まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

A君の思い出

2014年09月25日 | 日記
学生服の胸元に名札を留める。
服の布地に安全ピンの跡が残る。

白いハンカチーフを数センチ胸ポケットから出して名札を留めていた。
知的(勉強ができるという意味)ですましやだった位の記憶しかない。

実家はお米屋さんで街の駅(中心地)近く…一帯の地主だったと思う。

昨年秋里帰りした折、四万十川の支流めぐりの為、レンタカーを借りた。
故郷の四万十町駅前の看板広告。

「レンタカーご利用の方、送迎致します」

迎えの車の運転席から、「ひょっとしたら…○△※◇さんではないですろうか?」

土佐の方言も懐かしい…学生時代のすましやの面影がかすかに残る白髪頭の顔。

「あぁっと…えぇっと、 えんちゃん。 ○△としゆき君かなぁ…お久しい」
「ゆきとし…やき」「ええっ …ごめん、ごめん。お米屋さんを継いだがやったがじゃないが?」
かすかな記憶を呼び起こして失礼のない様に。
「米穀店の方は、弟がやりよらよ」
弟さんとは腹違いで歳が離れていた。
うっすらと記憶がよみがえる。

車が会社に着いた…板金、塗装、及び日本レンタカー…。
「レンタカーはボランティアみたいなもんよ」
山の中腹の広い敷地。従業員らしい若者数人が慌ただしく立ち働いている。

小半時珈琲飲みながら談笑。
びかびかの新車…禁煙車。
「40年振りだそうで、主人が喜んでます」と奥方が笑っている。

「灰皿いるんやろ、特別サービスぜよ」
「是非にでも逢いたい同級生がおるんなら場所セッティングするし、連絡するぜ…6割以上この町で頑張りゆうき」
「今でもええぜ。時間とれる時ならいつでもええがぜ」
「ありがとう…」灰皿を受け取って、四万十川天然うなぎを食べに…気もそぞろ。欲の皮だけの私だった。
中学、高校時代の同級生。
勉強、運動、生徒会活動、その時代のプライオリティから意識せず無意識にだが… 距離を置いていた私。

それでも、A君から漂う気配りに有難さと懐かしさが混然一体の奇妙な感覚。
今年年末帰郷の折には必ず飲みにいく…約束をしたのだった。

訃報が届いた。

ちょっと 逝くのは早いでしょう。えんちゃん。

やっと、胸襟を開いて人間同士、尽きぬ話…浮世の憂いも喜びも友人達の消息も…話せる時間が持てる気がしていたのに。

今月に入って、ばたばたと訃報を聞く。
知人が三人も逝ってしまった。



夕暮れ。

黄昏。

寂寥感だけがつのる。

この一週間、心が彷徨って身の置き所に困った。








































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かぼちゃレシピ

2014年09月24日 | 日記


北海道のNさんちのかぼちゃ。



石川県W市Y村のかぼちゃ。

いただきもの。
日持ちするのでころがし保存。

白かぼちゃは一段と長持ちする…そうで。
Gさんが丹精をこめて、Sちゃんがふわりじわりと草をぬいて汗をふきながら育てた。

かぼちゃの旨煮はだし醤油で、かぼちゃサラダにはサワークリーム。

あとは天ぷら。かぼちゃバーグ。かぼちゃカレー。パイ。そぼろ煮。

秋の味覚…美味しくいただける。
春に種をまき梅雨には草取り…夏には水をやりそして収穫。

かぼちゃが好物って訳でもない。レシピの全てをこなす事も無理。無理。

せいぜいが天ぷら、旨煮…やっとこさそぼろ煮という所。

玄関の隅っこにふたつ。

倉庫の中。じゃがいもと玉ねぎとニンニクと横並びに。

冬用の保存野菜を見るたびに幸せを感じる。

街のスーパーもコンビニもハロウィンコーナーができている。

この世とあの世の境目がなくなるハロウィンの夜。
ケルトの伝説なんぞ…すっとばかして秋の商戦。
お菓子も小物もハロウィン仕様。
バレンタインもクリスマスもその上ハロウィンまでも欧米化、この国は節操というものがない。
パンプキンのお菓子だが…見栄えがいいし口当たりも軽い。
子供にせがまれるとついつい買ってしまう気持ちも解る。

出先から帰ると…玄関でかぼちゃがころころ。
日持ちがするから…有難いよね。
怠慢さの言い訳もたつ。

「ただいま」「ころころ」豊かな感じがする。

子供の頃冬至の日には、かぼちゃと小豆の〈甘煮〉を食べた思い出。
ビタミンAがたくさんの南瓜〈かぼちゃ〉を食べて風邪ひかんように身体温めて…先人の知恵。

いまどきの子供たちは見向きもしないだろうけど…
懐かしい母の味。
雨が降り始めた。
そろそろこたつの用意したほうがいいかもね。

昭和はあったかい。










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悪魔を見た

2014年09月22日 | 映画
韓国映画『悪魔を見た』のアメリカ版リメイクが本格始動!
2014年9月22日 韓国映画『悪魔を見た』の米版リメイクが本格始動!
『悪魔を見た』キム・ジウン監督、イ・ビョンホン、チェ・ミンシク共演の韓国映画『悪魔を見た』
アメリカ版リメイク作品の、監督と脚本家が決定したことがわかった。

婚約者を惨殺された捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)が、犯人の連続殺人鬼ギョンチョル(チェ・ミンシク)を捕まえる。
しかしとどめを刺さずに残虐な制裁を加えていく〈復讐劇〉
2010年の韓国映画を見た。
あらすじはともかく、主役のビョンホンよりも悪役のチェ・ミンスクの存在感が圧倒的。
これほどの存在感が出せる日本俳優はいるだろうか。

生前の緒方健でも無理だと思われる。
[復讐するは我にあり][鬼畜]…なまぬるい。
やはり、島国の遺伝子かな?
とほほほほって感じがする。
脱帽である。

気味の悪さ。汚さ。えげつない卑しさ。心魂の貧しさ。滓ったらしさ。残酷さ。
全てを併せ持って漂い出ている凄み。
人間の持つ生暖かさ。
お前は人間じゃない。屑の中の屑なんだぜ。
しかし、生の温さが感じられる。
そんな性格の役柄をそうそう演じきれるものではない。
その醜さと汚さに感動する。

「悪魔を見た」は…そんな映画だったのだが、おすすめ出来ない映画でもあった。

チェ・ミンシクは韓国を代表する俳優で、「オールド・ボーイ」が代表作。
人の好いおっちゃん…変貌していくさまを演じている。

イ・ビョンホンは説明はいらないほどの人気スターである。
エリートの残酷を演じる。
演技しているというほどの上手さが感じられない。
そこが持ち味とも言えるのがさすが。
何を演ってもイ・ビョンホンなんだけど…妙に納得する。

日本映画の極めの細かさという所は、技術力の確かさとか…侘び、寂のあじわいとか言われる所だと思うし…

否定できない良さでもある。

只、臭いところに蓋というのがお国柄で、世界の〝黒沢〟でも室町以来の楔…蓋ははずせない。
そういう部分…〈文化の成熟〉を破壊できる表現力というところでは韓国の監督のほうがいや勝る。
吸引力という部分での話だが…

つくづくそう思った映画であった。


つるが岩に張り付いている。

長きに渡ってほったらかしていた結果である。

結構風情があるよね。

無作為もいいか。















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初秋の夕暮れ

2014年09月20日 | 日記
   

昨日の夕焼け。
雲の表情が変わっていく。
空を見上げながらカメラのシャッターを押した。

我が家の前…夕焼け空を見あげながらの暮れなずむ夕べ。


稲刈り作業を終えた車が通りすがりに車窓を下げて挨拶していく。

運転席の男性が白い歯を見せて笑った。
その笑顔は本物ではない。
自然に笑うことなど…すでに忘れてしまった。
心の欺瞞が作り上げた虚飾の笑顔。
彼の人生にはもう二度と、心から笑える日が来ないのかもしれない。

他人の事情。人の噂。関わりたくないし関わることもない異邦人の私。
それでも長い間地域社会に寄宿していると、透けて見えてくる人間模様の悲喜こもごも。

森羅万象の様に刻々と変わる心象風景。
風景は変化していく。心象はたやすく変化しない。
田舎は厄介で噂がスティグマ『恥辱。汚名。負の印。』として残る経緯を多く見てきた。
流れ者の気軽さ。
言われなれている。謂われないことばかりで。
こなれているし、鉄の心臓でもある。
笑う事を忘れないで欲しい。
心の中で「がんばれ、負けるな」と励ましている私の気持ちが通じてほしい。



燃える夕焼け。

半時間で暮れた。





















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アンコウの雄…続きの話

2014年09月19日 | 日記
朝夕が冷え込む季節。
長男が仕事がすむとイカ釣りに出かけている。
今年は遅いなぁ…といいつつも必ず釣果があり、お刺身(あまし・うまし) げそのから揚げ。かき揚げ。
{真正の地物ねた}で美味しくいただいている。

そろそろお鍋の季節かな。アンコウ鍋は大好物。
フグは食いたし・命は惜ししではなくて高価で手に入らない。
アンコウに関しては深海魚で鍋料理にはかかせないと云う知識しかなかった。
所が、友人達がなにげに口にする…メタファーとしてのアンコウの雄。
気になる。彼女たちが恣意的にもしくは意図的に言わんとしている事は何か。
☆無知であった。

★雄は性的に成熟すると口がペンチのような形に変形します。
広大かつ暗黒の深海の中でひたすら雌を探しまわります。
アンコウの不思議な生態(生殖) というページを読んだ。
(ビワアンコウ)雌は2メートル。比べて雄は15センチ。
えぇっ。
真っ暗な深海の中で、メスを探し当てる。
オスは鋭い嗅覚によって、メスのフェロモンを感じることができるようです。
オスは同じ仲間のメスと判ると体に噛みつきます。えぇっ。
これはチョウチンアンコウ。

深海において、雄と雌がたまたま出会う確率は著しく低いだろう。きっと。
出会ったときに互いが繁殖期とは限らない。
深海では、チョウチンアンコウの餌は決して多くない筈。
    
雄と雌が出会ったとき融合してしまうのが合理的だが…
いくら合理的だからって…自然界の事だし…深海も深海よ。
しかも融合と言っても、完全にオスが取り込まれてますよねぇ…。
もの悲しい出会い。切ないよ。切なすぎる。

融合が進むと、雄は心臓も脳みそも無くなり、自我は崩壊し、雌の血管から栄養を供給されるただの精巣袋と化す。
わぁぉ…。オカルト・ホラーの世界。幽界からの訪問者。惑星からの侵入者Xの類。

精巣は完全に雌のコントロール下におかれ,雌の産卵時…
最も都合の良いタイミングで放精させられるようになっています。
えぇ。

☆友人達がいいたいのは、存在の耐えられない軽さ(自分)の傍。
もひとつ耐えられない軽さまで引きずるな。
愚痴をいうな。支配されるな。そんな閑はない。
という事なんだろうと思いつつ。

アンコウも種類が多い。
すべての雄がということではない。

基本、市場に出ているのは雌だということで…大きさでいうと雌しかいない事になります。
おいしいよね。

ありがとう。あんこう。






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