スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

薪能

2013-10-13 11:04:53 | ご近所情報

2012-5-23付で掲載した中央区大戸にある

国登録有形文化財「二木屋」で14年前から公演している

日本一最小の二木屋薪能に行ってきました。

こちらの店主は日本伝統文化、そして歳時の研究に

殊の外、熱心で幾冊もの本も書かれています

9月末~10月中まで5回程、薪能を企画され

65回もの公演を数えているそうです。

庭の松を背景に、天空の月や星に包まれ

虫の音と風の音を聴く

能舞台として、限りなく贅沢で特別な空間です。

さらに能装束の絹ズレの音や、伽羅の香りまでが魅了する世界は

大規模な薪能にも能楽堂にもない、本当に素晴らしい空間でした。

当日は、あいにくのぐずついた空模様で残念ながら、この和室の室内で

能仕舞「花」と狂言「名取川」が演じられました。

しかし、三隅の長押にロウソクが焚かれ、席の前にはミニかがり火のランタンの火が

並べられ、妖艶な幽玄の世界に誘われました。

右の方が大蔵吉次郎(重要無形文化財)

残念ながら写真撮影は禁止。そこでパンフレットからの

写真で皆様にその空気の一端をお伝えいたしますネ。

(パンフレットから)

やはり能舞台で見たいという参加者の思いが店主そして後見に伝わったせいか

英断で最後の半能「葛城」は能舞台に席を移して見ることができました。

その日は晩秋のような空気の冷たさで、より一層幽玄の世界が広がり

目の前で演じられる能の無限の美しさに圧倒され、夢のような時の流れに魅了されてしまいました。

本当にすごかった!感動した!

最後にシテの辻井八郎氏(重要無形文化財)と山伏を演じたワキの野口氏と記念撮影

この時、初めて現実に帰った

 

・2001年世界遺産の一つとしてユネスコの「無形文化遺産」制度がはじまり

日本でも世界でもその第1期に認定を受けたのが「能楽」でした。

(その後03年に文楽、05年に歌舞伎09年に雅楽と続く)

 

・まったく型を変えずに伝承する世界最古の歌舞劇である能・狂言。

その歴史は飛鳥時代に中国から渡来した「散楽」を源流とし、室町時代、観阿弥と

その息子の世阿弥によって確立されました。

 

・江戸時代の儀式芸能だった能は、明治維新で廃絶の危機に瀕しました。

しかし能楽師らの並々ならぬ研鑽努力によって

今日、能は最も裾野の広い芸術として伝統文化を牽引する立場を担っています。

 

二木屋登録文化財×能楽世界遺産×日本料理世界遺産

(日本料理は2013年秋にユネスコ「無形文化遺産」になる)