2008 J1 第13節 結果
2008年5月17日(土)
浦和レッズ 2 - 3 ガンバ大阪
14:04キックオフ
埼玉スタジアム2002
57,050人 23℃
もう少しで夏日というほどまで気温が上昇したためか試合開始前からガンバサポーターが水風船を投げ込んだ上、境界線に配置された柵を揺さぶり一触即発のムードを生み出す。ホーム側アッパーからでも充分目視できたこの自体はスタジアム中から避難のブーイングを浴びることになった。
試合は首位の浦和が力を見せつけるべく、遠藤、安田を控えるガンバに攻勢を見せる。しかし浦和は得意のパスワークの冴えが見られず、タイミングの遅さや些細なミスパスを繰り返しボールを繋ぎきれない。
逆に17分、数分前と同様にコーナーキックのこぼれ玉から橋本が上げたクロスに合わせたガンバDF中澤のヘディングで先制点を奪われる。その後もパスワークと加地、ルーカスらのドリブル突破に苦しめられ攻撃陣と守備陣の間に大きくスペースを開けてしまう浦和は決定機を作れず。
35分にはトゥーリオと細貝がお見合い状態で衝突する等ちぐはぐなプレーも垣間見られた。
前半ロスタイムにはスローインから速攻を仕掛けたガンバにFW山崎のゴールで追加点を奪われる。
この得点に意を発した浦和GK都築が岡田主審に講義しイエローカードを受ける。
後半8分2点ビハインドの浦和は梅崎が倒されて得たFKを当事者の梅崎が冷静に決め1点差につめる。12分にはFW高原が同じ代表組のDF加地と競り合いながらゴールに詰める。14分にはFWエジミウソンが反転シュートを放つも枠を捉えきれず。
逆に23分に交代出場してわずか9分の遠藤にFKを決められ再び2点差に広げられる。34分浦和は梅崎のコーナーキックにエジミウソンがヘディングで押し込み1点差に食い下がるも37分にバレーに代え3節ぶり今期7試合目の出場となる水本を投入し5バックで守るガンバを崩せずロスタイム5分もボールは壁に弾き返されるように浦和サイドへ飛ばされ続けた。ガンバの勝利が決定した後アウェー側ペナルティエリア前でエンジンを組み勝利を喜ぶガンバ勢に対し都築、闘莉王らが詰め寄りスタジアム中からブーイングが上がるなどリーグ序盤では珍しく終始緊張感の漂う一戦となった。
ガンバサポーターの暴威に暴威で返した浦和サポーターの行為にはお互いの幼稚さが強く感じられる。また、日本を代表する岡田主審に対し今時高校生でも見せないような荒れた態度を見せた都築には各協会から強い制裁を受けるべきだとも思う。
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埼玉スタジアム(さいたま市)で17日行われたサッカーJ1、浦和レッズ対ガンバ大阪の試合終了後、興奮した双方のサポーターが険悪な雰囲気となり、約2万人の浦和サポーターがスタジアムを包囲し、約1500人のガンバサポーターを閉じ込める騒ぎになった。約2時間半後、浦和レッズが用意したバス約20台で脱出した。
試合はガンバが3対2で勝ったが、スタンドの騒然とした雰囲気が試合後に爆発。双方が物を投げ合うなどした。約2時間後の午後6時になっても、スタジアムの周囲に浦和サポーターが居座り、ば声を浴びせ続け、ガンバサポーターは出られないまま。このため浦和レッズはガンバサポーター用に急きょ臨時バスを用意。サポーターは約40分後、ユニホームなどを脱ぎ、応援旗も隠して県警機動隊員らに誘導され、バスに乗り込んだ。
千葉県流山市から家族3人で来た会社員男性(30)は「3歳の長女がいるのに水も買えなかった。怖かった」と疲れ切った様子。埼玉県川口市の主婦(49)は「ピッチ外でこんなことになるなんて」と声を落とした。
17日に埼玉スタジアムで行われたJリーグ1部(J1)第13節の浦和-G大阪戦で、試合終了後に両チームのサポーターによる乱闘騒ぎがあった。浦和の広報担当者によると、大阪府から観戦に来ていた35歳の男性が右足関節に打撲を負った。骨折の疑いもあったため、男性は近くの病院に運ばれた。
その後、数1000人のレッズのサポーターが会場の出入り口付近を取り囲み、ガンバのサポーター約1000人がスタジアムで約3時間足止めされた。埼玉県警が約200人で警戒に当たる騒ぎになった。
浦和東署などの調べでは、ガンバのサポーターが水を入れた風船をレッズ側の観客席に投げ入れたことをきっかけに、レッズのサポーターが謝罪を要求。サポーターを隔てる柵を挟んで、ペットボトルや応援用の旗ざおを投げ合い、柵が倒されるなどした。
一方、同時刻ごろ、「ガンバサポーターの代表者がレッズサポーターの代表者に謝罪した」との浦和レッズ幹部の呼びかけを機に浦和サポーターは帰宅を始めた。同県春日部市の会社員男性(41)は「試合中からガンバ側は浦和側にペットボトルを投げ込み、子供に当たったりしていた」と話した。
17日夜記者会見した浦和レッズの藤口光紀社長によると、騒ぎの発端は試合前にガンバサポーターが投げた水風船がレッズサポーターの子供に当たったこと。藤口社長は「その仕返しから物を投げ合うのは良くない。こんな事態になって残念」と苦渋の表情を浮かべた。
「う○こ、レッズ!」埼玉スタジアム初勝利に興奮状態のG大阪サポーターは品性下劣なコールを繰り返し、ピッチ上では選手が円陣を組み、優勝したかのような大騒ぎ。ホームでの挑発行為に耐えかねた浦和MF闘莉王が激怒。
「お前ら、大阪に帰ってからやれよ!」
制止を呼びかけたのが開始のゴングになった。選手やスタッフがもみ合いを展開。試合開始前から水風船や紙コップを投げ込まれたゴール裏の浦和サポーターも大爆発。特注のプラスチック製フェンスを約10台破壊し、緩衝地帯を乗り越え、G大阪サポーターと衝突。破壊したフェンスや旗の柄を投げ合う。悲鳴と怒号がこだまする中、大阪から来た男性サポーター(35)はスタンドから落下。骨折の疑いで埼玉県内の病院に救急車で搬送された。
怒り収まらぬ浦和サポーター5000人はG大阪側のスタンド出口を完全封鎖。G大阪サポーターに謝罪を求め、試合終了から3時間半も軟禁状態に追いつめた。機動隊特殊車両3台、パトカー20台が緊急出動する事態に発展した。
「審判が試合を壊した。あれだけ熱くなれば、相手を殺してやろうという感じになる。僕らも生活がかかっている」浦和の主力が憤然と語ったように、岡田正義主審(49)の誤審の数々も狂乱に拍車をかけた。前半ロスタイムには浦和ボールのスローインを逆に裁いて、G大阪の2点目に直結させた。さらにG大阪MF明神が不在にもかかわらず、後半開始の笛を吹くなど混乱状態。
「主催者はわれわれ。実行委員として管理責任がある」と浦和の藤口光紀社長。滝弘之マッチコミッショナーは緊急報告書を作成し、Jリーグ規律委員会に全ぼうを報告する。騒動の規模も大きく、負傷者も出ており最大1000万円の罰金、そして、Jリーグ史上初の勝ち点はく奪というペナルティーが科される危険性もある。順風満帆だった首位・浦和が苦境に立たされた。
※サポーターのトラブルによる最高額の制裁金
Jリーグは過去2回、ホームクラブに対し、1000万円の制裁金を科している。05年4月、柏―名古屋戦でサポーター同士が乱闘。同7月、F東京―東京V戦でF東京のサポーターが灰皿のふたを投げ、負傷者が出た。安全確保義務を怠ったとして、柏、F東京が処分された。