しらほぶろぐ

ブログタイトルはニックネームが由来。
日記代わりに身の回りの出来事を綴ります。

だむかん

2010-02-27 06:51:55 | 15.時事雑記

2010.02.27(土)

「だむかん」(著者:柄沢昌幸)…

ふとしたきっかけで「だむかん」という小説本を知った…
この本は,「ダム管理」を題材にした現代小説で,「第25回太宰治賞」(2009年5月)を受賞した作品だというので早速読んでみた…

【あらすじ】
電力会社の土木課に勤務する「都宮」は,ダム管理所への勤務を命じられた…そこでは,非常事態に備えて,ただそこにいることが仕事である…仕事にやりがいを求めている大卒の「都宮」には,そこでの勤務は苦痛を伴うものであった…
そこで働く中卒,高卒の他のメンバーは,その退屈さを受け入れて,うまくやりすごしている…「都宮」は,一向に仕事を教えてくれない同僚にいらだちながらも,ダム管理所での仕事を徐々に受け入れていく…
「深夜の訪問者」,「ダムの鳴き声」、そしてひとつの町を消しかねないダムの放流…圧倒的な自然を前にして,「都宮」は自分を知るのである…


【書評】

著者は,「ダム管理」のことを「究極の閑職」と決め付けているかのように,「なにもしないことが唯一の仕事」と言い切っている…
ダム管理所のことを「高卒者」が勤務する「オジステ山」と比喩し,気の遠くなるような「閑」を「ゲーム」や「ゴルフ練習」,「テレビ観戦」で時間をつぶし,果ては仕事中に麓の村まで遊びに行く様子まで書き立てている…

この小説は,1999年の玄倉川ダム下流で発生した「水難事故」(死者20人)をモデルにしている様相で,この本の冒頭で,著者自身が生存者2人のうちの1人であること…さらに,著者の妻と長男を亡くされていることを明かしている…

著者は,「あの事故は決してダム放流による人災ではない」…と言い切り,ダムを糾弾しようとしている訳ではなさそうだが,それにしても「ダム管理」の日常をバカにしすぎではないだろうか…

著者の経歴を追うと,長野工業高等専門学校土木科を卒業し,電力会社の保守管理業務に16年間従事していたというではないか…しかも私と同年代…著者は,真の「ダム管理」を学んでこなかったのだろうか…学ぼうとしなかったのだろうか…やることは山ほどあるのに,やろうとしなかったのだろうか…やる気が無かったのだろうか…「ダム」を軽視していたとしか思えない…

ダムの安全を確保するために,日頃から真剣に取り組んでいる人の存在を知らないんだろうな…

この本を読んで腹立たしくなり,悲しくなった…


【現在の体重 : 66.6kg】(ダイエット開始から1489日目 : -38.1kg)
(目標体重「64.7kg」まで,あと1.9kg)

コメント (6)
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