老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

春の丹波・但馬路 (その2)   ~達身寺~ 

2017年04月16日 21時10分24秒 | 旅行/色々な風景
 カタクリ群生地の直ぐ近くにある古刹で、現在ではスイセンで有名ですが、不思議なお寺です。
 
◆現在は禅宗の曹洞宗派の寺院ですが、信長の丹波平定の際に焼き払われて、古文書が残っておらず、それ以前のことは全く判っていませんが、残っている仏像には鎌倉・平安時代のものが多くあり、相当古い由緒ある寺院だと思われます。

◆このような辺鄙な場所にあるお寺なのに、国の重要文化財12躯、兵庫県の文化財指定34躯という立派な仏像の多さが目立ちます。
全て木彫仏で、しかも一本作り(寄木ではなく、一本の木から彫られたもの)であると共に、通常は一寺に一躯あればよいはずの毘沙門天が沢山あったり、他寺では本尊仏になる仏像や、造りかけの仏像が沢山あることです。

◆これらのことから、郷土史家によって、この寺はかっては丹波仏師が沢山いた工房ではなかったかという説が出ているようです。
因みに、丹波地方は仏師の多い地域として有名で、鎌倉時代に東大寺南大門の仁王像の造営に運慶と共に参加した有名な仏師快慶は丹波仏師とも言われているとのことです。


 単にスイセンを見るつもりで立ち寄ったお寺ですが、思わぬ歴史を知ると共に、貴重な仏像を拝見することができました。昨年秋の紅葉の時期にも、この丹波地方を訪れましたが、本当に古刹の多い地方で、昔の繁栄ぶりが改めて思い出されました。

 また、当初目的のスイセンは住職の奥さんが手入れされているようですが、これも非常に見応えがあり、裏山で咲き始めた色鮮やかなコバノミツバツツジと絶妙な組み合わせでした。

 更に、このお寺の近くの道路脇には、色々なスイセンや球根も植えられており、心和む風景でした。(まさ)


達身寺の正面と本堂

境内のスイセン植付け状態

同上

気になったスイセン

同上

同上

同上

裏山ではコバノミツバツツジが咲きはじめ、名残の山桜や、芽吹き始めた新緑と絶妙のバランスです

コバノミツバツツジ。本当に鮮やかな色です

同上 蕾

境内には、勿論カタクリもありました。群生地とは少し違った雰囲気です

本殿奥の木彫り仏像群

宝物殿のご本尊阿弥陀如来像

近くの道路脇でもスイセンやムスカリが沢山植えられています