カリフォルニアに住む夫の姉が、久しぶりに電話をかけてきた。
看護士をしている彼女は、優しくて思いやり深い人。
義母に似て心配性でもある。
私はこの義姉がとても好き。
総合病院の産科に以前は勤めていた。
新しく命が生まれるところ。
さぞや希望あふれる職場だろうと思っていたら、ある時もういやになってやめたと言った。
若いシングルマザーでまったく赤ん坊に関心がなく、生んだまま放ったらかしでお乳もあげようとしない人とか、
ドラッグ中毒の女性は、妊娠中でもクスリから抜けられず、その上その毒素が抜けていないのに授乳しようとするとか。
この赤ちゃんたちはどうやって生きていくのだろう。
とても安心しては病院から送り出せない母子を、大勢見たと言う。
彼女が守ってあげられるのは退院するまでのほんの数日間でしかない。
「それが私にはつらくて耐えられなかったの」
それから義姉はガン病棟に移った。
「生まれるところと、死ぬところ、まったく反対の仕事場だね。人が死んでいくのを見る方がつらくはないの?」
と私が聞いた時、彼女はこう言った。
「それがね、みんな自分の余命が短いと知ると、残された人生を精一杯生きようと輝きだすのよ。こっちがパワーをもらうの。
以前担当した年配の女性はね、最後まで明るくて、いつもお化粧をしてしゃんとして、素晴らしかった」
私とひとしきり話した後、今度は夫と、また30分くらいおしゃべり。
姉が今付き合っている彼とのこと話したり、
相変わらずタバコをやめない弟に、喫煙がどれだけ体に悪いかをこんこんと教えようとしたり。
夫のことを心配する彼女はいつも優しいお姉さんで、彼女と話す夫はいつもやんちゃな弟だ。
「ちっともこっちから連絡しないでごめんよ。でもだからって、ボクがタニヤ(姉の名前)のこと毎日想ってないってことじゃないんだよ」
私にももし弟がいたら、こういうふうに言ってもらいたいなあと思いながら、楽しそうな夫の声を聞いていた。
看護士をしている彼女は、優しくて思いやり深い人。
義母に似て心配性でもある。
私はこの義姉がとても好き。
総合病院の産科に以前は勤めていた。
新しく命が生まれるところ。
さぞや希望あふれる職場だろうと思っていたら、ある時もういやになってやめたと言った。
若いシングルマザーでまったく赤ん坊に関心がなく、生んだまま放ったらかしでお乳もあげようとしない人とか、
ドラッグ中毒の女性は、妊娠中でもクスリから抜けられず、その上その毒素が抜けていないのに授乳しようとするとか。
この赤ちゃんたちはどうやって生きていくのだろう。
とても安心しては病院から送り出せない母子を、大勢見たと言う。
彼女が守ってあげられるのは退院するまでのほんの数日間でしかない。
「それが私にはつらくて耐えられなかったの」
それから義姉はガン病棟に移った。
「生まれるところと、死ぬところ、まったく反対の仕事場だね。人が死んでいくのを見る方がつらくはないの?」
と私が聞いた時、彼女はこう言った。
「それがね、みんな自分の余命が短いと知ると、残された人生を精一杯生きようと輝きだすのよ。こっちがパワーをもらうの。
以前担当した年配の女性はね、最後まで明るくて、いつもお化粧をしてしゃんとして、素晴らしかった」
私とひとしきり話した後、今度は夫と、また30分くらいおしゃべり。
姉が今付き合っている彼とのこと話したり、
相変わらずタバコをやめない弟に、喫煙がどれだけ体に悪いかをこんこんと教えようとしたり。
夫のことを心配する彼女はいつも優しいお姉さんで、彼女と話す夫はいつもやんちゃな弟だ。
「ちっともこっちから連絡しないでごめんよ。でもだからって、ボクがタニヤ(姉の名前)のこと毎日想ってないってことじゃないんだよ」
私にももし弟がいたら、こういうふうに言ってもらいたいなあと思いながら、楽しそうな夫の声を聞いていた。