Tokyo Walker

諸事探訪

SEKOR C 70mmF2.8 Shutter

2014年11月09日 11時46分13秒 | カメラ

 Mamiya M645用に製作されたレンズの中で、シャッター付きというものが2種類ある。55mmF2.8と70mmF2.8で、今回、縁あって70mmを入手した。「カビ、クモリ付き」という代物であったが、何故かレンズシャッターというものに魅力を感じて入手した。勿論「カビ、クモリ」は対処可能という判断もあってのこと。

 実際に分解してみて、「盛大なカビ」は99%除去出来たが、「クモリ」は手が出せなかった。というのは、原因がバルサムの劣化によるものであったためで、今の手持ち技術、材料ではちょっと無理。近々準備する予定もない。ヘリコイドは少し重いが、レンズがこの状態ではグリス入れ替えもむなしい。ということで、今回はレンズ清掃だけに留めた。レンズ清掃をしたために、貼り合わせ以外のレンズがクリアになり、バルサム劣化の「黄ばみ、円形クモリ、霧状クモリ」が恐ろしく目立つようになってしまった。これは喜んでいいことなのか、悪いことなのか。



(画像でも判るくらい黄ばんでいる)

  組み込みのレンズシャッターは健在で、動作に問題は無いように思われる。
レンズシャッターといっても「シャッター開閉」の「閉」の方だけの機能で、使い方としてはカメラボディ側のシャッター速度設定より常に速くレンズシャッターを設定することで、レンズシャッターを有効にする。カメラボディ側のシャッターボタンに連動しているため、両方が動作する訳で、速く閉じる方を、カメラボディ側にするか、レンズシャッターにするかの選択となる。
 レンズシャッターは1/30から1/500(秒)まで設定可能で、「F」というポイントでは、チャージした状態を維持して、レンズシャッターが連動しない仕組みである。

 大方のM645は経年劣化で低速のシャッター速度が間延びしている(1秒の設定で約2秒になってしまう)。しかし、1/250、1/500くらいの所では間延びもそれ程ではない。実写しても気にならない。しかし、低速のシャッターを使う場合は大いに問題がある。そこで、レンズは限定されるが、レンズシャッターを使えば1/30(秒)までは確実に切れるということだ。試しにレンズ、ボディとも1/30(秒)に設定し、シャッターを切るとレンズシャッターが先に切れて、遅れてボディ側が切れる。ということで、低速シャッターについては、レンズシャッターの方がはるかに確度が高いようだ。

 1つ気になることは、レンズシャッターのリングにレリーズを付けられるような穴があることで、この用途が判らない。普通に考えると、レリーズを付けてマニュアルでレンズシャッターを切るときに使用するように思うのだが、シャッターチャージの後で、ピンで突いても動かない。どこで、どうしても動かない。これは故障なのか?どなたかご存知の方がおられたらお教え願いたい。

 ということでレストアもここまで。早速M645に実装してみたが、いやこれがまた実にカッコいいではないですか。大きさといい、面構えといい、文句なし。ちょっとどうよ、コレ!


(OLYMPUS XZ-2)

 ファインダーから見てみると黄ばみやクモリは判らないのだが、実に残念だ。見てしまった「黄ばみやクモリ」を考えるとどうしても写真を撮る気持ちが萎縮してしまうのだが、どなたかバルサム貼り直ししてくれませんかね。