Tokyo Walker

諸事探訪

RE.Auto-TOPCOR 5.8cmF1.8

2021年07月08日 16時13分45秒 | カメラ

 TOPCONの50mmF2、53mmF2はよく見掛けるが、58mmF1.4、F1.8はちょっと珍しい。レンズ目当てなのだが、何故かBodyと一式の方がお安い。2020/11/16、RE-2(レンズRE.Auto-TOPCOR 5.8cmF1.8付き)を5,100円で落札した。Bodyは意外に健全で、スレは多少あるが凹みも皆無で大事にされてきたものらしい。Film室も比較的きれいで、縦走りシャッター幕も大事なし。ファインダーは通常カビ、ゴミで汚れているのが大方だが、気になる汚れなど無く、このまま使用可能なレベルだった。電池室(H-D/1.33V)も液漏れもなく綺麗で、内臓露出計も動作する可能性が高い。予備角なしのFilm巻き上げ。セルフタイマーは、動作中はシャッター開放となる仕組み、つまり長時間露光用タイマーであって、通常のリモートではない。しかし、さすがに遮光モルトは完全に劣化崩壊しており、レンズを外してBodyのMountを下に向けると、砕けた黒いモルト片がポロポロと落ちてきた。実使用の予定はないが、使う際にはここだけは是非直したい。

 肝心のレンズは、絞り羽根は問題なし。Rearはキズ、汚れ、カビなし。しかしFrontレンズは浅い線キズが何本もある。Filterが付いていたので美品を期待していたのだが、内部にゴミ、汚れ、カビが無いだけに実に残念だ。外装は経年のクスミは多少感じられるが、凹み、打痕、キズもなくかなりの美品だと思う。Focus環ヘリコイドも滑らかな動きで軽く清掃してこのまま使用可能という代物だった。

 何故TOPCONレンズなのかというと、とにかく「カッコイイ」のである。
それが第一印象で、写りは二の次だった。この世界では同時期のF1.4の方が有名で、何かに付けて比較対象の基準となっているレンズらしい。オークションでもかなり高額で取引されている。それに比べてF1.8の方は比較的お安く入手できる。問題は美品がなかなか見つからないことかもしれない。

 RE.Auto TOPCOR 5.8cmF1.8の描写評価は、非常に解像力が高く優秀なレンズだということで定評がある。諧調が豊かなのはこのレンズの大きな特徴らしい。TOPCORらしく、階調再現を重視した設計のレンズの写りを思わせる。ピント面は非常に繊細でありながら、とろけるようなボケへと誘われる様は非常に魅力的らしい。これが長らく支持されてきた理由である。

 ただ、開放ボケはあまりきれいな方ではないらしい。若干二線ボケ傾向があり、せっかく絞りを開け気味にしても、背景によってはかえって煩わしい感を与えることがある。色特性は冷色系になるが、青空が時として少々くすんだような雰囲気で写ることもある。ヌケの良いクリアな描写というものではないが、これはフィルムによってかなり左右されるものの、条件が合えばとても鮮やかなネガを得ることができるらしい。基本的には素朴な色合いであり、発色は地味目ということである。

 Mountのこと
 RE.Auto TOPCORはExakta Mountである。これに世界初のTTL機構を組み込んだもので、TOPCONでは「RE Mount」と言っている。後発のUV TOPCORでは既にMount形状が変更されているから、Exakta Mountはこの時期だけのものということになる。
Exakta Mountの変換Adaptorは各社から出ているが、Exakta特有のロックレバーが付いていても、中にはTOPCONの「TTL機構」に配慮が無いためにキッチリ着装出来ないものもあるらしい。

TOPCONのRE Mount
 
           Lens end                       Body side

RE/NEX変換Adaptor
 小道具であるはずのMount Adaptorの方がお高いじゃないかと思うのだが、ともかくレンズの安全を考慮して、高級品のお高いRayqual製を選択した。ここまで来たからには、いずれF1.4も入手することになってしまうのだろうか。とにかくレンズ沼は恐ろしい。

RE/Rear Cap
 Netで探しに探したが、RE レンズMountの後レンズ・キャップが見つからない。そもそもExakta用が無い。レンズの多くはCamera Bodyとセット販売であったためかもしれない。そこで時々見掛けるのが「ノンブランド37mm カブセキャップ ¥300円/喜久屋カメラ」である。
用途として「Exakta Mount LensのRear Capとして使用可能」とある。中には使用出来ないものもあるとのことだが、Comment欄にはTOPCON REに使った実績が複数あった。誰が考えたか代用品のようなものである。ただのカバーで、ロックは効かないが、「無いよりマシ」のレベルであった。ペットボトルの蓋を300円で買うようなものだね。

保護Filter
 入手したREレンズはFilter取り付け枠が「白」なので、それに倣ってKenkoのMC Protector φ49mm(梨地の銀色)/¥984円を採用した。違和感なし。レンズに似合って実にカッコイイ。