Tokyo Walker

諸事探訪

シャープ

2020年03月26日 17時54分36秒 | カメラ

(AUTO YASHINON 5cmF2 対 Micro-NIKKOR-P Auto 55mmF3.5)

 基本的に写真は虫眼鏡やルーペで見るものではないから、細かい所に云々するのはどうかと思うが、そうはいってもやはり気になる。ほぼ同じような条件で撮った写真がある。どちらも手持ち撮影だが、撮影日は異なる。日差しの具合や雲の有無も異なるだろう。だから、発色、色合いの違いは比較にならないが、ピント、解像度、シャープさ、収差等は比較できる。標準レンズとマクロレンズの比較なので最初から違いは出て来るのだが、改めて見てみるとその違いは成程というものであった。
YASHINONの方は最大に寄って55cmなのだが、Micro-NIKKOR-Pも同じくらいで撮ったと思う。

 YASHINONの方は柔らかい優しい画像で、日差しに輝くような黄色が被写体を見た印象と同じである。Micro-NIKKOR-Pの方は、日差しに輝くというよりも金細工の造花のような硬い印象である。被写体を見た時はこれほど硬い印象は無かったが。14inchモニターで見て、拡大してみるとシャープさが異なる。Micro-NIKKOR-Pは「どこまでもシャープに」というのが売りで、現役のレンズなのだが、それに比べてYASHINONは70年近く前のレンズであることを考えれば立派という外はない。
 ソフトな優しい印象が好きか、シャープネスを効かせたような硬い印象が好きか、というのは好みの問題であるが、この辺にレンズの傾向、或いは性質が顕著に表れているように思う。植物の学術的な記録としての写真ではなく、あくまでも「印象」重視で撮影したものと考えれば、いずれのレンズも甲乙付け難い。


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シデコブシ開花

2020年03月15日 11時24分27秒 | カメラ

 2020/03/12、昨日はまだツボミだったのに、パカッとシデコブシの花が咲き出した。
 2020/03/13、もう満開である。上の方は毎年鳥がやってきて、つぼみの内に食べてしまう。随分美味しいらしい。だから、本当はもっとにぎやかな開花になるのだが、いつもながら、虎刈りみたいなおかしな格好になっているのが残念だ。




AUTO YASHINON 5cmF2

 それでも、端の方に鳥が食べ残したものがある。シデコブシはコブシの仲間に違いないが、「木」の種類としてはとても古く、コブシの先祖に相当するらしい。その花の格好はコブシというより、ほとんど掃除用具のハタキに似ている。紺碧の空にハタキのような花がヒラヒラと風に揺れるさまは、何だか春らしい微笑ましさがある。2020/03/14、一転して真冬並みの寒さがやってきた。午後からはミゾレ模様だが、咲いてしまった花は、今更ツボミに戻れない。ここは我慢の一時だ。



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カフェ・風見鶏

2020年03月13日 22時18分38秒 | カメラ

 5年程前だろうか、丁度今頃だったと思う。たまには違う所を散歩しようと、古い住宅街を入って岡の方に向かって緩やかに登る。すぐに高みに出て、なだらかな尾根を道なりに歩く。両側は畑や雑木林。そこに菜の花が群生しているところがあった。実は今回もそれが目当てで、今度はカメラを持って出かけたのだが、肝心の菜の花畑は無かった。どうやら、違うものを作付けしたらしい。
ちょっとがっかりして、前回も立ち寄った近くのカフェに行ってみる。
尾根から見ると、カフェの屋根が見えるが、どうも様子が違う。カフェは「風見鶏」と言って、屋根にシンボルの風見鶏があったはずなのに、見当たらない。さては、閉店か?と思いながらも、店の前まで行って見ると、どうやら営業しているらしい。




AUTO YASHINON 5cmF2

 相変わらず隠れ家的で、クラシカルな店の雰囲気は少しも変わってなかった。大方5年もすると徐々に不要なものが増えて、雰囲気も変わってしまうものだが、「風見鶏」のオーナーのセンスは、微塵も揺るがず、頑なに維持されているようだ。菜の花畑が不作だったので、お店の中を(許可なく)撮ってみた。明るい窓と明暗差はかなり大きいはずだが、ディテールはしっかり残して撮れている。
 この雰囲気は、店内がもともとセピアっぽい配色なので、決してレンズのせいではない。それは、椅子のシートの赤の再現性を見るとよく判る。

 いかにも店内の雰囲気にマッチしたゴブレット風グラスのお冷。今日はケーキが売り切れてしまったようで、ブレンドコーヒーだけをお願いした。

 Auto設定といってもシャッター速度はかなり遅い。感度は自動で800位はあったと思うが、手振れはしていないようだ。白磁のカップの雰囲気が妙にリアルだ。これが例の「質感表現能力」というやつか。ゴブレット風グラスも横正面から撮っておけばよかったと反省する。

 


AUTO YASHINON 5cmF2

 マスターに聞いてみた。シンボルの風見鶏があったはずだが、と。
昨年の台風で、根元からポッキリ折れてしまったのだそうで、その後の顛末も詳しく聞いた。風見鶏は輸入物で保険が掛っていたが、修繕する費用がかなり高額になり、何より再度台風で折れた場合は、保証出来ないということで、再建を断念したのだという。温暖化のせいか台風も徐々に強力になっているような気もする。確かに再度折れる心配はあるだろう。
 マスターは、今度は地面に適当なポールを建て、それに風見鶏を取り付けようと考えているらしい。屋根に付けたような見栄えはしないが、無いよりはマシか。何分シンボルだからねぇ。



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AUTO YASHINON 5cmF2

2020年03月12日 18時44分33秒 | カメラ

 Old LensをNetでいろいろ物色していたら、このLensに出会った。何やらクラシカルでカッコいい。Lens横に団子のようなレバーがあるのも、いかにも古めかしい。更にこのLensは「富岡光学の「TOMINON C. 5cmF2」がオリジナルで、化粧リングだけ付け替えてヤシカにOEM Modelとして供給していたもの」というフレーズに引き込まれてしまった。
 何分古いので、美品はなかなか見つからないが、「YASHICA PENTA JAGUAR」というBody付きで落札した。YASHICA PENTA JAGUARは、1961年にヤシカが出したPraktica Screw(= M42)Mountの最初の一眼レフということらしい。
Lensは思った以上に綺麗だった。外装はほぼスレ、キズ無し。ガラスもカビ、キズ、コーティング劣化も極めて少なく、勿論曇りも無い状態。難点は絞り羽根に汚れがあり、絞り環の操作、あるいは例の「開放レバー」の操作で、羽根がスムーズに動いていないこと。これは、「商品説明」で記載があり、落札前から承知していたことだったが。

Name Ringが外れない
 Lensの構造はシンプルで、一見簡単そうに見えた清掃だったが難題が持ち上がった。何とName Ringがどうしても外れない。エタノールを浸してもダメで、遂にCRC556までお出ましになったが、外れない。とうとう諦めて、清掃というほどのことではないが、裏面から絞り羽根の汚れを拭き取るだけで良しとした。勿論、絞り開放にして前Lens Unitの裏面も清掃した。その他分解できるところは全て清掃した。ヘリコイドは問題が無かったのでそのまま使用することにした。
 慎重に組み立てて完成してみると、絞り開閉操作、「開放レバー」の操作等、なかなか調子が良い。たまに、羽根が何か引っ掛るような動作があり、カクンと正常位置に戻るのだが、何とか使用出来ないでもない(但し、いつ絞り羽根が張り付くか判らないのだが)。

絞り羽根の汚れについて
 大方のLensはヘリコイドのグリスが劣化(液化)して直進バー等を伝って絞り機構に回り込み、羽根が汚れる原因になっている。しかし、このLensはヘリコイドの独立性が高く、離れた場所にあり、絞り機構へ回り込む可能性は極めて少ない。では、何故絞り羽根が汚れたのかということだが、構造を見ていると、どうも絞り機構そのものに(開閉の回転をスムーズにするため)注油あるいはグリスを使用していたような気配がある。というのは、羽根を動かすための外側の回転部分はかなり精密で、かつ精度も高いようで、安定した回転動作を保つために注油が必要だったのではなかろうか、という結論に至った。例によってこの回転部分も分解できないのだが、出来るだけ外側から清掃して隙間に極少量のグリスを塗布することにした。

UV Filterのこと
 一緒に付いてきたYASHICAのUV Filterは細かい拭き傷だらけで、使うにはちょっと躊躇うが、このFilterのガラスには「YASHICA」の文字が透かしで入っているというオリジナル品だ。出来るだけ清掃して使用してみることにした。

M42 Mount Adapterのこと
 このLensのMountは、M42である。但し、市販のM42 Mount Adapterの多くは「Pin押しType」というフランジ付きのものが大半である。ところが、このLensのM42は「Pin押し無し」というフランジなしのものでなければならない。例の「開放レバー」で開放にした絞りを所定の絞り位置まで戻す駆動Pinが、フランジで押し切れずに詰まってしまう。従ってM42スクリューも途中で詰まって最後まで締まり切らず、無限遠点も取れないという結果になる。

やっと見つけたのがFOTGAのM42-SONY-Eだった。しかし、送料込み760円という価格に「ホントかよ」と不安が過るものの他に代案もなく、半分諦め気味に到着を待つ。
確かにパッケージ等にカネは掛っていないけれど、何の不都合もない立派なものだった。Lens装着にも問題なし、α7ⅡのBody側もガタツキなくスムーズに装着できた。
基準位置表示が真上に来ないというM42 Mount特有の問題はあるが、六角レンチ(1.27mm)があれば調整可能な機構も備えているので、これまた問題なしということになる。

無限遠点の確認
 いつものように1km離れたビルの屋上に立つ避雷針で無限遠点を確認する。勿論、C2ボタンで12倍にして。若干オーバーインフになっているが、このまま使用することにする。

 このレンズで見えるEVF画像は何故か他のレンズに比べてピントの山がはっきりしており、贔屓無しで、かなりくっきり見えるような気がする。これがかの有名な「富岡レンズの解像度」というやつなのかもしれない。ぼけ味は自然でやわらかく、近接撮影のピント面では高い解像力を示し、「富岡光学」が「さすが」と言われる所以、「被写体の材質感や素材感を写し込む質感表現能力の素晴らしさは特筆モノ」と言われているが、果たして実際どうなのだろう。





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MC ROKKOR-PF 58mmF1.4

2020年03月06日 19時54分20秒 | カメラ

 昨年末、MC ROKKOR-PF 58mmF1.4、SRT101 Body付きで入手した。
レンズ単品ではなかなか適当なものが無く、選択に時間が掛かった。
Rear Lensキャップ無し、Front Lensキャップ、UV Filter/Kenko付。さて、どんなものか。
予想した通り、Filterが付いているのでFront Lensの劣化は少ない。Rear Lensは結構汚れがあるが、なんとか使用できるだろうという目論見のもと、Restoreに掛かる。
Focus環がグリス抜けで軽い。絞り環の動作は正常、羽根も問題なし。
外装も塗装剥がれは少なく、この時代のものとしてはキズも少ない方ではないだろうか。No.5686441(1968年頃の製品(後期)と思われる)

SRT101 BodyもCaseに入れて使っていたようで比較的キズが少ない。
電池室は液漏れ、錆など無し。(露出計の動作は電池が無いため未確認)
Shutterの速度可変はOKで、セルフタイマーや被写界深度確認、LensとのAuto(TTL)連動は正常動作だと思われる。充分使用できる範囲のものだった。(使用の予定は無いが)

Lensの無限遠点は、SRT101でもα7Ⅱでも確認したが、以外にもキッチリ取れていた。
Lensは長年の経過によるホコリや汚れ、周辺に多少カビのようなモノもあるが、清掃可能な範囲だと思われる。MC ROKKOR-PF 55mmF1.7と比較して、確かに一回り大きいのだが、それをあまり感じさせない。55mmF1.7自体が大きめのLensであることが一因かもしれない。
35mm一眼レフ用の“50mm F1.4”レンズが登場したのは1962年。「Nikkor-S Auto 50mm F1.4」が最初の製品。それ以前、F1.4クラスの一眼レフ用大口径標準レンズの焦点距離は50mmより少しだけ長くなっていた。当時の設計技術ではレンズ後群とミラーの接触が避けられず、焦点距離を延ばすことで、この問題を解決していたという。

 かつて焦点距離58mmが35mm版の標準レンズであった時代があった。50mmレンズが圧倒的に多い中で、58mmというのはとても魅力的に思える。画像が歪むというのが好きになれず、今の所、広角はほとんど使用していない。85mmでは画角がかなり狭くなり、風景には適さない。

そんな中で、50mmよりも更に見た目の通りのストレートな画像を撮りたい、と考えれば58mmは最適かもしれない。日本の風景は大陸の風景と違って、とても狭い。そんな状況に合っているような気がする。「眠たい写真」という評価もあるレンズだが、初期から比べて、後期「MC ROKKOR-PF」ではそれなりに改善されているはずで、オールド・レンズとしては申し分ない。

前期の「ふんわり感」の強い描写性を画全体の「マイルド感」に留め、ピント面の先鋭化と収差を改善させたモデル、ということになっているが、比較してもその違いは判別し難い。それでも、前期の「ふんわり感、マイルド感」に比べて「鋭いピント面」を期待する。
そもそもオールド・レンズの場合は、どんな特性でも受け入れる余地がある。それがオールド・レンズの「味」というものだと思うから。

Restore後記
 実施したのはBodyの長年の塵、埃汚れを清掃、Lensの清掃、ヘリコイド・グリスの交換である。
Mount Unitを外すとき、全てのネジ(8本)を外したら、バラバラと短い針金やら鉄球が落ちて来た。慌てずネットで調べると、ありました。以下のSiteを参考にして事なきを得ました。

「駅弁紀行」 URL https://cadillac1958.at.webry.info/
ありがとうございます。

 この短い針金と鉄球(各5個)は、絞り環の操作をスムーズに回すための策らしい。Netで調べている時に、偶然CANON FD 50mmF1.4 SSCに出会ったが、これもMount Unitに同様の仕掛けがあるらしい。別段無くてもストレスは感じないように思うのだが、同種のMC ROKKOR-PF 55mmF1.7にはこんな仕掛けは無かった。もっともMount Unitの構造は異なるのだが。

 Rear Lensの汚れは、粗いものは落ちたが、コーティング劣化した所があり、目立つ。ただ、ガラスの周辺であるため、出来るだけ影響しないように目立つ部分を下側に向けて組み立てた。
(よく考えてみると、上側の方が良かったかも)

 一度完成させて無限遠点を確認したら、2.5mmほどオーバーインフの状態。ちょっと大きかったので、この際キッカリ調整しようと思い、Name Plate、Filter枠とFocus環だけを外して、カメラに付けて無限遠点の微調整を行った。この状態を動かないようにテープ等で止めて、カメラからLensを外し、Focus環とFilter枠、Name Plateを取り付けて完成した。これで無限遠点にしたときのピント確認は不要ということになる。やはりこうあるべきだろう。その他、問題になる所は特になし。こうなると、Rear Lensのコーティング劣化がとても残念だ。

 ファインダーから見ると、ちょっと中望遠になったような雰囲気がある。50mmと比較して僅か5度の違いではあるけれど、ファインダーから見る画角は結構狭い。見るからにコントラストの高い絵が出てきそうな雰囲気だが、果たしてどうだろうか。

 投稿記事が前後しているが、ちなみに、202200229の「仲見世商店街(町田市)」は、このレンズを使用している。手ブレ写真はともかくとして、雰囲気は悪くないと思うのだが。

 

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