Tokyo Walker

諸事探訪

Auto MIRANDA 50mmF1.4

2022年04月26日 14時21分08秒 | カメラ

 ちょっと晴れ間があったので、先日整備したばかりのAuto MIRANDA 50mmF1.4 を持ち出してみた。周囲は春爛漫です。花の名前は失念しました。前景、背景を見ると、前景は優しくふわりとボケますが、背景は収差が大きいのか、二線ボケになる傾向があるようです。


 庭の「タイム」です。年々広がって、本物のグランド・カバーになりました。この時期一面に薄紫の花が咲き、敷き詰められます。この写真の前景、背景でも前景は優しくふわりとボケていますが、背景はちょっとグズグズになっています。


 次の写真のように、もう少し寄って撮ると目立たなくなるようです。
そこらの道端で咲いている野菊の類です。見ていると、一年に2~3回は咲くようです。


 これは「シバザクラ」でしょうか。
 

 この時期特有の爽やかで新鮮な緑です。「青もみじ」でしょうか、暖かくなって今年の若葉が出揃いました。空気も澄んでいるような気がします。この写真で顕著なのは周囲がちょっと暗いこと。ほぼすべての写真は絞り開放で撮っていますが、特にこのような状況では四隅の「光量落ち」が目立ちます。


 明るい緑がとても印象的ですが、トンネル効果という奴でしょうか、遠近感が強調されます。


 公園内には「シャクナゲ」が数本あることは承知していましたが、その花を写真にするのは初めてです。

 今まで、咲いている所をまともに見たことはありませんでした。大抵は咲き終わっており、それがどんなにゴージャスであったか、片鱗も伺えないような頃ばかりだったように思います。今回は、幸運にも、満開の「シャクナゲ」を見ることが出来ました。

 しかし、今回改めてジックリ見ると、なかなかド派手で豪華、大柄な花なんですね。ピント面はしっかりしております。発色に派手さはあまり感じられませんが、とても自然な色合いです。


 「シャクナゲ」の隣の「ツツジ」も咲き誇っておりました。一点豪華では「シャクナゲ」に叶いませんので数で勝負という状態です。全く負けてはおりません。

 今までいろいろなレンズを試してみましたが、こうして見ると、どれも良く撮れます。「欠陥」的な写りをするものには一度もお目に掛ったことがありません。写真に影響するのはレンズの性能よりも、その場のコンディションの方が甚大です。そして、今どきのデジカメではシャッター速度や感度には余裕がありますので、「絞り」をどの程度に設定するかが大きな要素を占めるように思います。「絞り」によって発色やハレーションも大きく左右されますから、レンズの性質(性格)を知った上で、効果的な写真を撮る、というのが「クラッシック・レンズ」の使い方なのだと思います。

Body   α7Ⅱ/SONY
Lens    Auto MIRANDA 50mmF1.4/MIRANDA
Mount Adapter PRO Miranda-SONY E/FOTODIOX
Filter   L39(UV)/Toshiba
Hood    HS-9/Nikon

 

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Auto MIRANDA 50mmF1.4

2022年04月21日 15時41分16秒 | カメラ

 昨年6月、MIRANDAの50mmF1.4を見掛けて、外観のキズも無いようなので入手した。値段はそこそこで高くもないが安くもない。レンズの状態は写真では判別し難く商品説明に頼るほかない。
 入手してみたら、外観には小傷はあるが、致命的なものは無い。絞り羽根に多少の油分浸み、レンズにカビは無いようだが周囲から油分が浸み出しているという代物だった。その他ホコリ、汚れ多数。

 ゲンナリして、しばらく放置していたが、Mount Adapterを入手したこともあり、手入れをすることにした。先ず、入手したMount Adapterを使ってFlange backを確認してみる。
 光路長で1mmほどOver infinity状態だった。1mmというのは非常に大きい値である。多くのレンズをこじ開けた経験からすると、通常は精々0.1mm程度なのだが、Netの情報によればどうやらこの原因はMount Adapterの作りにあるらしい。Over infinity取り過ぎ、もしくは余裕取り過ぎである。
これが調整可能かどうか(通常なら出来るはず)判らなかったが分解清掃してみることにした。
 至極真っ当な作りで、おかしな「ムリ」はどこにも無かった。
Helicoidのグリスは意外と綺麗で、一度分解している形跡があった。その時のグリス過剰で油分が浸み出した可能性がある。あちこちにグリスが付着していた。絞り羽根も取り出して、エタノールで清掃、周囲のグリス付着も清掃した。レンズの油分浸み出しも綺麗に取れて美しくなった。キズとカビが無かったのが幸いだった。

 無限遠点の調整は、多くのレンズと同じでFocus環を仮止めして、カメラに装着して実機で無限遠点を取る。それを動かさないようにFocus環だけを緩めて、環の無限遠点(∞)に合わせてから固定すればよい。Over infinityの1mm調整は実に簡単だった。本来Mount Adapterを修正すべきかもしれないが、何分レンズはこの1本しかないので、どちらで調整しても良いと思う。

 MIRANDA CAMERAは1948年設立の「オリオン精機産業(有)」が前身で、1955年「オリオンカメラ株式会社」に社名変更し、更に1957年「MIRANDA CAMERA株式会社」に社名変更した。1974年12月、資金調達が出来なくなり倒産に至る。カメラメーカーとしては凡そ20年に満たない寿命だった。資金調達の困難や技術革新の遅れ、販売促進不振等いろいろ問題はあったかもしれないが、あまりにも短命であったように思う。

 Auto MIRANDA 50mmF1.4には前期型、後期型があり、前期型は6群8枚、後期型は5群7枚のレンズ構成である。絞り操作環のデザインも少し異なっている。製造番号には先頭2桁が「13~」「25~」「67~」の三種類があり、レンズの供給元を示すとも言われている。入手したのは「1375654」で後期型5群7枚のレンズであった。MIRANDAは自社製も含めてあちこちからレンズを調達しており、実際どこで作られたものか定かではない。

 周辺減光が激しいようで、これを回避するにはF8まで絞る必要があるとのこと。ただ、周辺減光をトンネル効果としてうまく利用する手はあるだろう。他社のレンズと比較しても、F1.4という割にトップレンズの直径がちょっと小さいように思う。しかし、その分補うわけでもないだろうが、リヤレンズはやたらと大きい。リヤレンズの大きさで言えばニコンも相当な大きさなのを思い出してNIKKOR-S Auto 50mmF1.4と比較してみたら、何と同じφ35mmだった。フロントのトップレンズが比較的小さいのも同じだった。リヤレンズユニットの作りといい5群7枚のレンズ構成といい、その形といいやたら似ているのである。レンズはニコンが供給した?なんてことはないと思うが、もしかしたらレンズに互換性があるのかもしれないと思えるくらい、これはちょっと意外だった。

 見掛けはやたらゴツくてデカいレンズだけれど、写りの特徴は、全体にフワリとした雰囲気の描写が持ち味、特に低照度での描写がすばらしい、という評価を得ている。つまりエッジが立ったバリバリの硬い写真ではなく、比較的花やポートレートに向いたレンズなのかもしれない。前ボケ、後ろボケ、フレアの出具合、発色、ピント面の解像度など思いは尽きない。

整備完了の「Auto MIRANDA 50mmF1.4(後期)」とAdapter。


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春よ来い(シデコブシ、サクラ)

2022年04月06日 12時00分24秒 | カメラ

 このところ急に気温が上がり、三月二十日我が家の「シデコブシ」が開花しました。おもわず「AutoTAKUMAR 55mmF2」を持ち出し、撮ってみました。

掃除用具の「ハタキ」のような花ですが、大方は蕾のうちに鳥に食われています。餌が少ない冬の時期ですから、春の花芽は久々の旨い食事なのかもしれません。背景の電柱や電線が邪魔、どうにも避けられないのが残念です。


 一転、寒の戻りで三月二十二日には雪がチラつきました。一旦咲いてしまった花は引っ込みがつきません。「シデコブシ」が散る頃(三月二十五日)、今度は桜の開花です。天気が悪く、曇り、雨の日が続きます。四月五日、晴天とはいきませんが、久々に空が明るくなりました。

桜は半分散ってしまったようですが、それでも全盛の最後の勢いが残っています。数年前、強剪定されたサクラですが、大夫回復した様子です。



F2.8くらいで撮りましたので、「にじんだような、水彩画で描いたようなボケ」が残ります。ピントが合ったところのシャープさは勿論ですが、「このレンズ特有の優しい、暖かさを感じる描写」が解るでしょうか。

 これからしばらく花の季節です。水仙、チューリップ、スズラン、クレマチス、サクラソウ、ツツジ、ハナミズキ、フジ、バラ・・・。自然の造形と神秘的な色合い、グラデーションが魅了します。

Body   α7Ⅱ/SONY
Lens    Auto TAKUMAR 55mmF2/PENTAX
Mount Adapter M42/MEX(Ping押しFlange無し)/FOTGA
Filter   無し
Hood    無し




 

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