興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

Dignity & Self-worth

2017-06-10 | 戯言(たわごと、ざれごと)

誰に対しても常に寛大で、すべての人を赦して受け入れる、というスタンスは、あなたのこころにとって、時にはむしろ有害です。とくに、その人があなたを不当に扱う、あなたにとって問題のある人の場合、このスタンスにこだわる必要はないかもしれません。

あなた自身の、その人から傷つけられたという気持ち、その人に対する嫌悪感など、もしかしたらあまり感じたくないかもしれませんし、そのような悪感情を自分が抱いている、ということ自体、あなたは認めたくないかもしれません。でも、むしろそうした感情を擁護して、大切にしてください。その感情は自然なものであり、あなたにとって必要な感情だからです。その感情がなかったら、あなたはその有害な関係のなかに居続け、さらに自分を損なうことになっていたでしょう。

そうした相手に対して、友好的に接する必要はありません。これは、あなたの人間としての尊厳の問題です。

誰に対しても優しくある必要はありません。すべての人を赦す必要はありません(脚注1)。すべての人から好かれる必要もありません。あなたの自己価値についてよく考えて、その有害な人を回避しましょう。

Trying to be generous and forgiving to everyone when you are not OK with the person is rather harmful to your emotional well-being. Embracing your feeling of hurt or disgust and allowing yourself to be unfriendly to the person sometimes enhance your self esteem. It's a matter of dignity. You don't need to be nice to everyone. You don't have to forgive everyone. You don't have to be liked by everyone. Think of your self worth and allow yourself to avoid the harmful person.

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(脚注1)赦すこと、Forgivenessについては、この先のステップが存在しますが、まず、第一段階として、このスタンスを奨励します。やがてあなたはその人を赦すことを必要とすることでしょう。この記事のスタンスを最初に取ることによって、赦すことが可能になります。相手があなたのこころの敷地に土足で入って荒らしているうちに、相手を赦すことなどできません。まずは出ていってもらいます。それから、赦すのは、相手のためではなくて、あなたのためです。誰かを恨んだり、憎しみ続けている間、一番苦しいのはあなたです。そうした苦しみからあなた自身を開放してあげるのが、ゆるしです。ただ、ここでよく誤解されていることですが、あなたはその相手を赦したからといって、その人とかつてのような交流をする必要はないのです。赦すことと、交流を再開することは、また別の話です。赦したけど、その人とはもうかつてにようには付き合わない、というスタンスが存在します。

2017年6月14日 加筆・編集


2017-06-10 | 戯言(たわごと、ざれごと)



随分と日が伸びた。

信号が青に変わって大通りを渡っていると、自分のようないでたちの会社員風の男性が立ち止まってスマートフォンを空に向けているのが視界に入ってきた。

その男性はふと我に返ったように前を向いて、こちらに向かって横断歩道を歩き始めた。

自分は横断歩道を渡り終え、彼が立ち止まっていた位置に行き、彼がスマートフォンを向けていた方向を見ると、はっとするような雲が無数に浮かんでいた。

しばらく空に見入っていたが、ふと視線を感じて振り向くと、さっき自分がいた位置からその男性がこちらを見ていた。

そういえば最近あまり日中の空を見ていなかった。見るのは星空ばかり。