長野県信濃町、野尻湖の近くに1984年(昭和39年)
7月1日にオープンした博物館。野尻湖の発掘調査は
1926年(昭和37年)から始まり50年以上も続けられている。
その成果を中心に約5万年の昔から現在に至るまでの野尻湖と
周辺の自然環境を研究展示しているのが当博物館だ。
2階常設展示場に入ると目の前に実物大のナウマンゾウの
復元像がこちらに向かってくるポーズで展示してあり、
とても迫力がある。これは発掘で得られた科学的データを
基にして芸術家が造ったものだ。
ナウマンゾウの名は日本のゾウの化石を初めて研究した
エドムント・ナウマン(1854年~1927年ドイツ地質学者)の名を取った。
ナウマンゾウは約40万年前から生息し、約2万年前に衰滅したと言われている。
ナウマンゾウの化石が発掘された場所は、日本と中国の一部
約180箇所以上の所。野尻湖底には、ナウマンゾウの歯の
化石だけで約40頭分が発見されている。
当館は骨器石器の資料が豊富で主要な化石、
遺物だけで約1000点が展示されている。
野尻湖人と呼んでいる旧石器人類の石器や骨器もあり、
野尻湖のまわりをゾウやシカが闊歩していた
太古の世界に想いをはせることができる。
これは、実際の野尻湖発掘からはぎとってきた本物の地層だ。
たくさんのしま模様が見えるが当然、上の方が新しく
下へ行く程古い時代になる。黒姫火山や妙高火山の
火山灰層がはさまっていてその年代が詳しくわかっている。
この地層の中からナウマンゾウの化石が見つかっている。
1962年(昭和37年)から始まった発掘調査は
現在まで続き、今年も第22次発掘が行われ、
ナウマンゾウの臼歯と肋骨群が発見された。
その年度互に参加した人数と化石の数が標記されている。
この一覧表を見ると大変な発掘事業だという事が分かる。
3階は特別展示室と研究資料の保存をしている研究室がある。
特別展示室ではヤベオオツノジカとヘラジカの特別展が行なわれていた。