現在 下の息子が帰省している。
息子の車は前輪駆動(2駆)で動けない。
道路はシャーベットの様(朝はアイスバーン)で 四輪駆動でも蛇行状態。
除雪車が雪を除く。
道路わきに雪塀ができて、車が交差できない。
降り始めは柔らかい雪が、日にちがたつと白い岩状態で…無理に寄せると車に傷ができる。
雪国の悲惨。
南国生まれの私は…能天気が持ち前だが、雪は好きになれない。
遺伝子レベルで反応してしまう。
怖い。
雪の間は引きこもりたい…切実にそう思う。
現実はそうはいかない。
今日は雪のためしばしの休日である。
お隣のお寺の奥様が(茶菓子持参)でやってきた。
お茶の時間。
雪の三日目でやっと出られた…らしい。
彼女は秋田県生まれで、雪に耐性がある。
それでも、「かんじきが欲しい」ほどの雪なのである。
4,5年周期で大雪の日が来る能登半島。
お互い何とかなると思って生きてきたのだ。
一メートルというと大げさだが、70センチはある。
秋田県出身の氏と南国の私が …子供のことやら 地域のことやら これからのことやら 談笑している。
有り難いのか 動きが制限されて閑なのか 大雪に感謝すべきなのか 解らない。
それでも、時間を気にすることもなく 主題が或るわけでもなく 話ができる 幸せ。
無為な時間がもてる余裕。
その事を噛みしめる時間。
「ながーいお付き合いやねぇ」「本当に」
二杯目の☕をいれる。
「One more cup of coffe」ボブ・ ディラン
コーヒーをもう一杯 僕が旅立つ前に
コーヒーをもう一杯
眼下に見えるあの谷底に向かって旅立つ前に
君の親父さんね あの人は無法者だ
放浪することが仕事のようなもの 本当 本当
やがて君に教えるだろう
刃物の見方 選び方 それから投げ方なんかをね アーミーナイフの使い方だけは教えた
彼は監視する 彼の王国を
だからよそ者が飛び越えて入ることはない
料理の皿のお代わりを求めるとき
彼の声は震えている
コーヒーをもう一杯 さよならを言う前に
コーヒーをもう一杯
眼下に見えるあの谷底に向かって旅立つ前に
君のお姉さんにはお母さんや君と同様
未来を見る能力がある
君は読み書きを教わったことは一度もなかったね
棚に本があったためしはない
君の快楽は際限を知らず
君の声はマキバドリのように美しい
だが心はあの広い海のように
暗く謎に満ちている 謎は自分自身で説く課題としてある
コーヒーをもう一杯 さよならを言う前に もう4杯ものんで胃がダボダボですぜ
…頭の中はOne more cup of coffe
物悲し…バイオリンの冒頭が鳴り響いている。
しかして…現実は茶菓子ボリ ボリ 珈琲ダバダバと…見苦しいことこの上ない。
それでもなお 生きていこうと思う私なのである。
道行きのためには 珈琲がいる。
雪を眺めて物思う…そんな 一日。
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