老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

ややこしい日本語 その(79) ~形成文字の面白さ~

2025年02月19日 19時15分44秒 | 面白い言葉や語源など
 先日、『辟』という字から派生した「躄」と「壁」という字の違いを調べていく中で、意味を表す文字と音を表す文字を組みあわせて作られた形成文字というものの面白みに興味を持ち、何か頭の中で色々な漢字が渦を巻き、枕元に置いているメモにも寝ぼけ眼で書いたのか、訳の判らない字が書いてあります。

 ということで、その後に気付いた形成文字を数個並べてみます。

(1) 「毎」 ⇒ 「悔」・「侮」・「晦」・「梅」・「敏」・「繁」など
 「毎」は、訓読みでは「まい・ごと」ですが、音読みでは、「マイ・バイ・ハン・ビン・ブ・カイ」と変化しています。
「毎」の意味は、①ごと。つね。つねに。たびごとに。 ②むさぼる。もとめる が主な所ですが、「暗い」とかいうような意味もあるようです。

(2) 「夌」 ⇒ 「陵」・「凌」・「稜」・「崚」・「菱」など
  「夌」の読みは「リョウ」で、その意味は、①しのぐ。②こえる。のりこえる。③高い。高い地。などです。

(3) 「暴」 ⇒ 「爆」・「曝」・「瀑」など
 「暴」の音読みは「ボウ・ バク」で、訓読みでは①あばく ② あらわす・ さらすとなります。


 漢字というか、日常使っている言葉の由来などに興味がある私には、この形成文字というのは非常に興味がある分野ですが、はまり込んだら没頭してしまうような麻薬的な恐れもあり、この度は一応この程度にしておきます。

※ この項は、<漢字の音符><goo辞書>などを参考にさせて頂きました。(まさ)


今日の夕食 オデンとスープ
オデン 昨夜から仕込んでおいたので、美味しく味が沁みていました

スープ 購入品のふかひれスープにレタスを入れました



ややこしい日本語 その(78) ~「辟」という字~

2025年02月17日 19時39分38秒 | 面白い言葉や語源など
 毎日新聞の朝刊に「まいにち言葉」というコラムがあり、間違い易い言葉などが記載されていて楽しみにしているのですが、先日このコラムに「完璧」という言葉が載っていました。

 確かに「完璧」という漢字を見れば、「かんぺき」と呼べるのですが、逆に「かんぺき」を漢字で書けと言われれば、「完」という漢字は浮かんでこずに「完」と書いてしまう人が多いのではないでしょうか。
「完璧」の璧は壁(かべ)ではありませんので、注意が必要です。

 確かに「璧」も「壁」も共に「へき」あるいは「ぺき」と呼びます。
共通する『辟』の下が、『玉』か『土』かの違いだけなのですが、どのように違うのか気になり調べてみました。

 以下、主に<風船あられの漢字ブログ>を参照させていただきましたが、結構長いのでポイントだけを記します。

◆基本の漢字は『辟』(部首は、「辛(しん)」)で、読み方は『ヘキ』か『ヒ』、その意味は元々は<刑罰>ですが、これから色々に転じて<避ける、横にさける、腰を切る、平伏する、丸く切る>など色々あります。
尚、この『辟』という漢字は常用漢字から外れていますので、余り使用されません。

 この『辟』を使う言葉で、良く使われるには「辟易」ですが、この元々の意味は<道をあけて場所をかえる>なのですが、これから転じて、現在では、
1 ひどく迷惑して、うんざりすること。嫌気がさすこと。閉口すること。
2 相手の勢いに圧倒されてしりごみすること。たじろぐこと。
という意味で使われることが多いです。

『璧(ヘキ)』(部首は「玉(たま)」)で、漢音が『ヘキ』、訓読みは常用外に『璧(たま)』があります。
平たい宝石を表す形声文字で、意味は<宝石、すぐれたもの>です。
傷の無い宝石を「完璧(カンペキ)」、一対の宝石で二つ共に優れたものを「双璧(ソウヘキ)」といいます。

※ 形成文字:意味を表す文字と,音を表す文字を組みあわせてつくった文字を言います。
判りやすい例は、「銅」「胴」「洞」など。右側がわの「同」が音(どう)を表し,左側がわの「金」や「月(肉)」「(水)」がそれぞれ金属きんぞく・身体・水に関係かんけいがあるという意味を表している(<キッズネット>より)

『壁(ヘキ)』(漢字の部首は「土」)で、漢音が『ヘキ』、訓読みは『かべ』です。
壁の映像を示す形声文字で、意味は<壁(かべ)、砦(とりで)、壁の様な崖(がけ)>です
壁に描いた画を「壁画(へきが)」、船着き場の壁を「岸壁(がんぺき)」、壁(かべ)の外側を「外壁(ガイヘキ)」、壁用の紙を「壁紙(かべがみ)」といいます。


◆なお、「辟」から生まれた形成文字は結構多くて、「壁」「璧」以外にも結構ありますが、主なものは、

(ひ):災いや難儀をこうむらないように、わきによける。さける。「避暑・避難・避妊・回避・忌避・待避・退避・逃避・不可避」

臂(ひ):
肩から手首までの部分。腕。「猿臂・短臂・断臂・半臂・三面六臂」

(へき・くせ):
①かたよった習性。くせ。「悪癖・奇癖・潔癖・酒癖・習癖・書癖・性癖・盗癖・病癖」
②くせ。 「口癖・酒癖・手癖・難癖 (なんくせ) 」

(へき・ひがむ):
①本筋からずれて、正しくない。一方に偏する。「僻見・僻説・僻論」
②場所が中央から離れている。「僻遠・僻陬 (へきすう) ・僻村・僻地」
[難読]の言葉としては、僻耳 (ひがみみ) ・僻目 (ひがめ) 

 その他にも、(はく=おやゆび)、(へき・ひだ・しわ)、(へき・いざる =足の不自由なこと)などと色々あるようです。(まさ)

(今日の夕食)

湯豆腐/刺身/酢豚
刺身 美味しそうだったのではり込みました

酢豚 歯が悪かったので久しぶりです

言葉の語源など その(149)  ~散 歩~ 

2025年02月11日 19時17分35秒 | 面白い言葉や語源など
 私は家にじっと閉じこもっているのが苦手で、家事は天気れば天気の悪い日などに集中し、天候が良い日は出来るだけ近くを散歩するようにしています。

 「散歩」とは、“気晴らしや健康などのために、ぶらぶら歩くこと。散策、逍遥”(goo辞書)ということですが、夫々に少しずつ目的も違うようです。
 私の場合は必ずカメラを持っていて、野草や変わった風景などを撮るのも大きな目的ですし、よく見かける人の中にはダンベルを手にして歩かれている方や、音楽を聴きながら歩いておられる方、パン屑を入れた袋を手にして鳥たちにエサやりを楽しみにしておられる方など実に様々です。


 所で、「散歩」という言葉が、どのように出来てきたのか気になったので少し調べてみました。

 <でも、日本が好きだ>に拠ると、
散歩の「散」には”とりとめのないさま、ぶらぶらとしているさま”という意味があります。
そこに「歩く」の「歩」がくっつき、“気の向くままに歩くこと”という意味で、「散歩」という言葉が使われるようになったということです。


 しかし、ビックリしたのは、全く異なり薬の中毒から逃れるためというのがあります。

 <weblio辞書>などに拠ると、
中国の三国時代に五石散という薬が、貴族や文化人の間で滋養強壮薬として流行した。名前のとおり主材料は五石(石鐘乳、紫石英、白石英、石硫磺、赤石脂)であり、服用すると体が熱くなる(散発)のだが、原料が健康には悪い、今で言うドラッグの様なものなので、散発がないと体に毒が溜まり害になるとされた。

 そのため、散発を促すべく歩き回るようになった(行散)。
要するに、散発のために歩くことを散歩というようになり、それが転じてただ歩くことを散歩というようになったというものです。
しかし、散発があろうがなかろうがひどい中毒症状が出るため、命を落とす者も多く、やがて五石散は禁止されたようです。


 余談ですが、10月9日は「散歩の日」だそうです。こじつけも良い所ですが、「て(10)く(9)てく」と読む語呂合わせから想起されたようです。(まさ)

<昨夜の夕食>

湯豆腐/炒め物/干物

炒め物  ジャガイモ/ベーコン/マイタケ/タマネギ

干物   笹カレイ


 

「バックシャン」?? 

2025年02月09日 19時01分05秒 | 面白い言葉や語源など
(幸いにも、大阪では今回の寒波襲来もそれ程のことはなく、時々雪は舞うものの積もるほどのことにはならず、今日も河川敷でテニスが出来ました。有難いことです。)

 昨日、私のブログでカワセミのことを書き込んでいる際に、その背中の色彩が余りにも奇麗なので、思わず「バックシャン」という言葉を使おうとしましたが、少し気になって変更しました。

 「バックシャン」という言葉は、英語の「back(背中)」とドイツ語の「schön(美しい)」が合体した、いわば和製外国語で、昭和初期頃から学生たちが“後ろ姿が均整がとれて美しい女性”という意味で使っていた言葉です。

 但し、私が使用を躊躇った理由は、この言葉は通常“後ろ姿は美しいが、前から見ると失望する”というような意味で用いられた場合が多かったので、セクハラ或いは差別的用語の部類に入るのではと思ったからです。

 しかし、私が調べた範囲では、そのような範疇には入っていなくて、「死語」扱いされている部分もありましたが、むしろファッション用語として単純に「後ろ姿が映える服装」という意味で使われていることが判りました。

 但し、私達が若い頃に一種の差別的なニュアンスで使っていた記憶がある以上は、この言葉は使わないでおきましょう。
ブログを続けていると、色々なことが気になり、ボケ防止に良いですね。(まさ)

 <昨日の夕食>

湯豆腐/サーモン/煮付け

サーモンのバター焼き  ホウレンソウとジャコ天も

煮付け イワシつみれと小松菜のみぞれ煮



ややこしい日本語 その(77) ~「しぶ〇〇」、「渋い」~ 

2025年02月07日 19時13分44秒 | 面白い言葉や語源など
 昨日は厳しい寒さが続いている中を医者通いの日。
耳鼻咽喉科/歯科それにマッサージも重なり、3時ごろまで掛かりました。

 耳鼻咽喉科では喘息はかなり良くなってきましたが、滲出性中耳炎は相変わらずで、定期的に診察と投薬をしてもらっています。

 歯科では、ブリッジ部分の補修は来週で、今回は定期的な歯の掃除です。

 整骨院のマッサージは、以前に膝を痛めた時から続いていて、膝の方は殆ど改善しましたが、寒さで凝り固まっている体のあちこちを揉みほぐしてもらっています。

 色々な医院にお世話になりながら体調を維持していますが、自転車で一人で問題なく通院出来ていることは、体調がまだまだ良いのだと思う事にしています

今日は言葉に関する書き込みです。


 先日、「図太い」という言葉について書き込んでいる時に、よく似た発音で少しニュアンスが異なるが、「しぶとい」という言葉があるのを思い出し、更にこの「しぶ」が使われる「しぶしぶ」とか「しぶちん」という言葉もあるのに気づき、少し気になっていたので調べてみました。

(1)しぶとい
“強情で臆するところがない。また、困難にあってもへこたれずねばり強い”様を言う言葉で、漢字表現では、「強太い、為太い、渋とい、死太い」など、諸説ありますが、いずれにしても、何があってもへこたれない、その様が目に浮かぶようです。
この言葉の語源・由来については、腑に落ちるものは見つかりませんでした。

(2)しぶしぶ
 “気が進まぬまま、しかたなく物事をするさま。嫌々ながら”を意味する言葉です。

 漢字表現では「渋々」で、渋柿を食べてしまったときのような表情で、あるいは、そのような気分で、という意味です。
つまり「いや〜な気持ちで」ということで、相手になにか要求されたり、仕事を命令されたときに用いる言葉だが、「しぶしぶ」はそれを断れないときに使う言葉です。

(3)渋ちん
 関西で良く使われますが、“物や金を出し惜しみする人。けちな人”をいう俗な言葉です。
大阪弁でケチン坊のことだが、ケチが陰にこもらない開放的な言い方です。

 シブチンとは「渋い」に、人名や人および人の特徴の後に付けることで親しみや軽い軽蔑の意味を持たせる「ちん」をつけたもので、渋い人を意味します。
 ただし、ここで言う「渋い」とは金品を出し惜しみするという意味の渋いであり、ケチな人を意味するけちん坊に通じる言葉です。
また、給料を出し惜しみする企業など、個人以外にも用いられる(例:「吉本興業は本当にシブチンな会社です」)。

 同じ「しぶ」が付く言葉でも、(1)と(2)(3)ではその内容が違うようです。また(2)と(3)でも同じ「渋」という漢字を使うのに、少しニュアンスが違うのでこの点も少し調べてみました。

 
 goo辞書に拠ると「渋い」に関しては色々な意味があることが判りました。
1 渋柿を食べたときなどの、舌がしびれるような味である。「~いお茶」
2 派手でなく落ち着いた趣がある。じみであるが味わい深い。「~い声」「~い色/服装」
3 不愉快そうな、または、不満そうなようすである。「~い顔をする」
4 金品を出すのを嫌がるようである。けちである。「~い客」
5 動きが滑らかでない。「湿気でふすまが~くなる」

 更に、<笑える国語辞典>では、日常よく使われる上記2の「渋い」に関して、下記の様な記述がありましたが、面白かったので抜粋紹介します。

Quote
・「渋い」とは、味覚の一種だが、主に渋柿の味のことをいう。つまり、えぐ味のある苦さに、「甘いだろう」との期待を裏切られたショックというスパイスをふりかけた刺激的な味である。

・このような「渋さ」は、日本人の「わびさび」の好みに合致し、主に高齢者の愛好する価値観となる。
例えば色でいえば、派手でなく地味、明るくなく暗い、かといって真っ黒のようにくっきりしておらず中間的な色、つまり「きれい」とはいえないどちらかというとうす汚い色である。
また、中高年の男性で、若いヤツらのように元気ではなく、明るくなく、脂ぎってもいないが、落ちついていて風貌や言動に苦い刺激のある人物を「渋い」「苦み走っている」などとほめる。
さらに演劇などエンタメの世界でも、主役級の派手さや明るさはなく、あくまでバイプレーヤーだが、特徴のない人物を堅実に造形して存在感を示す役者を「渋い」「枯れた芸だ」などと高評価する。
つまり、人生経験が豊富だったり、業界の事情に詳しい、いわゆる「通(つう)」な人が、若いヤツらやしろうとが見逃したり、無視したりするところに価値を見出して自慢するという、いやみな好みだといえる。

 渋柿のどうしようものない味に逆転の価値を見出すという日本人独特の感性は、せいぜい大事にしたいものですね。
Unquote
(まさ)

★この項は<goo辞書><Ameba><笑える国語辞典><日本語俗語辞書>などを参考にさせていただきました。」

<昨日の夕食>

湯豆腐/煮込み2種

高野豆腐とえんどう豆  台所の引き出しに残っていた高野豆腐を使ってみましたが、古くてまずかったです

鳥肉団子と小松菜のミゾレ煮  こちらは美味しかったです

主役はお好み焼き これも久しぶりで、美味しかった!