side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

コンクールでお会いしましょう 中村紘子

2021年10月22日 | 書籍・雑誌

*****ご注意!!!一部ネタバレを含む可能性があります*****


ショパン国際コンクールの最中だったことから、一層興味深く読んだ

日本人ピアニストとして世界で活躍し、国際ピアノコンクールの審査員も多く務めた故中村紘子さんが著者

コンクールの舞台裏を期待して読み始めましたが、冒頭から「コンクールは芸術になじまない感じがあるのも事実」、「多くの名のある音楽家がコンクール批判をしてきた」となんだか方向が違うのかな・・・という気になる

市民階級の経済力が増すに従い、音楽が大衆化されていったことや、東西冷戦で優位性を示そうと旧ソ連が芸術家養成に励んだこと
などなど、歴史的背景も含めた説明が興味深い

若者に世界での活躍の足掛かりのチャンスを与えるのもコンクールの役割とされているが、優勝者・上位入賞者には大きく飛躍する者もいれば、大成しない者もいる理由も、中村さんの視点から分析している。
例えば、優勝者の特典で世界ツアーが組まれるがそのツアーで疲弊してしまうなど。

終盤はコンクールの楽しみ方に触れ、コンサートやCD鑑賞とは違ったクラシック音楽の楽しみ方があると語っている。
これは、私もネット配信ではあるが浜松国際ピアノコンクールやショパン国際コンクールを視聴していると頷くことも多く、次回の浜松国際ピアノコンクールは是非現地で聴きたいと思っている。

本作品は2003年に8週にわたって開催さいたNHKテレビ、人間講座「国際コンクールの光と影」の放送用テキストの草稿に加筆改訂を施したもの。
このためもあってか、大変読みやすい





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