J.D. パワー アジア・パシフィックは、今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者(現保有車の有無、新車・中古車の別は問わない)計6,000人を対象として、2015年7月上旬から中旬にかけてインターネット調査を実施した結果の「日本自動車購入意向者調査」を公表しました。
J.D. パワーでは自動車業界最大規模のベンチマーク調査から得られた消費者調査データをもとに、自動車に関する評価や業界トレンドを発信し、消費者が自動車を選ぶ際の有効な指標の一つとなるサイト「J.D. Power Japan Cars」を運営しています。
この結果の中で、私がチョットオモシロイなと思ったのは、トヨタに関してです。
①好きな自動車ブランドについてはトヨタが50%でトップとなっています。(複数回答、図表参照)。
複数回答とはいえ、トヨタが50%と言うのは、すごい高い数字だと思います。
ホンダが34%で続いていますが、こちらは純粋に自動車ブランドと言うより、最近ではジェットとかアシモとか、自動車以外でも消費者にアピールしていますから、ホンダブランド全部の好感度になっている可能性はあります。
好きな自動車ブランドはダントツでトヨタなのです。
好きなブランドとして最も多く挙げられたブランドのトップ10は、トヨタ(50%)、ホンダ(34%)、BMW(30%)、日産(28%)、マツダ(24%)、レクサス(24%)、スバル(23%)、アウディ(22%)、メルセデス・ベンツ(22%)、ポルシェ(17%)である。
②トヨタ、レクサス、BMWでは、リピート層(過去、現在にわたって、そのメーカーの車を買い続けるユーザー)で、次回も同じメーカーの車を検討している割合が70%以上であるのに対し、一部のメーカーでは30%台と低水準に留まっているそうです。
トヨタ、レクサス、BMWでは、リピート層で次回も検討する率が70%と高いのです。
③新車選びで重視する条件として、半数以上の人が「燃費のよさ」。次いで「車の購入価格」「外観のデザイン」を上げています。
好きなブランドランキングトップ10の中では、トヨタ、日産、ホンダを検討中の人は「燃費のよさ」を挙げています。
マツダ、レクサス、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェを検討している人は「外観のデザイン」、
スバルを検討している人は「走行性能」を挙げているらしいです。
トヨタを検討中の消費者の価値観は「燃費のよさ」。
以上を要約すると、トヨタブランドは・・・
①ダントツの好きなブランド
②ダントツのリピート率
③トヨタを購入検討中の人の価値観トップは「燃費の良さ」
となり、豊田章男社長をトップに以前から「ブランド強化」を進めていますが、J.D. パワー社の調査結果によると、既に十分にブランドは出来てるやんか! と。
AUDIは、「ヘリテージ」「モータースボーツ」「クオリティ」「デザイン」「イノベーション」の5項目を中心にプレミアムブランド化戦略を立て成功したと聞いています。
トヨタも、この5項目をクリヤーしようとしているように見えます。
量産車だけでなく、「レース活動」も活発にしています。
「トヨタ博物館」をはじめ「旧車イベント」もきっちりと行い、ヘリテージも大切にしています。
商品ハードに関してはまさに「トップ品質」と言えるのではないでしょうか。
ハイブリッド~FCVまで、世界をリードする「革新的な燃費技術」もあります。
・・・やはり、あとは「デザイン」ということだったのか?
数年前から、トヨタはデザイン改革に本腰を入れて、個性打ち出しブランド強化してきています。
ピンククラウン~シエンタのデザイン。
つまり、ちょっとユーザーが「えっ」というデザイン。
特にプリウスは、普通にデザインしておけば、より多くの消費者に歓迎されるはずなのに、「デザイン的特徴づけ」を頑張リ過ぎているように見えます。
こう見てくると、今は盤石だけど将来にそなえての「ブランド強化」なのかもと思います。
そこで、「将来となると若い人」となる。
若い人にトヨタブランドを好きになってもらわなきゃいけない。
その若い人とは、当然男性だけでなく女性がほぼ半分。
今日本政府もご存知のように「女性活躍社会を加速」と言っています。
女性が「活躍」ってどういうことだ? 仕事を頑張ること?育児を頑張って素晴らしい日本人を作ること?・・まぁ、平たく言えば少子高齢化で労働人口としたいということかもしれませんが、これは長くなるので次回。
とにかく、今後さらに女性ユーザーが男性並に増えていくと言う事なのではないでしょうか。
つまり、男性だけでは片手落ちで、益々活躍が期待される女性にもトヨタを好きになってもらわなきゃ、トヨタブランドは将来に渡って、盤石にならない。
しかし、先ほどのAUDIのプレミアムブランド戦略5項目はグローバルでの話しで、日本の若い人(男女)に絞るとそんなにクルマに対して積極的ではないと言うのが、一般的な現在の見識ではないでしょうか。
それを、特に「運転は楽しいぞ」「クルマを操る喜び」などでは、過去の価値観でむりやりこっちを向かしている事にはならないでしょうか。
「北風と太陽」というイソップ童話を思い出します。
トヨタ発言集
・「車が楽しかった時代を過ごした人たちが今、車を楽しんでる姿を見せることで、若い人もなぜ浮き浮きしてるのだろうと興味を持ってくれるのではないか」
・「大人が楽しめなければ若い人が車を楽しいと思ってくれない」
・「子どもが学校で、「昨日、レースを見てきた」「かっこいいレーサーに会った」と自慢してくれれば、風向きも変わるかもしれない」
・豊田氏は「車は愛車、ペットは愛犬というが、冷蔵庫は愛機とは言わない。私は車をコモディティ(汎用製品)にしたくない」と語り・・。
・・・取材陣の前でスピンターン。
・若者がクルマに興味を持たないのは、作り手にも責任がある。
・・・若者を見込んだ、スポーツカーの86を買っているのは、決して若者ではない。
若者のクルマに対する価値観の本質をキッチリと見ぬいてから、行動に出たほうが良いと思うのです。
ヒントはJ.D. パワー社の調査結果からみると「燃費の良さ」になると思います。
しかし、これは言うまでもなく単に燃費を良くすれば良いのでなく、「燃費の良さ」と答える特に若者の本質価値観を見ぬかなければなりません。
マーケティングです。
つまり、今の若い人には、クルマのレースやヘリテージさらに、商品デザイン等の価値観よりもっと大切で本質的な価値観があるはずなのです。
こう考えてきて、トヨタのブランド戦略間違っていない?
というのが、最初にチョットオモシロイなと思った事です。
【調査概要】
J.D. パワー アジア・パシフィック
「日本自動車購入意向者調査」
この調査では、今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者(現保有車の有無、新車・中古車の別は問わない)計6,000人を対象として、2015年7月上旬から中旬にかけてインターネット調査を実施した。
J.D. パワーでは自動車業界最大規模のベンチマーク調査から得られた消費者調査データをもとに、自動車に関する評価や業界トレンドを発信し、消費者が自動車を選ぶ際の有効な指標の一つとなるサイト「J.D. Power Japan Cars」を運営している。
J.D. パワーでは自動車業界最大規模のベンチマーク調査から得られた消費者調査データをもとに、自動車に関する評価や業界トレンドを発信し、消費者が自動車を選ぶ際の有効な指標の一つとなるサイト「J.D. Power Japan Cars」を運営しています。
この結果の中で、私がチョットオモシロイなと思ったのは、トヨタに関してです。
①好きな自動車ブランドについてはトヨタが50%でトップとなっています。(複数回答、図表参照)。
複数回答とはいえ、トヨタが50%と言うのは、すごい高い数字だと思います。
ホンダが34%で続いていますが、こちらは純粋に自動車ブランドと言うより、最近ではジェットとかアシモとか、自動車以外でも消費者にアピールしていますから、ホンダブランド全部の好感度になっている可能性はあります。
好きな自動車ブランドはダントツでトヨタなのです。
好きなブランドとして最も多く挙げられたブランドのトップ10は、トヨタ(50%)、ホンダ(34%)、BMW(30%)、日産(28%)、マツダ(24%)、レクサス(24%)、スバル(23%)、アウディ(22%)、メルセデス・ベンツ(22%)、ポルシェ(17%)である。
②トヨタ、レクサス、BMWでは、リピート層(過去、現在にわたって、そのメーカーの車を買い続けるユーザー)で、次回も同じメーカーの車を検討している割合が70%以上であるのに対し、一部のメーカーでは30%台と低水準に留まっているそうです。
トヨタ、レクサス、BMWでは、リピート層で次回も検討する率が70%と高いのです。
③新車選びで重視する条件として、半数以上の人が「燃費のよさ」。次いで「車の購入価格」「外観のデザイン」を上げています。
好きなブランドランキングトップ10の中では、トヨタ、日産、ホンダを検討中の人は「燃費のよさ」を挙げています。
マツダ、レクサス、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェを検討している人は「外観のデザイン」、
スバルを検討している人は「走行性能」を挙げているらしいです。
トヨタを検討中の消費者の価値観は「燃費のよさ」。
以上を要約すると、トヨタブランドは・・・
①ダントツの好きなブランド
②ダントツのリピート率
③トヨタを購入検討中の人の価値観トップは「燃費の良さ」
となり、豊田章男社長をトップに以前から「ブランド強化」を進めていますが、J.D. パワー社の調査結果によると、既に十分にブランドは出来てるやんか! と。
AUDIは、「ヘリテージ」「モータースボーツ」「クオリティ」「デザイン」「イノベーション」の5項目を中心にプレミアムブランド化戦略を立て成功したと聞いています。
トヨタも、この5項目をクリヤーしようとしているように見えます。
量産車だけでなく、「レース活動」も活発にしています。
「トヨタ博物館」をはじめ「旧車イベント」もきっちりと行い、ヘリテージも大切にしています。
商品ハードに関してはまさに「トップ品質」と言えるのではないでしょうか。
ハイブリッド~FCVまで、世界をリードする「革新的な燃費技術」もあります。
・・・やはり、あとは「デザイン」ということだったのか?
数年前から、トヨタはデザイン改革に本腰を入れて、個性打ち出しブランド強化してきています。
ピンククラウン~シエンタのデザイン。
つまり、ちょっとユーザーが「えっ」というデザイン。
特にプリウスは、普通にデザインしておけば、より多くの消費者に歓迎されるはずなのに、「デザイン的特徴づけ」を頑張リ過ぎているように見えます。
こう見てくると、今は盤石だけど将来にそなえての「ブランド強化」なのかもと思います。
そこで、「将来となると若い人」となる。
若い人にトヨタブランドを好きになってもらわなきゃいけない。
その若い人とは、当然男性だけでなく女性がほぼ半分。
今日本政府もご存知のように「女性活躍社会を加速」と言っています。
女性が「活躍」ってどういうことだ? 仕事を頑張ること?育児を頑張って素晴らしい日本人を作ること?・・まぁ、平たく言えば少子高齢化で労働人口としたいということかもしれませんが、これは長くなるので次回。
とにかく、今後さらに女性ユーザーが男性並に増えていくと言う事なのではないでしょうか。
つまり、男性だけでは片手落ちで、益々活躍が期待される女性にもトヨタを好きになってもらわなきゃ、トヨタブランドは将来に渡って、盤石にならない。
しかし、先ほどのAUDIのプレミアムブランド戦略5項目はグローバルでの話しで、日本の若い人(男女)に絞るとそんなにクルマに対して積極的ではないと言うのが、一般的な現在の見識ではないでしょうか。
それを、特に「運転は楽しいぞ」「クルマを操る喜び」などでは、過去の価値観でむりやりこっちを向かしている事にはならないでしょうか。
「北風と太陽」というイソップ童話を思い出します。
トヨタ発言集
・「車が楽しかった時代を過ごした人たちが今、車を楽しんでる姿を見せることで、若い人もなぜ浮き浮きしてるのだろうと興味を持ってくれるのではないか」
・「大人が楽しめなければ若い人が車を楽しいと思ってくれない」
・「子どもが学校で、「昨日、レースを見てきた」「かっこいいレーサーに会った」と自慢してくれれば、風向きも変わるかもしれない」
・豊田氏は「車は愛車、ペットは愛犬というが、冷蔵庫は愛機とは言わない。私は車をコモディティ(汎用製品)にしたくない」と語り・・。
・・・取材陣の前でスピンターン。
・若者がクルマに興味を持たないのは、作り手にも責任がある。
・・・若者を見込んだ、スポーツカーの86を買っているのは、決して若者ではない。
若者のクルマに対する価値観の本質をキッチリと見ぬいてから、行動に出たほうが良いと思うのです。
ヒントはJ.D. パワー社の調査結果からみると「燃費の良さ」になると思います。
しかし、これは言うまでもなく単に燃費を良くすれば良いのでなく、「燃費の良さ」と答える特に若者の本質価値観を見ぬかなければなりません。
マーケティングです。
つまり、今の若い人には、クルマのレースやヘリテージさらに、商品デザイン等の価値観よりもっと大切で本質的な価値観があるはずなのです。
こう考えてきて、トヨタのブランド戦略間違っていない?
というのが、最初にチョットオモシロイなと思った事です。
【調査概要】
J.D. パワー アジア・パシフィック
「日本自動車購入意向者調査」
この調査では、今後1年以内に新車乗用車の購入を検討している消費者(現保有車の有無、新車・中古車の別は問わない)計6,000人を対象として、2015年7月上旬から中旬にかけてインターネット調査を実施した。
J.D. パワーでは自動車業界最大規模のベンチマーク調査から得られた消費者調査データをもとに、自動車に関する評価や業界トレンドを発信し、消費者が自動車を選ぶ際の有効な指標の一つとなるサイト「J.D. Power Japan Cars」を運営している。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます