええ、とてもたくさん。とてもきれいに、光っているわ。かあちゃん、クリスマスが来るのね!」
怖れを成したおかみさんは、この子をトナカイの皮に包んで山の中に置き去りにしてしまいます。
星のひとみがいる間、素敵な不思議なことが次々と起こっていたのに、その日を境に、不幸がたくさん訪れます。
その後星のひとみがどうなったのかは誰も知りません。
作者は最後にこんな言葉で締めくくります。
「星のひとみは、七重の壁を通してものを見、人の心を見抜き、星の向こうの幸せな神さまの国の人々まで、見ていることでしょう。」
「あの子は、まだ子どものままでいるに違いありませんよ。だから美しい目をした、よい子のみなさん、あなた方の誰かが、すがたをけした星のひとみかもしれないのですよ。」と。
子どもの目をまっすぐに見ることができますか?
グロースセミナーで、子どもと向き合っていると、子どものまっすぐな目に一瞬戸惑う事がよくあります。
「星のひとみ」の前では、嘘なんかつけませんからね。
だから子どもたちと本気で関わっていると、ボクの心が洗われていくような気がするんです。
星のひとみたちとのかかわりは、ボクの心をまっすぐにさせてくれるんですね、きっと。
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