西郷隆盛『南洲翁遺訓』
第4回 時代を映す「古典」
「愛しき日々」堀内孝雄
西郷を悲劇の死に追いやった「西南戦争」。
不平士族たちの思いを背負った西郷が負けとわかって挑んだ戦いと記されることも多いが、先崎彰容さんは、実はこの戦いは、西郷が大きな思想的な課題を成し遂げようとして戦った必然的な戦いだったと考える。
この戦いには、洋行帰りで西欧の最新知識を吸収した人やルソーに心酔した知識人も参加していた。
こうした事実と「南洲翁遺訓」を合わせて西郷の行為を読み解くと、官僚独裁が進み排除の論理が横行する新政府に対して行った大きな「抵抗運動」だったと考えられるという。
時代の転換期ごとに読み返され、福沢諭吉、内村鑑三、三島由紀夫らにも大きな影響を与え続けた西郷の思想。
第四回は、時代を超えて何度も掘り起こされてきた西郷の思想が、現代の私たちの置かれた状況にとってどんな意味をもっているかを明らかにしていく
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