スミダマンのほのぼの奮戦記

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ヤンゴン新専門病院作業所視察

2019-12-19 06:44:47 | お仕事

11月にミャンマーの最大都市ヤンゴンで日本のODA

無償案件の病院(ヤンゴン新専門病院)建設現場の視察に行ってきた。

当現場は今年2月に入札が行われ、大成建設㈱が48億5,000万円で落札。

6月から着工している現場だ。

日本国内でこの病院を施工した場合、約倍の金額がかかるのでは?との事。

これがNEW YANGON SPECIALIST HOSPITALの完成バース。

敷地面積45,102㎡、建物延面積27.269㎡(8,263坪)。

設計は山下設計が担当したそうだ。

職員、作業員の出入口の建物には英語とミャンマー語と日本語で

スローガンが表示されていた。

「今日も一日安全作業でありがとう!明日も元気に頑張りましょう!」と。

建物の内壁に桜の花びらが描かれているのも印象的だ。

我々視察者グループにはビジターカードが渡され、

そこにはID番号も書かれていた。

かなり管理システムは厳格に行われているようだ。

現場内には安全やPDCAの標示がされていた。

これは協力会社の地元建設会社のものらしい。

日本の現場と同じ様に安全通路の確保もされ、安全通路の表示もされていた。

この安全面は元請の大成建設の指導によるものだろう。

ヤンゴンは地震がある為、日本と同じ47mのパイルを打つそうだ。

ミャンマー人の人件費は安いが

建設資材は海外から輸入する為、結構建設費は厳しいとか。

品質管理は悪くなく、日本と比較すると90%~95%程度と意外に高い。

逆に工程管理は日本の50%増と工期がかかる。

日本で言う建築基準法のような法律はあるが、建築の資格制度はまだ無いそうだ。

下請も専門職業者はまだ育ってないが

民間建設会社は雨後の筍のように現在増えているそうだ。

安全に関しては日本の労働基準法のレベルで、あまり安全意識は無いそうだ。

ヤンゴンの11月の日中は暑い。

日傘の下で仕事をしている作業員。

日本人と違ってミャンマー人は体が暑さに慣れているらしい。

ミャンマー人の性格の特徴は勤勉、従順だがのんびりしている。

ベトナム人のように徒党を組まない。

そのことは組織を作り活動をすることが苦手で

ビジネスにはマイナスだと大成建設の所長は言っていた。

大きな壷が置かれただけだが喫煙コーナーも用意されていた。

これがとても整理整頓され、きれいな現場事務所。

敷地に余裕がある為か、平屋の造りで機能性に富んでいる。

ヤンゴンは大部以前よりは改善されてきたが

まだ停電がしょっちゅうあるとの事。

主だった建物には自家発電が必要と言っていた。

こちらが事務所内の光景。

中はかなり広くJICAの事務所もあるらしい。

因みに大成建設の社員の方は5名だとか。

この方が大成建設のY所長。

他のゼネコンもそうだが海外畑に成るとほとんど日本に戻れなくなり、

浦島太郎状態になってしまうとか。

所長からは懇切丁寧にミャンマー事情を詳しく話していただいた。

その中でも印象的だったのはミャンマー(旧ビルマ)では戦争中、

日本軍はそんなに悪いことはしてなかった為、親日的な国だ。

又ミャンマーでの外国ゼネコンの状況は日本が勢いがあり、韓国はあまり無い。

中国は今抑えられている状態だとか。

こちらが別室で打合せをしている光景。

壁に掛けられた着物の女性と五重塔のカレンダーが印象的で

とてもわかるような気がする。

現場事務所通路にはミャンマーの国旗を模した中に各職長の顔写真が貼られてあった。

又、工程表と組織図も掲載されていた。

安全中心の朝礼のステージも日本の現場の風景を思い起こされる。

「地図に残る仕事」をキャッチコピーに

「一日ずつ、トンネルができていく。

一日ずつ、私の自信もできていく。」の女性現場監督のと

「日本を遠く離れた異国で、僕は空港と自分自身を建設している。」の

男性現場監督の後姿のイラストポスターがここでは一際輝いていた。

カッコイイぞ!!