今日はお休み最終日。
自室の掃除。本の整頓。
玄関口で呼ぶ声がする。
小包かな?ハンコ、ハンコ…慌てて用意する。
ワンコ好きのポストマンが笑顔で立っている。
「今日は、この家の配達はありません。実は僕、今月一杯で郵便局をやめるんです」
「今日が最後の配達なので、ワンちゃんに、お別れを言いに来ました」
「出てきてくれますかね」
声を聴きつけて、家の奥から、シャンクスがのそのそと出てまいりました。
後ろからと…お断りして、写真撮影。
「どうか、お願い、郵便局のお兄さん」
「もう少し、僕とお付き合いして欲しいよ」
配達の度に、話しかけてくれたり、頭を撫で撫で…愛情しかないひと時。
「いかないで」…シャンクスが悲しい顔をして呼び止めている…ような気がする。
なんだか、じんわりと、涙腺がゆるんだ。
「プリーズ・ミスター・ポストマン」("Please Mr. Postman") は、アメリカのグループ・マーヴェレッツの楽曲。
1961年に大ヒット。
ビートルズがカバー。カーペンターズもカバー。どちらもヒットした。
待ってよ、郵便局のお兄さん。
ちょっと、郵便鞄の中を見て欲しいの。
お願い、彼からの手紙が、私宛の手紙が…ある筈だから。
私に手紙を届けて。早ければ早いほどいいの。
ミスター・ポストマン。軽やかな曲です。
赤い〒局のバイクが見えなくなるまでお見送りしていたシャンクスでした。
「又、ワンコに会いに来てもいいですか」
「もちろん。もちろんですとも」
変に気合が入りました。