ちょっと前になるが昨年の秋、業界視察旅行で新潟、
ものづくりのまち燕三条・城下町村上に行ってきたので、
今日から越後シリーズをアップいたします。
新潟県三条市にある(株)諏訪田製作所は1926年に創業。
90年余年の歴史を誇るニッパー型刃物の製造に特化した注目の会社だ。
創業時はニッパーの前身、釘の頭を切るための「喰切」と呼ばれる道具の製造をしていた。
この工場は2020年に新しく建て替えられた。
玄関を入るといきなり金属製部材の2羽のときもどきのディスプレーが出迎えてくれた。
しかもLED照明に照らされてこれだけでもインパクトがあったのに。
さらに当社で使っている(?)金属部材でできた巨人の人間像2体が立ち迎えてくれているのには驚いた。
また、真ん中の応援椅子が立派でここに座ると兵士に守られて強い王様になった気分になる。
エントランスホールの左隅にはプロレスラーのジャイアント馬場の愛車
キャディラック・エルドラド・コンパーチブルが展示されていた。
なんで?
その答えはジャイアント馬場がご当地三条市の名誉市民という関係からだった。
こちらはなんと社員食堂だそうだ。
明るい全面ガラス戸に囲まれ奥の照明器具も当社使用の部材でデザインされたお洒落なもの。
廊下のライトも金属部材でできたもの。
この会社はただの刃物をつくっている会社でなく、何かすごいことに取り組んでいる
ただものではない会社のにおいがここまでで感じてしまった。
さらにこのライオン像と松風の盆栽を見ればとどめを刺されたという感じを強く持った。
製造工場は地下1階にある。
当社の工場は2011年に公開を開始した。
まさにオープンファクトリーの先駆けである。
稼働中はいつでも誰でも職人の手仕事を見られるようにしたそうだ。
見せるためでなく見られるために会社はライティングを考えた。
床、壁、天井、機械や升器まで黒く塗ったのは「炎を見るため」。
明るいブラックボックスは黒衣の職人の仕事をくっきり際立たせてくれる。
オープンファクトリーの通路のポイントポイントには当社が製作した「刃と刃を合せ切る」商品、
そして部材が光溢れるケースの中に展示されていたSUWADAつめ切りは「切る」機能を研ぎ澄ますために
熟練職人が一人一人丁寧に手仕上げている。
機能本位の美しいフォルムで爪の形にカーブした刃は巻き爪や変形した爪のお手入れが可能だ。
まさに当社の爪切りは繊細な職人手仕上げの逸品だ。
このドアの取っ手もユニークでお洒落。
こちらのコーナーは諏訪田製作所で開発・商品化された各種商品。
販売コーナーにもなっていて皆、素晴らしいデザインの商品が並んでいる。
こちらは人気ヒット商品の栗剥き用の刃物「栗くり坊主」。
実際に栗むきの実演も行われて特に女性に「素晴らしい!」とうけていた。
「ものづくりは連綿と続く自然を間借りして」というコンセプトが伝わってくる1枚の写真。