老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

G20の経済効果(?)と、色々な準備 

2019年06月23日 20時02分59秒 | その他
 6月28/29に大阪で開催される大阪でのG20に向けて、大阪府/市は知名度アップと大はしゃぎですが、これに輪を掛けるように、新聞報道などによるとシンクタンクであるアジア太平洋研究所(APIR)は18日に“6月下旬に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の近畿2府4県への経済効果は365億6360万円と試算”したようです。

 いつも、不思議に思うのですが、何か大きなイベントがあるとこのイベントの効果を宣伝すべく“〇〇〇億円の経済効果”というように、あたかも大きな利益がもたらされたような表現が実しやかに語られ、それを信じて大きなイベントを有難がる人も多いのです。

 捻くれものの私としては、このような傾向に大きな疑問を感じています。
確かに幾分かの経済効果はあるかも知れませんが、大きなオリンピックや博覧会のようなイベントでも、その後では役立たない多くの施設が残されて莫大な維持費用を要する「負の遺産」となっていますし、ましてやG20の様な短期的な会議などのイベントでは遺産として残るようなものは無く、ごく短期間でごく一部の業界だけが潤うことはあっても、市民全体がその恩恵を受けるようなことはまずないでしょう。

◆今回の大阪G20での経済効果として挙げられているのは、
①海外からの参加者の宿泊や飲食に関する直接的な消費支出や、宿泊施設などの事前の改修費用
②スタッフやメディアなどの滞在費、警備で全国から集まる警察官らのホテルや飲食代
③大阪を中心に、サミットに必要な電子機器などのレンタル需要や、オフィス用品通販
などです。

◆しかし、これらは本当の意味で、経済効果等と言えるものでしょうか?
①は兎も角として、②や③については確かにサービスの提供業者は利益があるのでしょうが、その費用は誰が負担するのでしょうか?

 その殆どは、主催地や警備員を派遣する自治体が負担するのではないでしょうか?
また、その間に動員される多くの人の人件費がどのようになっているかは、私達には詳細を知る由もありません。

 何れにせよ、地元だけでなく各地の自治体などが負担している訳で、その点では国民の税金が投入されていることになり、利益ではなくて費用(損失)というべきものでしょう。

 イベントがある毎に、それらに要する費用も含めた金額が、あたかも経済効果があるかのような表現が大手を振っているのは少しおかしいでしょう。

◆更にこのG20が開催される2日間だけでなく、前後も含めて4日間も大阪周辺の高速道路は一般車両が通行できなくなり、関西の道路は大混雑となり、物流が大混乱することは間違いないでしょうし、空港や駅構内にあるコインロッカーも全て閉鎖されるという事で不便さを強いられる人も数多いでしょう

 更に、金銭では計算できないでしょうが、大阪市立の公立学校は6月27/28は全面的に休校となりますし、小さな所では前に触れたように河川敷公園の一部は2週間に亘って使用禁止になるなど、市民生活の色々な面で大きなマイナス効果が予想されています。

 しかし、上記のシンクタンクは、“阪神高速道路が通行止めになるなど交通規制もしかれる。そうした負の経済効果については「取引の繰り上げや延期を通じて企業は負の影響をうまく処理できる」と想定した。観光業についても観光客が周辺地域を回遊することで「マイナスの影響は少ない」として考慮しなかった”というのですから、如何にこのイベントを企画した人達に与するいい加減な予測かが判るというものです。


 たまたま、私は6月21日に梅田並びに大川沿いに天満橋まで出かけましたが、
・すでに梅田の地下街では、あちこちに警官が立って目を配っていて、気持良く歩ける街とはとても言えない雰囲気でした。

・大川の帝国ホテルの向い側のいつもは野球場として使われているグラウンドでは、各地の自治体の制服を着た多くの警官が集まって、大川に潜水してチェックしたり、ゾディアックボートがずらりと並んでいてその一部が大川で訓練などをしたり、まるである種の基地になっているような異様な雰囲気で、寛げる散歩は出来ませんでした。

何れにしても、2週間も河川敷のテニスコートが使用できない私にとっては、非常に迷惑なG20です。(まさ)

 ※ この項は、日経新聞デジタル版などを参照させていただきました


大川の帝国ホテル対岸のグラウンドには、警察のゾディアックボートが整列

逆方向からの写真