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日本庭園の楽しみ 藤田庭園

2010-10-21 | 名所 旧跡
長部日出雄の小説の中で、津軽三味線の弾き方を話すくだりがあり、
「初めに一の糸でドデン(びっくり)させて、三の糸で聴かせる」
そんな記述を思い出したのが、弘前市にある藤田記念庭園でした。
「借りぐらしのアリエッティ」のモデルとなった盛美園の人気から、日本庭園にも注目が集まっていますが、津軽地方には素晴らしい日本庭園が数多くあります。
その一つである藤田記念庭園は、庭園入り口の門を潜った途端に借景の岩木山が目に飛び込んできて「最初にドデン」させられます。

津軽地方の日本庭園の作庭にあたっては岩木山は借景として重要であると以前にも書きましたし、もちろん弘前城からも岩木山を望めます。津軽地方の名庭といわれる庭は岩木山の観せ方に趣向を凝らし、必ず何かどこかにそんな見せ場のための仕掛けを隠していると感じます。
藤田記念庭園でも、園内を歩きながらそんなポイントを見つけることができました。
その場所では「三の糸で魅せる」という表現がぴったりと当てはまるように、作庭者の意図を聴く事ができます。
すでに鬼門に入っているであろう作庭者の、「どうだ」とでも言いたげな声が聞こえてきそうな素晴らしい眺めを目にしながら、日本庭園の面白さをあらためて感じてしまいました。
紅葉の季節には、色づいた落葉樹の赤や黄色によって、また違う美しさを見せてくれるのでしょう。


・・・・・・追記・・・・・・
藤田記念庭園はミシュラン・グリーンガイド・ジャパンで星一つを獲得していますが、この庭園の「縁側」も独立して星一つの評価になっています。
縁側でいただく抹茶が高く評価されているのですね。