興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

とらわれと転位

2010-06-30 | プチ臨床心理学
 何かに気を取られていて、それをコントロールしたりシャットダウンしようとしている自分に気付けると、それにあまり気を取られなくなるのが不思議だ。

 つまらないものに気を取られたり、取るに足りないものに関わったり余計なエネルギーを費やすのは、そこに他のもっと根本的な問題を投影しているからに過ぎない。己の中にある問題のはけ口となる対象を、無意識に探しているからだ。

 もともとはニュートラルなものが、ふいに目障り、耳障りに思うのは、その良い例だ。それをコントロールするかわりに、もっと深い、本当の問題を見つめてみればいいのだ。
 そこに向き合いたくなかったり、向き合う準備がないから、つまらないものに関わろうとするのだ。そこに気を取られて無駄なエネルギーを使っているうちに、そのもともとの問題が意識からうやむやになる。そうしているうちには、新しい、偽物の問題が生じることはあっても、根本的には何も変わらない。

 どうでもいいものを何か重要な問題と錯覚して気を取られることに気付いていくことで、もっと自分に向き合えて、もっと自分を理解できて、つまりもっと建設的な解決策が見つかる。

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4 コメント

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どうでもいいことが何故か魅力的に見えたりします。。。 (Nancy)
2010-07-02 02:34:17
注意散漫な人生を何十年も過ごしてきました(笑)
いらん事に熱中し無駄な力を使う毎日です。あはは。
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Unknown (よだか)
2010-07-04 16:28:59
Nancyさん、

突如、「何故か魅力的に見えたり」するものが
もともとの目的の遂行を邪魔したり
それに煙幕を炊くようなことになると、
要注意かもしれませんね。


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置き換え (新まっきー)
2010-07-10 22:56:24
置き換えの防衛でしょうか。
より向き合いやすいターゲットをみつけてそこに集中することで、向き合うと不安になるようなものから意識を遠ざける。
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Unknown (よだか)
2010-07-12 17:41:21
新まっきーさん

はじめまして。そうです、置き換えですね。目障りだったり、耳障りだったりと、不愉快な刺激であろうと、それは不安を向き合う脅威と比べたらずっとましだと。
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