Tokyo Walker

諸事探訪

C.C Auto Petri 55mmF1.4

2021年10月29日 22時55分14秒 | カメラ

 2021/10/28、比較的暖かい秋の午後、久々に散歩に出掛けた。今日の相棒は「C.C Auto Petri 55mmF1.4」。しばらくメンテナンスしていたが、やっと完成したので様子見といったところ。


 最初に近所の柿の木だが、今年も結構実が付いた。隣に大きな木もあるのだが、そちらは不作でほとんど実が付いていない。豊作不作の変化が激しい。誰も取らず、このまま鳥の餌になるのだが。
 ちょっと四隅が暗いようだがHoodの影響だろうか。確かに晴れてはいたがこのBlueは独特だ。これを「Petri Blue」と称する方も居る。柿のシブ色もしっかり出ている。


 林の中で木漏れ日を撮ってみた。光源の周囲には虹色のフレアが立つようだ。もっと派手なフレアが立つかと思ったが、それ程でもなく拍子抜けした。以外にも堅実なレンズである。

 
 午後も三時近くになると、陽もだいぶ傾いてこんな感じになる。秋を先取りしたように色付いた木があった。しかし、(写真には撮らなかったが)近くに桜の木があって、何を思ったか花が咲いていた。桜は春に咲くものと思っているが、今頃咲いてしまうとサクランボはどうなるのだろうと要らぬ心配をしてしまう。


 晩秋ともなれば、やはり椿の出番か。ツボミもたくさん付いて、これから本格的に咲き始めるらしい。立ち居で手持ちの撮影だが、近接ではなかなか難しい。ピントは花に合わせたはずが、すっかり外れて手前のツボミに合ってしまった。しかし、花の色合いはなかなか素晴らしいものがある。


 故意にピントをずらして、木漏れ日を撮る。少し絞ると絞り羽根の六角が出現する。


 絞り開放にすると丸ボケになる。もっと激しい二線ボケが出るかと思ったがそれ程でもない。


 いつもの撮影スポットだが、葉は赤というより黄緑から濃いオレンジ色に変わるところ、これが一週間もすると真っ赤になるのだから面白い。


 このハーモニックな彩りは何とも言えない。本当に初秋を思わせる一枚である。

 翌日は久々の晴天、雲一つない秋晴れ、紺碧の高い空になった。
Petri Blueが気になって再度挑戦してみた。太陽は右手上、レンズの向きの角度は45度くらい。(下側に地表がある)このとき、Hoodの有無、開放と一段絞った(F2~2.8)ところで撮影してみた。
 

Focusは無限遠、Hood有りで開放。


 同じくFocusは無限遠、Hood無しで開放。

 ということで、どうやら画面の左右の上角が陰るのはレンズそのものが原因で、Hoodの有無が原因では無かった。この現象は無限遠でも近接でも変わらない。原因は不明だがちょっと個性的な性質である。


 そして、一段(F2~2.8)絞れば完璧な「Petri Blue」があった。開放と絞った時の違いがこれ程顕著なレンズは見たことが無い。

Body  α7Ⅱ/SONY
Lens   C.C Auto Petri 55mmF1.4/Petri
Mount Adapter  Petri--NEX/自作
Filter  無し
Hood   φ55mm(F1.4用)/Minolta


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

EE Auto C.C Petri 55mmF1.7

2021年10月11日 18時14分34秒 | カメラ

 10月10日(曇天)、午後遅く散歩に出掛けた。写真を撮るには遅すぎる時間帯だが、この時期適当な被写体も少ないので気にしない。今日は先日Maintenanceしたばかりの、「EE Auto C.C Petri 55mmF1.7」を持ち出した。勿論、Mount Adapterは自作のSpecial Partsだ。


 最初に、リンドウか何かの野草?、印象的なムラサキを撮ってみた。花が小さいのでかなり寄った近接撮影だが、落ち着いた発色は悪くないと思う。反射光源は比較的輪郭のはっきりした丸ボケが出来るらしい。


 野生のアザミだろうか、薄ムラサキの発色も悪くない。解像度もしっかりしている。近景の前ボケは柔らかいが、遠景はちょっとゴタつく。


 その典型がこれだ。何の花か実かは判らないが、この被写体の背景はかなりゴタついていて「滑らかに溶けるようにボケる」とは言えない。ちょっと煩わしいくらいなのだが、他のレンズでもこのような現象を見掛けたことがある。一段絞れば解消するようだが、歪率が大きいのか、収差が大きいのか原因は判らない。いろいろなレンズを試してみたが、開放時の被写体の前後両方の背景が「溶けるように」ボケるというのは結構難しいのかもしれない。

 
 例によって、初秋のススキ。


 ハギのトンネル。花の季節はとうに過ぎ去ったようだ。
一段絞ったと思うが、奥の緑がとても良い具合にボケている。


 残り少ないハギの花。



 咲き終わった大賀ハス、遠景のボケ具合は良し。さすがに古代ハス、よく見ると葉の大きさと言い、タネといい、なかなか気色悪いものだ。流石に恐竜が出てくるとまでは思わないが。

 ここまで撮ってみて「EE Auto C.C Petri 55mmF1.7」は何の変哲も無い、極めて真面目で当たり前のレンズだった。巷では「安モノ」の評価だが、高級レンズとどこが違うのか判らない。
1907年「栗林製作所」から創業し、1977年「ペトリカメラ」で倒産するまでのメーカーだが、経営戦力はともかく、モノは決して悪くない。
グリス交換のために分解清掃したのだが、作りも別段悪くなかった。この次は、晴天で撮ってみたい。改めて赤、黄色などの発色を是非見てみたいと思う。

Body  α7Ⅱ/SONY
Lens   EE Auto C.C Petri 55mmF1.7/Petri
Mount Adapter  Petri--NEX/自作
Filter  φ52mm MC UV(SL39)/KENKO
Hood  E-6575(φ52mmラバーHood)/ETSUMI



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

M42 Mountピン押しFlangeの有無

2021年10月09日 13時22分10秒 | カメラ

 M42-NEX Mount Adapterには「ピン押しFlange有り」と「ピン押しFlange無し」の二種類がある。どちらを使用するかは、レンズ側の構造によって選択する必要があるのだが、それはいったい何が問題になっているのだろうか。ノギスで測定しながら、LensとMountの関係を作図してみた。

 つまりは、レンズのControl Pingの可動範囲に広いものと狭いものがあり、ピンの押し込みが1.9mm以上確保できないものは、その分M42接続面に隙間が生じることになる。隙間が出来ると無限遠点が取れなくなる。M42を無理に締めるとレンズのMount内部を破損するか、ピンが変形するか、Mountにキズが付くか、何かしら問題が起きるということになる。M42接続面からFlangeまでの深さ6.1mm以下にピンが押し込み出来ないLensは「Flange無し」を使用する必要があるのである。

 Mount Adapterの「ピン押しFlange無し」は両方のレンズで使用できるが、「ピン押しFlange有り」は「YASHICA Auto YASHINON 5cmF2」や「YASHICA Auto YASHINON-DX 50mmF1.4」では使用できない。「ピン押しFlange」が有ると、Control Pingが常に押された状態になるが、それが問題なのではなく、押し込んだ時の残りのピンの長さが問題で、2mm残る(突出する)とこれがつかえてM42のネジ部が完全に締まらない。このようなレンズは「ピン押しFlange無し」のMount Adapterを使用しなければならない。2mmが1.6mmであれば収まるのだが、たかだか0.4mmの違いである。

 「ピン押しFlange無し」タイプはControl Pingの長さに関係ないため、こちらがより汎用性が高いのではないかと思うのだが、多くのメーカーが出している一般的なM42 Mount Adapterは「ピン押しFlange有り」である。「ピン押しFlange無し」は、FOTGAのM42 Mount Adapter以外に見掛けない。これは何故なんだろうか?それとも他に理由があるのだろうか?

 因みに手持ちのM42レンズの中で「ピン押しFlange有り」では支障があるというレンズは、
・Auto YASHINON 5cmF2/YASHICA
・Auto YASHINON-DX 50mmF1.4/YASHICA
・Auto-TAKUMAR 55mmF2/PENTAX      等であった。

 「Auto-TAKUMAR 55mmF2」の場合、「押し込んだ時の残りのピンの長さ」に問題はないが、Flangeの縁にピンが僅かに接触して押し込みが不完全になり、絞り羽根の開閉が不安定になってしまう。

 「押し込んだ時の残りのピンの長さ」0.4mmの違いは、ちょっと見た目では判らない。ここはやはり、M42 Adapter「ピン押しFlange有り」を使って、使用するレンズのM42接続面に隙間が出来るかどうか、絞り操作に異常がないかを確認するというのがM42 Old Lens愛好家の作法であろう。

基準にしたM42-NEX Adapter
・M42-NEX Adapter(Flange有り)/K&F Concept
・M42-NEX Adapter(Flange無し)/FOTGA



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Auto YASHINON-DX 50mmF1.4

2021年10月07日 11時18分17秒 | カメラ

 10月6日、真夏に比べると暑さも少しは和らいだが、日中は残暑厳しい。柿の木の葉は既に落ちて、実が色づき始めた。この時期に開花する山野草は少ないが、それでも何かあるだろうと出掛けてみた。

今日は「YASHICA Auto YASHINON-DX 50mmF1.4」に登場願った。2ヵ月ほど前にRestoreを終えてから初めての登場になる。Top Lensに結構拭きキズがあり、見ると気になるので見ないようにして使うことにする。キズは無いに越したことはないが、まあ浅いキズであれば画像に与える影響は少ないだろう。と、いうことで自らを納得させて。


 これはリンドウだろうか。濃いムラサキの色が印象的。野生化したような小さな花だが、この時期珍しい。前後の近接ボケはやわらかく溶けているがどうだろうか。寄って撮ったのとF1.4ということでピント面がかなり狭く、前後のボケは強烈だ。


 これは野草ではなく、どなたかが植えたもの。赤い色が印象的だったので撮ってみた。そもそも、このレンズは発色の良さが売り。こんな写真を見ると、思わず納得してしまう。解像した赤も前後の溶けるようにボケた赤も素晴らしい。


 これはアザミの仲間だろうか。薄ムラサキをかなり寄って撮ってみた。他の画像もそうだが、ピント面の解像度が非常に高いことに驚く。これがあの「トミオカ」か、と。

(一部拡大画像)


 アシに似ているがちょっと違う。秋の日差しでいぶし銀に輝いていた。


 言わずと知れたススキ。未だ穂が出たばかりの間もないらしい。暑くても、ススキが風にそよぐ様子はやはり秋が近いことを思わせる。日差しも何となく茜色のような気がしてくる。

 何度か、撮影中にAuto/Manual Mode SWがAuto側に動いてしまい、絞り環をいくら回しても変化しないということがあった。SWの場所が悪く、丁度絞り環を調整したとき指が当たる。更にSWのトルクが軽く、クリックも無いので、切り替わった感じがしない。それで、意図せずに切り替わってしまう。まあ、注意すればいいことだけど。

 直近の背景ボケはちょっとゴワゴワするけれど、遠景ボケは滑らかで素晴らしい。今まで使ってきたレンズの多くは、遠景の背景ボケがゴロゴロした感じで、煩わしくなるものが多々あった。一般的にレンズはそうしたものかと思っていたが、(このレンズで)そうではないことが判ったが、同時に「何処も彼処も滑らかに」とはいかないものだということも。

 夫々の色は力強く、それでいてしっとりとした落ち着いた色合い、そして解像度の高さ、この辺が「YASHICA Auto YASHINON-DX 50mmF1.4」の魅力だろう。あれこれ使って、どのレンズもよく写るのだけれど、それだけに「個性」的なレンズの1つに数えることが出来る一本ではないだろうか。

・・・Front Lensの拭きキズの事などすっかり忘れていた。

Body  α7Ⅱ/SONY
Lens   Auto YASHINON-DX 50mmF1.4/YASHICA
Mount Adapter  M42-NEX(ピン押しFlangeなし)/FOTGA
Filter  なし
Hood  φ55mm(F1.4用)/Minolta


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋桜

2021年10月04日 16時27分28秒 | カメラ

 10月1日の台風一過、秋桜は風に押し倒されクシャクシャになったが、その後何とか起き上がり、花は傷つき、枝は折れても最後の力を振り絞って開花している。曇天で風が吹く時折陽が射す明暗変化の激しい中、今回はPENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR 50mmF1.4で撮ってみた。
40年ほど前に作られた、ちょっと黄変のNo.6129974とNo.4800405のニコイチ品だが、その写りには何の問題もない。(Restore詳細は「20200421 「名前に惚れる」」で記載)


 ピントの合っている所はあくまでも鋭く解像し、前後背景は優しく溶けるようにボケる。大方のレンズがそうでるように、寄って撮る方が発色の豊かさを感じるものだが、その点TAKUMARはコッテリ系とは少し違う。発色も嫌味のないあっさり系の、それでいて暖か味を感じる色合いだ。か、と言って目の覚めるような鮮やかさは少しも損なわれていない。



派手さ、艶やかさは控えめで、あくまでも素朴な風合いが持ち味。オレンジ色も負けてはいない。



 絞りは開放に近く、ちょっと明るめにして撮影。TAKUMARレンズの象徴的な写真が撮れた。溶け気味の背景が実に心地よく秋桜に似合っている。色合いはあくまでも優しい。



背後に低木の垣根があるために、台風の風も少しは和らいだようで、ここの秋桜はあまり押し倒されることはなかったようだ。初秋を楽しむかのように咲き誇っていた。

Body  SONY α7Ⅱ
Lens   PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR 50mmF1.4
Mount Adapter  M42-NEX/K&F Concept
Filter  Skylight(φ49mm)/PENTAX
Hood  なし



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする