映画を観ても面白くなかったものについては感想を控えてます。
この作品は観て良かった。
しみじみとジワっと来る映画だったので書きたいことはたくさんあるのですが、
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン、この二人の今までに培われてきた雰囲気と
ウイットにとんだ会話の応酬は文章では伝えられませんが、
このお2人が好きな方だったら、それだけで2時間堪能できます。
同じロブ・ライナー監督が20年前程前描いた、少年達が旅をする
「スタンバイミー」は、私の記憶に残ってる映画の1つです。
今回の「老人の旅」は、人生の最後に後悔しないために、やり残した事を実行する旅なのですが、
「死」というものを意識してる旅という点では重なってるようです。
余命半年と言われた人が自分の人生でやり残したことをやるとしたら・・・?
それは、お金がないとできないこともあり、お金があってもできないこともあるでしょう。
それを極端に描くにはやっぱり桁外れの大富豪だけど孤独な人と
信仰と愛情に溢れてるけどつつましく暮らしてきた人が出会うのが分かり易いと思いますので、
設定として無理を感じる人もいるかと思いますが、このお2人はさすがです。
まるで本人そのものと思われるくらい自然なので違和感はありませんでした。
いろんなエピソードがありましたが、
「世界一の美女とのキス」はなるほどね・・と思わせるものがあり、キュンとしました。
そしてテーマが重いわりに軽いジョークに随所でクスリっとさせられるのですが、
「地獄の黙示録」の台詞の「朝のナパーム弾の匂いは格別だ」の引用など、
ある程度の年齢の人か、古い映画や本などを観てる人しか分からないのでは?
と思われる会話もありました。
結局最後の半年で、<棺おけリスト>と呼ばれる死ぬまでにやることをクリアします。
それも最後の最後に出会った素敵な友情によって。
でもその叶えた事はそれまで2人が長い人生で培ってきたものが、
お互いにあったからこそ、与え合うこともできたものでした。
やはり最後の過ごし方や死に方もその人の今までの生き方で決まる・・と思いました。
このお2人がこの映画で演じる役が誰にでもいきなり出来ることではないのと同じように。
パンフレットを買ってないので、あってるかどうか確認できませんが
最初映画が始まってすぐのナレーションは、だいたいこんなことでした。
>人にとって人生の価値とは何だろう?
>ある人は仕事での成功。
>ある人は家族との絆。
>私は人から認められること・・・だと思う。
そして最後の場面は最初のナレーションと繋がるのですが、
秘書はちゃんとご主人の生き方を認めていたようです。
いえやはり有能な秘書を選ぶ眼は確かだったというべきでしょうか。
秘書がよかったです(笑)。
完璧な秘書でしたよね。
やっぱりわざわざ足を運んで行く映画もいいなぁと思います。
日本のホームドラマを観ないのは(今は、もうないようですが?
会話が面白くないからなんですが、お笑いとも違う自然に
具わってるユーモアがいいですね。
活字だけの地味な文章読んで頂いてありがとうございます(笑