老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

総裁選・代表選の不思議

2024年09月17日 19時01分22秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 現在自民党の総裁選と立憲民主党の代表選が行われていますが、どちらも多数の立候補が話題となっていて、新聞・TVでの報道も盛んに行われています。

 私はどちらの選挙資格もないので、大した興味を持っておらず、結果もどうでもいいのですが、加熱するマスコミの報道合戦で、否応なしに記事を目にしたり、TVニュースを見たりします。

 そんな時に不思議に思うのが、本来は党派内の代表を決める選挙なのに、日本の将来をどうするとかまるで総理大臣を決めるかのような公約の宣伝合戦になっていることです。

 なるほど、この国では国民は直接に総理大臣というか首相というかを選べないので、この選挙に勝てば総理に近づく可能性があるからなのかと思ったりしますが、それにしては日本の将来の姿を訴える力が弱いのです。


 個々の細かいチェックまではしていませんが、報道されている限りでは、殆どの候補者は、政府の責任は首相が変われば全てチャラになってしまうのが当たり前かのように、同じ政党であっても自分たちが担った前の政権が国民に約束した政策の継続などには一切触れずに、自分が当選すれば
・透明性のある政治にする
・景気を良くして、日本をもっと押し上げる
などの仲間内だけを意識した、耳当たりの良い抽象的な一応前向き姿勢の言葉だけを並べているだけで、国民の願いに寄り添うとする姿勢は全く感じられません。


 そうじゃないでしょう!
 例え政権が変わろうとも、国民の生活は継続しているわけで、今の日本の最大の問題は、今までの政権の人気取りのための財政状況を無視したバラマキ政策によって蓄積した、莫大な借金体質でしょう。

 今までの野放図なその場しのぎの政治運営の結果として、現在の国家の国債などを含めた負債は約1,200兆円にもなっているようですが、現在のGNPは約550兆円、国家予算はざっと年間110兆円(その内、国債返済分が約27兆円)と比べると、その大きさは愕然とするような金額で、先進諸国と比べても飛び抜けています。

 これだけの負債を抱えれば、例えば金利が年1%上がるだけで12兆円もの返済が増加する計算になり、先般の急激な円安で体験したように、円という通貨は諸国の金利動向に連動できなくなり取り残されていくだけになるでしょう。

 各候補が主張するような国民生活保護をカクレミノにした人気取りのバラマキ策では、この最大の課題である財政改善には全く寄与するどころか、逆に悪化させるだけでしょう。

  本当に将来の日本のことを考えるのなら、国会議員の人員や歳費を含めた血の出るような財政支出の大幅な削減実行以外には方法がないでしょう。
このような政府の姿勢と実行力を示すことによって初めて国民への協力を要請できることが出来るのではないでしょうか。

 今大事なのは、短期間の政権担当だけを目的とした、蓄積する過去の弊害には敢えて触れずに、威勢の良い施策で人気をとることではなく、50年先・100年先の国家の在り方を直視し、その基盤となる国家財政の健全化を目指した(国民にとっては少々苦しい部分が含まれていようとも)正直な将来図を示すことではないでしょうか。

 現に日本の国民の数は減少を続けるとともに、65歳以上の高齢者はもう30%にもなっているというかってどの国も経験したことのないような状況になっているのです。
 そのような中で、莫大な負債を抱えた高齢者の多い国の将来図は、各候補が口先だけで言うようなバラ色のものではあり得ないでしょう。
そうした現実と素直に向き合って、愚直に対応策を考えることが政治家の使命ではないかと思います。(まさ)

 ※ 今日は中秋の名月らしいですね。大阪は余り雲がなさそうではっきり見えそうですが、我が家は東側に高層ビルがあり、見えるのは21時頃になるでしょう。後ほどじっくり見ることにします・・・



エンゲル係数

2024年07月30日 19時48分12秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
(シチリア旅行記が一段落しましたので、今日は別の話題です)

  先日、新聞で懐かしい言葉を目にしました。「エンゲル係数」です。

 随分昔に学校で習ったことがありますが、:Engel's coefficientと言い、
“一世帯ごとの家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)を表し、"エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低い傾向にある。これは、食費(食糧・水など)は生命維持の関係から極端な節約が困難なためであり、これをエンゲルの法則という”というような内容だったと思います。

 確かに、下記の表からも判るように、日本に於いても戦後直ぐの食べるのに施一杯だった時には、エンゲル係数は50を超えていたのが、その後の経済回復・成長と共にぐんぐん低下し、2000年代になると20台の半ばで安定していました。

          (統計リサーチノート No.5より)

 しかし、この日本のエンゲル係数が、下記の表の通りここ数年は徐々に上昇しているというのです。

        (第一生命 経済研究所より)

 エンゲル係数については、下記のような要素が完全に反映されていない表面だけの数字で、生活水準を表す指標にはなりにくいという説もあります。
・1世帯あたりの人数や、構成年齢
・人口に占める生産年齢の割合、価格体系、生活慣習の違い
・食料自給率や為替レートの変動
・食文化の変化
・食品に対する公租公課(消費税など)の変化

 確かに日本に於いては、食費以外への支出が少なくなる高齢者の比率が高い人口構成になっていますし、肉類や高級食材への比率増加など食生活の変化もあります。更に食料品に対する消費税率も大きく変わっていて、戦後間もなくの社会状況とは大きく異なっています。

 しかし国民の大多数の生活実感としては、ここ数年はスーパーなどに行くたびにジワジワとした価格上昇を感じて財布の中身を気にするようになっているのは事実で、年金も含めて増えない収入への不満も募っているのは事実でしょう。(まさ)

 エンゲル係数を考慮したわけではありませんが、今晩の夕食です。

今日の夕食  冷奴/野菜炒め/タイのオリーブオイル炒め/大豆モヤシのお浸し

野菜炒め ホウレンソウ/エリンギ/ベーコン ポン酢で頂きました

真鯛のオリーブオイル炒め 先日紹介したトウガラシ入りのオリーブオイルで炒めました 

大豆モヤシのお浸し ゴマタップリ






あのシャープが液晶から撤退 

2024年06月20日 19時42分43秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 少し前に驚いたニュースの一つが、シャープが液晶生産から撤退とのニュースでした。

 シャープと言えば、TVなどの液晶パネルや、AQUOSブランドのTV、更に種々の家電のメーカーとして有名ですが、非常にユニークな会社です。

 元々は1912年早川徳次が東京で興した金属加工の会社で、1915年に早川式繰り出し鉛筆(後のシャープペンシル)で海外進出したりしていましたが、1923年関東大震災により工場を焼失し、その後関西に拠点を移しました。

 戦後は関西を拠点にして、種々の家電の生産をしていますが、その中でも特筆すべきは
・1925年 国産第1号の「鉱石ラジオ」の組み立てに成功。生産・販売を開始
・1952年 「国産第1号白黒テレビ」
・1962年 日本の家電企業で初めて電子レンジを発売(当初は業務用)。1966年には世界初のターンテーブル方式の電子レンジを開発。
・1964年 世界初のオールトランジスタ方式の電卓の商品化。
当初はタイプライター並みの大きさで、面白いことに当時の計算手段の主流であったソロバンをこの電卓に付随させていたようです。
 ・1973年 液晶を表示装置に使ったCMOS化電卓(世界初)を開発。その後ICの採用により、最近では、名刺サイズまで小型化・薄型化した。
・1985年 3型液晶カラーテレビの試作、1988年には14型TFTカラー液晶の試作に成功。
・2000年 J―フォン(現ソフトバンク)と共同で行なったカメラ機能付きの携帯電話の開発。携帯で撮った写真がそのまま送れる機能もあり、「写メール」という言葉は一世を風靡しました。
・2001年 液晶カラーテレビ「AQUOS」
・2004年、亀山工場が稼動を開始。「亀山モデル」は液晶カラーテレビの代名詞となった

 その後も、太陽電池や空気浄化技術「プラズマクラスター」の開発についても業界をリードしていましたが、何といっても液晶パネルのシェアー拡大と、それを生かしたTVや携帯電話での急成長は目をみはるばかりでした。


 私が会社に入ったのが1964年で、当時はまだソロバンの時代でしたが、やがて電卓が身近なものになってからは手放せないものとなりました
当時の技術革新は目覚ましいもので、それを牽引するかのような『シャープ』は正に当時の産業界の代表だったように思えます。

  このように次々と独創的な技術開発が出来たのは、「まねされる商品をつくれ」という創業者早川徳次の精神を受け継いだ社員の創意工夫に拠るものだと言われていますが、上記の「写メール」だけでなく、「目の付けどころがシャープでしょ」とか「世界のシャープ」とかいう同社のキャッチコピーも面白かったです。


 しかし、このシャープが看板商品だった液晶事業から撤退を余儀なくされたという事態は、我が国の産業界を象徴するような出来事でしょう。

 我が国で展開された先端技術はやがて、中国・韓国・台湾などの東南アジア諸国の台頭と急速な伸長で、我が国は次第に遅れていくことになるのですが、シャープでも同様に液晶生産への過剰投資が、新しい技術の展開に付いていけなくなり、台湾メーカーの傘下に組み込まれていましたが、この度はついに液晶パネル生産からの撤退という事態にまで追い込まれたようです。

 産業界の新技術開発は正に日進月歩で次々と新しい技術が展開されるとともに、その実用化には益々多くの費用を必要とするようになり、少しでも古い技術にしがみついた場合の恐ろしさを表しています。(まさ)

※ この項は、同社のホームページや<https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/kigyo0>などを参考にさせて頂きました。



買い物での違和感2件

2024年05月17日 19時15分32秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

 新鮮な野菜などを買のと、少しでも他人と話す機会を求めて、ほぼ毎日スーパーに寄っていますが、最近話題の生鮮野菜の異常高以外に最近気づいたことが二つ。

<その① 詰め替え用の方が割高?>

 毎朝コーヒーを飲んでいますが、殆どの場合インスタントコーヒーです。

 瓶入りの新品よりは、袋入りの詰め替え用の方がコストや輸送費の面で割安なのは当然で、殆ど詰め替え用を購入しています。

 しかし、先日何気なく近くにある瓶入りを見てビックリ。

 200g入りの瓶入りの方が、180g入りの詰め替え用よりもかなり安いのです。(g比較ではなくて、絶対的な価格そのものが)

 メーカー或いはスーパーの事情に拠るものでしょうが、価格に関しては何時の場合も合理性が働くなどという先入観を持ったら駄目だということを痛感しました。


<その② チェリーとさくらんぼ>

 アルゼンチンに居た時に食べたチェリーが美味しかったのと、ツレアイも大好きだったので、輸入物のチェリーを良く買っていました。

 ツレアイが介護施設に入ってからは、一人生活では買う気にもなれず久しく食べていませんが今日久しぶりにスーパーで見かけ、もう少し手頃な価格になれば買おうかなぁと思っていました。

 しかし、その横に置いてあった、日本産のものを見てビックリ。

 名前は「チェリー」ではなくて「さくらんぼ」ですが、何と価格は3倍くらいです。

 我が家では、頂き物は別にして「さくらんぼ」を購入した記憶はありませんが、これを良く購入している人に言わせると、「やはり日本産のさくらんぼは見た目も味も上品で、輸入物とは比べ物にならない」とのことらしいですが、安物に慣れた私の舌には大きな違いがあるようには感じません。

 どちらも同じくサクラの果実で、逆に輸入物の方が少し濃い紫色ですが、太陽を十分に浴びて甘みもあるようにも感じます。

 むしろ、「チェリー」と「さくらんぼ」という呼び方の区別に、何か少し違和感を覚えました。

 このような呼び方の違いで、価格差を正当化しているような商品は多いのでしょうね。(まさ)

 


国の借金は更に増加

2024年05月16日 19時19分32秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

 5月10日の財務省の発表によれば、2023年度末時点での国の借金は1297兆1615億円とのことで、前年度末から26兆6625億円も増加したとのことです。

 その内訳は、国債が1157兆1009億円(前年度比20兆7179億円像)、金融機関などからの借入金48兆5613億円(同、1兆554億円減)、政府短期証券91兆4993億円(同7兆円増)です。

 因みに、先日成立した今年度予算では、通常の歳入は税金など約77兆円しか見込めないのに、歳出は約112兆円で、差額の約35兆円は国債や建設公債などの借入金という事になります。
(因みに歳出の内、国債返済金などは約27兆円で、これだけ見ても今年度の借入金も又もや8兆円程度の増加という事になります。


  本当にもうあきれるしかないです。

 誰が考えても、収入を超える支出が続けば、不足分は借金するしか仕方なく、それが続けば財政状況は悪化し、やがて破産に至ることは避けられないでしょう。

 しかし、この国ではそのような経済常識は全く無視され、歴代の政権は人気取りのために収入を上回るバラマキ支出を長年にもわたり漫然と継続し(国民も目先の少しでもの施しを有難がった面も後押ししていますが・・・)、その結果がこのような年間国家予算の10倍を超えるような巨額の借入金となってしまったのです。

 政府の言い分は、この借金は外国からのものではなくて、国民の貯蓄などから借用しているのだから、対外的には全く問題なしということです。


 果してそうでしょうか?

 この莫大な借入金があるが故に、政府は金利を上げられず(金利を1%上げるだけで、国の支払利息は年間10兆円以上も増えます)、結果として記録的な円安になり輸入に頼らざるを得ない食料品や工業原料・燃料などは軒並み大幅に上昇し国民や中小企業を苦しめ、潤っているのはコストアップ分を下請けに押し付けが可能な輸出に関わる大企業だけというありさまです。

 “責任者出てこい!”と叫びたいところですが、この事態を深刻化させた「アベノミクス」(現在では『アホノミクス』と呼ばれることが多いようです)を得意気な顔で推進していたお二人はもはやおられず、今までの政策の責任を問われることもありません。

 そして、政権担当者が替わっても、人気取りを目的とした政府のバラマキ財政政策は全く変わっておらず、財政改善などは口先だけのことで、全く眼中に無いのですから、後任の国際通と言われる日銀総裁も打つ手なしという感じです。


 確か2025年にはプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の黒字化を目指すし、十分に可能だ】というのが現政権も含めた歴代政権の発言だったと思いますが、最近はこの言葉を聞くこともなくなりました。
2025年が近づくにつれ、政府もさすがにこれが無理だと自覚し、この言葉を使う事は避けたみたいです。

 客観的に見ても、このままでは日本の国際信用力は益々低下し、近い将来には三流以下の国家になることは目に見えていますし、国民の日本に対する見限りも増加するように思えます。(まさ)