まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

言葉の中身と骨‥続き

2017年11月27日 | 日記
大抵の言葉は相手がいて‥相手に対しての自分の反応で成り立つ。
そしてその反応に呼応する言葉のやりとりで‥成立する。

反応は反応だけで‥意味はない。

その事に意味があると思い、もしくは意味を求めるのは人生が退屈だからか、まともに会話をしたことがないからだ。

大抵の人間は真正の会話に縁がない。
両親に教養と愛情が備わっているのは何割か‥子供の成長に応じて子供の内実を高める会話が出来ている親はいるが、稀有である。
あるのは力関係の中の会話だけだ。

自分の言葉で話をしている人は滅多にいない。

“因果”や“自分の過去の解決できない怒り”もっと言えば日常を壊さない為の相槌や社交が会話(言葉)でもある。

“今(現在)”ではなく‥人間関係の中の長いしがらみと軋みの中で発せられ生まれる言葉、自分の今(現在)その時の言葉なのだ。

言葉だけでなく、その言葉の出所、その匂い、声音、表情。

適合、競合、類比、共感、指示、分節化、指示作用、転移(言葉自体が持つもどかしさと変移) ‥フーコーの『言葉と物』を読み込む能力がなくとも‥

その事を切(せつ)に感じる。

自分が言葉に足を取られ、手を縛られている‥その上脳に痺れをかけている事も痛切に感じる。
相手に対して気合いが入らない。

嘘は言わないまでも(自分を嫌いにならない為)、その場を凌ぐ為の無表情を作る。
関係のない事で相手を笑わせる。
本質に迫らないし‥迫れない。
相手が権威の上で言葉を使っている場合は特にだ。
権威の意味が理解できていない者、既得権に胡坐をかいている者は哀しいまでに鈍い。
胡坐をかく為の努力はしていて(誇りをすてて金のある身内に低頭するのみの努力)‥その事を省(かえり)みない。
誇りは埃ほどに軽い。

Nの絵

本当の事が言えない‥冴えない鈍い相手。
(私と家族)を馬鹿にしてその上利用しているのだが‥その自覚がない。

情が湧かないし愛情が持てない相手。
嘘はつきたくない。

だから‥絵を描いたり、音楽を聞いたり、ドラマを観たり映画をみたりでやり過ごすのだ。
中身も骨もない言葉を聴くとこちらの精神が痩せていく。

嘘をつかない‥と決めたら‥心筋梗塞でチョモランマに登るが如く‥しんどい。

嘘をつかないとなると‥言葉が続かず‥趣味の話しかない。

趣味の話が対等にできる相手は‥そもそも嘘などつかなくてもいい相手だ。

同じ趣味や思考で喧喧諤諤の相手に嘘など必要ない。
「毎日来てや」と言う相手は遠くて、近隣はご挨拶が関の山。

誠に世の中は面倒にできている。

『全ての存在には、存在しつづけようとする傾向がある』“スピノザ”

無意識に差別をしている人間はそのように存在しつづける。
永遠に差別を続けていく。

その言葉は子供には届かない。
能書きだけで中身のない張りぼての子供の親はその事に気づかない。

自分の言葉に骨がないからだ。

ため息が漏れる。

夕暮れの空は冷たく重い。

私と相手(払えば落ちる埃ならある相手)との距離のようだ。

みぞれが降りはじめた。



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言葉の中身と骨

2017年11月03日 | 日記
此処の所 身体を動かしている。

自分の日課で身体の為に運動をするのではなく、余儀なく動かしている。
仕事とはそういう物だ。
余儀なく(専門以外に身につけた技又は芸)であるが‥専門があるかと言われれば困る。

身体だけでなく、脳みそも使う。

饐(す)えて黴臭い脳でも使いまわす。

身体よりも脳が堪(こた)える。

「近頃の若者は想像力が足りないんです。哀しい事ですよ」

30代の若様が言う。

生まれた場所が“お寺”だった為に…住職で‥若様である。

のべつ…高説を垂れ流す。

そのうち唐突にバイロンを語り始める。

‥滔々とである。
(バイロンは美男子でカリスマがあった)

周りの檀家《婆さんが殆どで爺さんはいない》寺の行事の為のお手伝いであるから女衆の手がいる。

婆さん達…私も含めてだが、若様の言葉なぞ聞いていない。

廊下の吹き掃除…仏具磨き…仏壇の乾拭き。

必死のパッチで身体を動かす。

バイロンもナイロンも木綿の雑巾もあったものではない。

住職は高みから下知をくだす。

真にシュール。

高みの下知は、下々にとって“ノイズ”雑音でしかない。
言葉に骨がない。
若様の幼少期から付き合ってきている熟練の檀家衆である。

彼の行状を山もっこりと知り尽くしている。

“若”はバイロンの頽廃と放埓、そしてスキャンダルだけをあげつらう。

バイロンが当時の時代の偽善と偏見を‥彼の言葉で嘲罵した事については触れない。



心は脂汗だったが(馬鹿な言葉に情がわく)‥身体は汗をかいた。

廊下掃除は全身を使う。

夕焼けの空。
骨のきしむ音がする。
ギチ ギチ グキキ

バイロンの恋人(何人目かは?)が身を投げたのは、ベニスの運河だった事を思い出した。

今日も暮れていく。

冬がそばに来ている。


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