長く再就職支援を仕事としてきましたが、自説の「1人前になるには10年の経験が必要だ」と述べて、10年はとっくに過ぎても、まだまだ未熟さを感じています。
求職者の話から、その人生を垣間見る事が度々あり、過去を幸せだったと思い出す人が多いのに驚きます。男性は職を失い、定年を迎えると社会的に孤立してしまい、精神的な病や離婚、そして自殺する原因になりやすく、中高年の男性にその傾向が強いといわれています。
自殺の原因は、複雑な人間関係によって引き起こされ、家族や仲間から逃避する気持ちになる時、ふとしたことから行動に出るようです。
自殺する人の約半数が無職者で占めていること、それほど仕事を持っていることが生がいにつながることだと意識しないといけません。自殺者を減らす意味でも、人生経験が豊富な高齢者は積極的に相談相手になる事に乗り出す必要があると思います。
「死ぬ気でやれば・・・何でも出来る」と自分に言い聞かせて頑張ることがありますが、 セーフテーネットが死ぬことでは何の意味もありません。いろんな手を尽くし生きて成し遂げることに意義を感じなければなりません。
中高年者は仕事をしていることに生がいを感じ、世の中と関わって他人から生きることを期待されていると思うべきです。高齢者も、経済的に豊かになって今は幸せな家庭生活だと、本当に思っているのでしょうか。独居生活者が増える一方、幸せな家族、幸せな家庭はどんな姿なのでしょうか。