「マツダの安全は自動ブレーキだけでは終わらない。」という、プローモーションがあります。
http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/safety/?banner_id=b16808
これは、マツダのクルマは予防安全に良いと考えられる装置を標準装備にしていますから、「より安全な車として買って下さい」というものです。
衝突軽減ブレーキ(自動ブレーキとも言われています)や、斜め後方車を検知してドアーミラーにマークで表示したり、アクセルとブレーキを間違えていると知らせてくれたり、という装置です。
確かに、これらは予防安全につながると思いますが、肝心なことは、これらの装置は「完璧」なものではない、言い換えると「言い訳」のある装置です。
その証拠に「最終的な確認はドライバー」という但し書きがつきます。
マツダのプローモーションビデオも最後に映画のエンディングのクレジットのように、最後に小さな字で色々な但し書きがでてきます。
「完璧」なものではない、言い換えると「言い訳」のある装置を良いものと宣伝し、そのあとで但し書きする。
ドライバーにとれば、最後の但し書きこそ大切なものになります。
装置が完全なものでないなら、「不完全な部分を認識」することは大切です。
ここを認識しないから、日産自動車の販売店での事故のような事がおこります。
ドライバーはどこまでいっても自主的に安全に運転しなきゃいけないのです。
また、マツダのプローモーションの中に、「ペダル配置をドライバー中心にキチッと設定してあります。」というのもありますが、これはキチッとしていて当たり前の事で、キチッとしてない車は「それでも良ければ、他にこんなに良い事がありますから、乗って下さい」というレベルのものです。
例えば、クラシック・ミニはイシゴニスが小さい外寸の中で出来るだけ室内スペースを取る方法の一つとして、ペダル類を大幅にクルマのセンター側へオフセットさせて、ホイールハウスを避けてペダル類を前方に出して、乗員の座る位置を前方に寄せています。
良いか悪いかというとこれは良くないです。
だいたいFR一般車のブレーキの位置にアクセルがきていますから間違いやすいということもありますが、運転姿勢が斜めになってしまいます。クラシック・ミニの場合ステアリングもオフセットしてさらに異様に立っていますから、まともなドラポジはとれません。
その代わり、小さな外寸ながら室内スペースがとれます。
ユーザーが納得して操作し、他人に迷惑をかけなければ良いのです。
マツダのこのプローモーションでは、コストがかかり、収益に関わる装置を標準装備にして頑張っているのはわかりますが、メーカーとして本当に安全を願っているのか?と疑問になります。
やったことだけ、何とか出来たことだけ、を宣伝するのでなく、安全を願うメーカーなら、安全の事をドライバーの心理やスキルからインフラまで広げてその本質をよく考え、見渡してから「出来るだけ安全を考えて今回はこうしました。」という言い方のプローモーションにすべきではと思います。
こうなると直接的に宣伝にはならないかもしれませんが、本当に安全を願うメーカーとしてキチッとユーザーに伝える姿勢は拍手をもらえるでしょうし、安全に向けた取り組みってそういうものだとも思います。
予防安全に良いと思われる装置を開発し取り付けて、それを宣伝して、「安全に取り組んでいるメーカーだ」という事に、違和感を感じます。
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