クリスマスがやってきた。
子供たちはデカくなって、ケーキ、ケーキと騒がない。
それでも、習い性でフライド・チキンや、サラダを作ってしまう。
ついでにためて置いた包装紙や色紙を合わせてリボンも作る。
自分の部屋に飾る。
そんな事している内に気分が上がる。
雪と雷と木枯らし。
山間のは停電が多い。
自分で楽しみを作らないと…一人で盛り上がらないと…何よりも自分が楽になるように。
停電の夜、真っ暗な部屋。
懐中電灯を持ちながら料理を作った。
暗闇では「見る」という事ができない。
たんに見えるものを見るという事が〝ことほどさように〟大事な事なんだ。
改めて気づく。
原子力に頼るのは御免だけれど、電気が止まると、暖房もとまるのが現実。
さむっ。身体が震える。真冬です。
両隣のおばあさんが急に気になる。
暗闇の中、雪をかき分けて様子見。
右隣のおばあちゃんの家は玄関前が、落ちてきた屋根雪で埋まっているし…左隣の家にも人の気配がない。
どちらの家も暗い。
そうだった。停電なんだわ。
煌々と明るい一角をめざして…暗い雪道を歩く。
北電の若者が復旧作業をしている。
「もう二時間ほどかかります」
頼もしいし有難い。「ご苦労様です」
今日も雷が鳴っている。
又どこかに落ちるのかも…。