興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

カウンセリングを受ける意義

2018-02-22 | プチ精神分析学/精神力動学

総合的心理カウンセリングをしてると、時々クライアントさんから聞こえてくる声に、「こんな歳にもなってカウンセリングが必要だなんて情けない」という声があります。


こうした時にクライアントさん達に自信を持って伝えていることがあります。

それは、私たちはその生涯を通して成長し続ける存在であり、自己実現と自我の統合の可能性を誰もが持っているということです。

しかし世の中、あまりにも多くの人が、自身の本質的な問題と向き合えずに、つまりそれを克服して人生の統合をすることなくして、生涯を終えていくことです。

それはある意味仕方がない事でもあります。なぜなら、その人の抱えている問題が深いほどに、幸運や本人の努力のみで克服できる可能性は低くなるからです。

そこで、心理カウンセリングは非常に有効です。

サイコセラピストとしての私の役割は多岐に渡ります。
たとえば『クライアントさんの幼少期の家庭環境による発達性トラウマに基づく、愛着障害や問題のある愛着タイプを改善』したり『無意識的に繰り返されている問題行動や問題ある人間関係のテーマを意識化し、修正』『慢性的な低い自尊心や自己評価に苛まれている人の自己イメージを改善』したりと、様々です。質の良い心理カウンセリングを継続的に続ける中で、その良い治療関係によって、その人の愛着タイプそのものが変容するという研究結果もありますし、それは私が臨床のなかでも感じていることです。

私の心理カウンセリングは、【総合サイコセラピー】です。言い換えると、どのような人生の課題にも対応しているので、老若男女、本当に様々な方たちと関わりを持っています。

カウンセラーは精神疾患の治療はしないという方が同業者にも多いですが、そんな事はありません。確かにそういうカウンセラーさんは日本には多いですが、私は具体的なあらゆる精神疾患の治療をしていますし、総合サイコセラピーは、治療を含んで越えるものです。超えるものだから、特定の精神疾患のないクライアントの人生の課題と効果的に向き合うこともできます。

良い心理カウンセリングの前提には、誰が受けても恩恵が得られるもの、ということがあります。

つまり私が冒頭のようなクライアントさんの言葉に対して思うのは、クライアントさんはとても意味のある事に取り組んでいるわけであり、本来ならカウンセリングを受けた方がいいのにカウンセリングを知らないで生きている方があまりにも多く、むしろそれが残念であるという事です。

誰もが可能性を持っているのに、多くの人が生涯を通してなかなか到達できない自己実現の可能性が、カウンセリングを受ける事でずっと到達しやすくなっている、という事実です。