先日から、今はなき尾崎豊のことがやたらマスコミに取り上げられていると思ったら、4月25日は彼の30回忌だったのでした。
もう30年もたったのですね・・・
私とは20歳以上も若くて重なることはなくて、最初は彼のことは全く知らなかったのです。
私が彼に興味を持ったのは、彼が26歳で急死した直後の1992年の4月30日に執り行われた葬儀・追悼式には、雨の中もかかわらず4万人もの若い人が親しい人を亡くしたように涙を流しながら本当に悲痛な面持ちで参列されている様子をTVで見てからです。
その当時私は、離婚した前妻との間の子供たちも漸く社会人となったり、父も死去したりして、精神的にも一区切りがつき、後は収入に拘らずにツレアイとの二人だけの生活を考えて、好きなことを仕事にしようと考えていた時期でしたし、やっと自分の車が持てて好きな音楽が聴ける環境もできた時でした。
そして、ある時私より少し若いと思われる女性が「娘に勧められて、初めて彼の歌を聞いたが、娘の気持ちが判り、思わず涙が出てきた」と書かれた投稿記事を目にして、“よっしゃ、一度聞いてみよう”と思ったことでした。
ということで、車を運転しながら良く聞いたのが彼の曲で、特にその中でもお気に入りは、I love you/Oh my little girl/僕が僕であるために/シェリー/Forget-me-notなどだったでしょうか…
普段は余り音楽に興味を示さなかったツレアイも、彼のCDをかけると黙って聞き入っていることが多かったです。
彼は高校生の時にプロデビューし、出発点は「自由・反支配」などをテーマにした歌で、校内暴力や偏差値教育・受験戦争のひずみが露呈していた時代世相と相まって一部の若者の間で社会現象ともいえるような象徴的な存在となったのでしょうが、その後は「愛・罪」といったものを主題にした歌を多く作っていたように思えます。
今日は先日録画していた彼のコンサートのビデオを見ましたが、全く違和感を覚えませんでしたね。
80のおじんが「15の夜」を聞いて納得しているなんて、ある意味ではうすら寒い光景かも知れませんが、彼の歌からは何となく“目をそらさずに、真っ直ぐに生きる、ひたむきさ”を感じるからでしょうか。
要するに、受けを狙ってすり寄るような歌詞ではなく、少なくとも私には血の通った本音というか、本心のように感じられ、安心して自分と重ねられる部分もあり、己が経験したことが思い起こされ、涙が滲んでくることもあるのです。
彼の歌を聞くたびに若かりし頃や苦境にあった時のことを思い出させてくれるとともに、私も若い時と同じに少しでも前を向いて生きることが大切だと感じています。
年老いた私を励ましてくれるかのような彼の曲に、改めて感謝するとともに、彼のご冥福をお祈りします。(まさ)
