自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『コーンウォールの聖杯』 スーザン・クーパー

2010-04-29 07:24:40 | 児童文学
英国の児童文学には、魅力的なものがたくさんあります。

ファンタジーも、児童文学と呼ばれるものも、名作が多く、最近映画で話題の『不思議な国のアリス』もそうです。



でも、なんといっても先ず挙げなければならないのが『アーサー王と円卓の騎士』

実在していたといわれるアーサー王ですが、読み進めているとその不思議なファンタージーの様相を見せてきます。


12人の円卓の騎士たちの物語とともに、心踊らせるお話ばかりですが、なんと言っても「聖杯」の話がたまらない。


ユング派では、こういったスタンダードな物語が、広く、そして長い間世界中で読み継がれている理由は、人間の普遍的な心理構造を踏まえているからだ、と分析しています。


悪や、悪魔との戦いは、シャドウ(影)との戦いと統合の物語
これは、なんと言っても『ゲド戦記』が有名ですが、正義と悪の戦いの物語は普遍的で、ヒーロー系はほとんどがこのタイプですね。

ヒーローとヒロインが結ばれる物語は、アニマ(女性性)アニムス(男性性)統合の物語
女子がこのむタイプで、シンデレラや白雪姫と言ったハッピーエンドの物語。

宝探しのお話は、セルフへの旅(自己実現)の物語
宝島とか、モンテ・クリスト伯・・・。

といった具合。



スタンダードとして読み継がれている、ファンタジー文学や児童文学には、それを読むだけで、ボクたちの心を育てるプロセスであふれているという事なのです。


このアーサー王に影響されたお話はたくさんあります。

以前にも紹介した、ロイド・アリグザンダーの『ブリデイン物語』もそうでした。



そして、今回の『コーンウォールの聖杯』スーザン・クーパー


サイモン、ジェイン、そしてバーニーという3人の子どもたちが、アーサー王から引き継fがれてきた聖杯を探す物語です。



夏の間だけ、暮らすことになる「コーン・ウォール」

この地名を聴いただけで、ピンとくる人もいるでしょう。


まさに、アーサー王の故郷であり、円卓の騎士たちが集まった城のある場所です。


この場所を舞台にした、古文書にまつわる物語です。


これも、「闇の戦いシリーズ」と言う長編につながる元となったお話。

結構重たいハードカヴァーの本でしたから、持ち歩くのが大変。

でもはまりそうです。

こうなったら、I pad買って、ダウンロードして読むというのもいいかもしれない。

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4 コメント

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『不思議な国のアリス』 (しばしば)
2010-05-10 08:15:40
Unkownさん

児童文学は好きですか?

アリスのお話は、子どもの自我の成長の物語ですね。

小さな子どもは、母子一体感覚の中にいます。しかしながらいずれ分離していかなければならないのですが、その際に一時的に心理不安に陥ります。

その不安を埋めるための様々なイマジネーションを働かせるのですが・・・・・

「往きて帰りし物語」というファンタジーの定義に当てはまりますね。


6月から物語の講座があります。
http://www.questnet.co.jp/experience/picture_book.html
詳しく学べますので、機会があればぜひいらした下さい。

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Unknown (アリス)
2010-05-08 15:44:50
影との戦いと統合の物語、アニマアニムス統合の物語、自己実現の物語・・・

『不思議な国のアリス』は、これらの物語に属していますか?
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思い出のマーニー (しばしば)
2010-04-30 19:28:56
yumiさん

『思い出のマーニー』

この作品は、タイムファンタジーのジャンルで、時間を超える作品で、普遍的な心理構造に見合ったスタンダードです。
ユング派の河合先生も評価していました。

女性は、比較的英国のファンタジーを好む人が多いようですね。

ボクも、好きですよ。

『トムは真夜中の庭で』よりも好きでした。
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英国児童文学! (yumi)
2010-04-30 11:02:18
先生、お久しぶりです!
19期ホリス卒のyumiです☆

「コーンウォールの聖杯」初めて聞きました!
面白そうなので探してみます!!
先生のブログを今読んでちょっとわくわくしました(笑)
わたしは個人的には「思い出のマーニー」が好きです(ユングと関係ない感じですけれど)




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